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『ちはやふる』第五巻/末次由紀

2009-06-16 | 少女漫画
 




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届くのが待ち遠しかったですよ(出たのは6/12)。第五巻も熱くて、そしてまた泣きそうになってしまいました。

体調不良で団体戦を棄権した千早。「おれたちが簡単に負けたら 千早は絶対死ぬほど泣く」と、善戦する瑞沢高校。千早は明日の個人戦には完璧な体調で出場すると闘志を新たに。
会場に現れた新が預けていってくれた福井土産の羽二重餅(はぶたえもち)、そこには「次は試合で。 新」との手書きのメッセージが。
自分のメールが、想いがきちんと新に伝わっていたと知り、うれし涙を流す千早。

完璧な体調で臨む個人戦。A級、B級、D級(段位なし)同士であたる個人戦。瑞沢高校の面々もお互い今日は敵だねと戦いへ。
そこに現れた、史上最年少クイーンの若宮詩暢(わかみやしのぶ)、京都の高校一年。昨日、近江神宮ですれ違ったあの子がクイーンなのだと知る千早。第四巻のあの二人がすれ違うシーン、なんの台詞も、やりとりもなかったのに彼女がクイーンだと分かる描写にゾクゾクしました。
綺麗な顔なのに変なTシャツ、ダサい格好、「期待を裏切らないダサさ!!」。
素で嫌味が染みついてるクイーンを、須藤は「ブッコロス」と言う。千早のことも「ブッツブス」。
自分の目標であるクイーンが会場に現れ、早く勝ってあの子のかるたを見たいと思う千早。北央の甘糟(あまかす)相手に24枚差で圧勝するクイーン。
クイーンに当たりたい、当たりたくない、当たりたい、当たりたくない、当たりたい。そう思っていて読み上げられた二回戦の組み合わせは
津咲高 若宮詩暢
瑞沢高 綾瀬千早。

始まる暗記時間。凍り付くような空気。一首目が読まれようとした瞬間、音を聴く暇もなくクイーンが飛ばす、一枚目の札。
真空を飛ぶ 針のような 音のしないかるた。
ビデオカメラを20倍ズームにしても何が起きているのか分からない宮内先生。「おお」と聞いて敵陣の「おおけ」を攻めに行き、自陣の「おおえ」が出札でも戻って取れる千早の体勢。それに対し、決まり字まで動かずに聞いてもまっすぐに狙えるクイーン。
あまりにも一方的な勝負のさなか、突如、千早のTシャツのプリントを見て「ダディベア!?」と口を開けて声にするクイーン。そういえばクイーンの着ているTシャツは「スノー丸」のものだと、クイーンだけど、同い年の16歳の女の子だと気付く千早。「勝てないわけない」。
それでも自分の囲い手のわずかな隙間から容赦なく札を払うクイーン。千早の「攻める」かるたに対して、クイーンの「守りがるた」。
戦意を失いかける千早を見て、「ああ またや」と思うクイーン。最初はみんな威勢ようぶつかってくる、でも、そのうち一人でかるたしてるみたいになる。
他校の生徒がうっかりスイッチに寄りかかり、一瞬消える、会場の照明。
電気が点くと、目の前のクイーンと、5歳相手にも手加減しないと言った新の姿が重なります。初めて新とかるたをした日、せめてあれだけ、あれ一枚だけでもと悔しがった気持ちを思い出す千早。12歳の私に、気持ちで負けてどうする!
戻ってきた千早の戦意。「ふうん いつまでもつんやろ」と微笑むクイーン。
敵陣の「なに」にクイーンと同時に手を叩き付ける千早。「いまのは同時だから そちらの陣の取りです」。まぐれはいやだ。この子から取る、最初の一枚が、一月のこの席につながってる。
「ふ」になる前の音を聴き、一字決まりを取る千早。流れが変わり、クイーンの顔から消える笑み。競技線の中で、自由になりたい。もっと、自由に。強いってそういうこと……?
20枚差で完敗する千早。初めて一字決まりを取られたクイーンは「瑞沢高校 綾瀬千早」とその名を心に刻む。次は一枚も取らせない…!
勝負が終わり、「スノー丸のTシャツ かわいいですね」と千早に笑いかけられたクイーンは、頬を赤らめます。

このポカンとした顔は反則だ。まるで「普通の女子高生」のように、可愛すぎる(笑)

いつもなら即寝する千早は、暗記、暗記と自分に言い聞かせながら、泣きながら試合を反芻している。まっずく、速く、よく聴いてと。
その姿を見て、「ああ 今日だ いまやっと千早の夢が 本物の夢に」と思う太一。

B級の決勝に進む太一。自分にもできるだろうか。負けながら泣きながら、前に進むことが。新に向かっていくことが。脳がしびれて、前しか見えない。決勝で敗れ、準優勝に終わる太一。泣いて悔しがる部員達を見て、自分はまだ泣いていいほど懸けてない。"悔しい"だけでいい。
宮内先生は、負けと向かい合うのは大人になっても難しいと、そっと見守ります。

大会が終わり、夏休みを利用して体力作りに励むかるた部。最近毎日、詩暢(しのぶ)ちゃんが夢に出てくると言う千早。クイーンと呼ぶのはおそろしいので、詩暢ちゃんと呼んでいる。
新は夢に出てこないと言う千早に、夢といえば「すみのえ」ですねと目を輝かせるかなちゃん。百人一首にはたくさんの「逢いたい」がある。そんな「ロマンチック!!」が、自分にもわかる日が来るだろうか?
その頃新は、自分を福井南雲会(ふくいなぐもかい)に入れてくださいと、栗山先生のもとを訪れていた。

体育祭の部活対抗リレーで一位になっても増えない、かるた部の新入部員。見学者は来るのに、練習を見て「ムリだ」と帰ってしまう。そりゃそうですよね。
差し当たっての目標は、試合経験を積んで実力up。部員達に指示を出していて、太一の携帯にかかってくる彼女からの電話。「わかった 別れよう」と即断!(笑)
「告られたからつきあってるだけでそんな好きじゃないんだけど」というあの彼女ですね(第2巻)。太一も、本気になれない恋愛(そもそも「恋愛」じゃない)にけりを付けて、夢に向かって--。その先には、新。
電車の中で眠ってしまい、太一にもたれかかる千早。自分がずるくていやだ。そう思う太一。出し抜いてでも人より強くなりたいと思ったり、千早と二人でどっか行きたいと思ったり。

夢に見るあの速さ、あの鋭さに追いつきたいとかるた会で練習をしていた千早は、原田先生に「千早ちゃん 速く取るのをやめなさい」と言われる…?

お薦め度:★★★★☆
ゾクゾクしました! クイーンのキャラがいいです。
こんなに熱い青春を、私は知りません!

↓本物の夢になった!
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