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『花と悪魔』第6巻/音久無

2009-12-04 | 少女漫画
 
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忘れない…
忘れたくない
せっかく気付いた大切な想いなのに−−−−
ビビ−−−−



蘭子さんの正体は、ビビへの恋心に気付いたはなの「想い」を奪いに来た、大悪魔モーリッツ。
目を覚ましたはなちゃんはビビを忘れ、モーリッツに心奪われていた。
人格変わりました。「はな様」!(笑)

「お前が必要だ」「行かないでくれ」「愛してるよ」、どれも口に出来ないビビ。そんな言葉を口にしてもはなが戻らなかったら、はなの自分への想いが所詮その程度だったらと、つきつけられるようで恐ろしい。
今まではなちゃんに「命令」しかしてこなかったビビの、「頼む 戻ってきてくれ」という初めての懇願の言葉。桜の木の上、満月を背に「俺はお前と ずっと一緒にいたいよ」と言うビビを見て、ずっと一緒にいられるという150年に一度の満月のまじない(第1巻)を思い出し、解ける術。

術が解け、全てが魔王の差し金だと分かり、ビビvsモーリッツの大悪魔対決、勃発寸前。それを止めたのは魔王の側近ギルベルト。そんな態度だとその内に魔王候補から外されてしまうと言うモーリッツに「へえ… 俺 まだ候補に入ってるんだ?」と全く無関心のビビ。ビビが大切なのは、いずれ死んでしまうはなちゃんのことだけなのです。
ビビのことどうでもいいと、魔界に行ってモーリッツと暮らすと言ったことを全く覚えていないはなちゃん。「好き」を理解した瞬間のことも忘れてしまいました。
知らない間に酷い事いっぱい言ってしまったと泣くはなちゃん。フェルテンとエリノアは「はなお帰りお花見パーティー」を企画してくれる。人間のはなちゃんを「悪魔の世界へようこそ!」と出迎えてくれるみんな。ビビに「はな なんでもして償います」と謝ると、「へーえ ふーん なんでも? じゃあキスしろ」と!
このお花見パーティーはすごく好きです。捨て子だったはなちゃんが気まぐれに悪魔に拾われて、14年(15年?)という時が流れ、いつしか悪魔だけではなく人間の友達もでき、今はこんなに幸せ、という一シーンですね。

学校へ行くとはなちゃん達の前に現れた、風邪をひいて休んでいた西島椿(にしじまつばき)。不良の桃とも自然に話し、約束して友達になるのとか好きじゃない、形からではなく自然に友達になろうとはなちゃんに笑いかける。いい子だなあ。「田中蘭子」が残念だったので、女友達の出現は嬉しいですね。


モーリッツの件にけりが付いて、もう教師も辞めて学校に来なくなってしまったビビとフェルテン。桃を除き、それまでの記憶を消されているクラスのみんな。不安になるはなちゃん。自分は術が解けた時、とても大事なことに言ってもらった気がするのに、そのことも忘れちゃうの?と。
ビビは優しく「俺はお前とずっと一緒にいたいと そう言ったはずだ」と、ポロポロ涙を流すはなちゃんのおでこにキスをする。

ハシラによると、はなちゃんが自分に秘密の場所を見せてくれた桃弐號とまた何年後かに会おうという不確かな約束をする第34話までが一つの区切りで、第35話から第2部という構成のようです。
ここで終わってもいいくらいですね。はなちゃんがビビを好きで好きでたまらないと確信して、でももしかしたら数年後の未来に格好良くなった桃が迎えに来るかもしれない。そんな余韻を残して終わったらそれはそれで素敵な物語になったと思います。

第2部はエリノアの新しい婚約者、ヴェルンハルト男爵の登場で幕開け。
もう少し読みたいのでやはり続けて欲しい。エリノアの、フェルテンに対する恋の始まりはとても可愛い。


第31話扉カラー(『花とゆめ』2009年12号)


第35話扉カラー(17号)

↑今気付いたんだけどアオリの文句がエロい(笑)


お薦め度:★★★★☆
このお話は人間の捨て子が気まぐれな悪魔に拾われて育てられるという物なのですが、「はな」と名付けられたその女の子が恋だけではなく、色々な気持ちを知り、悪魔だけではなく人間の友達もでき、気付いたら自分はこんなに幸せで、世界は輝いていた。そういう優しい空気がほんとに良い。
はなちゃんが作者に「愛されている」というのが感じられてとても好きです。


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【検索用】花と悪魔 音久無 6

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