Amazonが安値で放出していたので確保。
内容はThe Brecker Bros.、Back To Back、Don’t Stop The Music、Heavy Metal Be-Bop、Detente、Straphangin’のブレッカー兄弟名義の6枚にアリスタのスター・プレイヤーを集めたBlue Montreuxのライヴが2枚。再結成前の作品はほぼ揃うことになります。
テンション、スピード、キレ文句なし。ただ、スムースなフュージョンとは対局にあるものなので、ジョニー・グリフィンあたりと同様、続けて聴くと疲れます。パーカー以来のスピード感でとても気持ち良いのですが、1枚が集中力の限界。これも私から見るとパーカー譲りでしょうか。メロウ、スムーズ系フュージョンや穏やかなハード・バップ（ビル・エヴァンスやデスモンド、コニッツのような）しか受け付けない人には厳しいかもしれません。モントルーのライヴは他のプレイヤーに気を使ったのか、ゆるやかな曲もありあまり疲れずに聴けます。ブレッカー兄弟も年を取ってからはゆるやかな曲が増えているようです。マイケル・ブレッカーが2007年に白血病で若くしてなくなったのは残念です。
この箱、コンパクトだな、と思ったら紙ジャケは見開きではありませんでした。何故か1枚だけLP風見開きのジャケットが入っていていました。これはこのシリーズが再発されるときに値段を下げた代わりに見開きジャケットを止めたのかもしれません。どういうわけか、古いのが1つだけ混じっていたのでしょう（海外のレコード会社はいい加減なので）。見開きといってもかなり安っぽいものなのでこの変更はそれほどマイナスには感じません。ロキシーや10CC箱の美麗、丈夫な見開きLP風なら少々値が張っても欲しい人はいるでしょうが、このシリーズの薄くて安っぽい紙ジャケ程度なら見開きでなくても十分です。
大きなマイナスはリマスターされているけどボートラ、別テイクなしっぽいこと。このコロムビアのComplete箱シリーズは大抵ボートラ付いているようなイメージでしたが・・・。内容はとても良いし、安いので文句を言ってはいけないのでしょうが。ブックレットもついていますが、解説など何もなしでメンバーと曲目が書いてあるだけの簡素なものでした。現在、ブレッカーのCDは単品では手に入りにくいものもあるようなのでこの箱の存在価値は大きいと思います。
Robin Trower ? Father On Up The Road
プロコル・ハルムのギタリストだったトロワーのソロ名義、Chrysalis時代後半の箱。中身はIn City Dreams、Caravan To Midnight、Victim Of The Fury、B.L.T.- Featuring Jack Bruce、Truce ? Featuring Jack Bruce、Back It Upの6枚を3枚にコンパイルしたもの。クリサリス前半の箱は正直、あまりいいとは思わなかったですが、評判の良くないこの度購入した後半の箱のほうがむしろ馴染めました。ヘンドリックスを過剰に意識しなくなった時代だからでしょうか。
なお、レコード会社の大合併でオリジナル・アルバムシリーズでクリサリス音源も出るようになるようです。そして、発売されるアーティストの中にトロワーも名前が上がっていました。細切れのコンパイル盤より1枚1アルバムでないと嫌っていう人はその発売を少し待ったほうが良いかもしれません。ただ、5枚セレクトってことになるでしょうから、より廉価でLP6枚+6枚ほぼ完全な形で買えるクリサリス名義の箱も存在価値がなくなるとは思えません。リマスターされた上に完全ではないとはいえ、ボートラも付いてますしね。
ケヴィン・エアーズあたりもオリジナル・アルバムで出るみたいだけど、どうせ持ってる奴ばかりだろうな。
Starsailor ? Love Is Here / Silence Is Easy
最近良く買っている廉価二枚組。You-Tubeで気に入ったので購入。こういうのもシガー・ロス同様、ポスト・ロックっていうんだろうか。ヴォーカルは情感たっぷりでメロウだが、他のオルタナティブやポスト・パンクと言われる作品ほどダウナー系ではなくて好感。伴奏も他の最近のバンドほど無理に多様な音楽をミクスチャーしてなくて聴きやすい。Silence Is Easyはフィル・スペクターが殺人容疑でリタイアする直前にプロデュースした作品であるらしい。スペクターの嗅覚はまだ冴えているようだ。刑務所から出てくるにはまだまだ時間がかかるようで、今後仕事ができるかどうかは寿命との勝負になるんだろうか（苦笑）。なお、スターセイラーのメンバーはティム・バックリーから影響を受けたと公言しているらしい。ジェフじゃなくて親父のほうなのね。
