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『執事様のお気に入り』第6巻/伊沢玲・津山冬

2009-05-21 | 少女漫画
 


---ありがとう伯王
伯王がいつも側にいてくれるおかげだよ
アル君の助けになれるのも
私が毎日楽しく過ごせるのも


何故かクッキング部が開催するお芝居に良ちゃんが王子役として参加する第21話から始まって、英国からの短期留学生アル君絡みの話がメインの第6巻です。

伯王が昔の宝物を忘れて新しい宝物(良ちゃん)を見付けてしまったという慌ただしかった夏休みは終わり、「夏休みで一緒にいられなかった分も傍にいてやるからな 覚悟しとけよ?」と自分に笑いかける伯王。また一緒だという言葉を聞いて何故か嬉しくなる良ちゃん。
そこへ現れたのはお姫様の格好をした薫子さん。
何故クッキング部でお芝居? ブロードウェイに行って感化されてしまった花園部長はあの興奮あの感動を伝えたい…と。
「楽しければなんでもあり」のLクラスのお嬢様らしい行動が微笑ましいというか。Lクラスのお嬢様達ってただ遊んでるだけに見えるんですが、それもそのはず。「お嬢様」なんだから卒業しても働く必要なんかないんですよ(笑) 「お嬢様」って何だ?ということを第5巻の記事で少し考えてみたので→第5巻
白雪姫のはずが、希望者多数のため姫量産され『眠れる森の白雪シンデレラ姫達』。
その凛々しさと行動力で王子役に抜擢された良ちゃん。姫の役じゃなくていいのかと訊く伯王に昔からお姫様には興味なかったと答える良ちゃん。「--それに 私 お姫様なんてガラじゃないし」と言う良ちゃんに「姫だろ お前なら」と答える伯王。
男役を楽しむ良ちゃんは読んでいて心地よいです。

なくてもいいんじゃないかと思われる、良ちゃんが男役を演じる番外編的な第21話ですが、劇が無事終了した後の「俺はやっぱり見てみたかったけどな お前の姫の姿」という伯王の台詞。物語の中のような「王子様とお姫様」、執事とご主人様ではなくそんな関係を、本当は二人も心の底では望んでいるのでは?

そして双星館に英国からの短期留学生、アルバート・スタルトウィンがハウススチュワードの向坂さんとともにやってきます。日本びいきで日本語もペラペラのアル君の登場です。
慣れない学園生活に戸惑うだろうと、アル君の面倒を見るよと言い出す良ちゃん、「--でも伯王もいるから!」と執事候補生も巻き込んで。
悪意なく自然体で良ちゃんの腰に手を回し、「リョウ」と親しく呼びかけるアル君を見てハラハラしてしまう伯王。向坂さんの「---熱くなるなよ 『執事』なんだろ?」という意地悪な一言のおかげで余計に焦ってしまいます。好きなものは好きだと、気に入ったものは気に入ったと、正直に自分の気持ちを表現できるアル君に対し、自分はあくまで「執事」なんだと言い聞かせる伯王のジレンマ。良ちゃんを決して「良」と名前で呼ばず「氷村」と呼ぶ伯王。もしここが双星館ではなく普通の高校だったら…という事を伯王の視点から見るともどかしいんですよね。やりたいことがあって、自分の実力で勝負したくてBクラス生になった伯王ですが、仲良く相合い傘で帰宅する二人の空気に何かを感じたアル君の「---彼は 本当に リョウの執事なのかな?」という言葉からおおごとに。
ハクオウがまるで「執事」じゃなくて「王子様」みたいだと言うアル君の一言。お芝居での王子様お姫様というくだりはこれの伏線と考えれば必要な一話でした。
アル君は断ろうと思っていたレセプションに「喜んで行く」と返事を改めます。パートナー(同伴する女性)がいないと一人前と見なされないと、良ちゃんに同伴者を頼むアル君。
他意はなく善意で快諾する良ちゃん、「先輩」として伯王を見守っている向坂さんは熱くならないのが「正しい」執事だと言うと同時に「でも それだけじゃ足りないんだけどな」と。
アル君はお姫様の隣に立つのは王子様って決まってると伯王に言う。「執事」の君じゃない。「アルバート様の奥方候補として 氷村良嬢をお迎えする準備を」と動き出す向坂。その嘘にまんまと謀られて、使わないと決めていた「神澤」の名を使って会場に駆けつけてしまう伯王。
良ちゃんを奪還。「ただの執事じゃなかったの…?」と訊くアル君に「---ただの執事ですよ どこにいても どんな服を着ていても --俺はただ 氷村のためだけの執事ですよ」。
ご主人の不興を買うのも覚悟の上で大嘘をついた向坂さんは「『一番大事なのは良ちゃんのためになるかどうかだろ』---ってな」。
心配して来てくれたの嬉しかった、でも家の名前を使わせてしまったことを悪かったと思うと言う良ちゃんにそんなこと別にいい、いくらだって心配してやる、お前のためなら何だってすると伯王。「…俺がお前の一番隣にいる エスコートだってするし 一番近くでお前を守る …いいよな?」と。
決して情熱的な恋愛を描いているわけではないんですが、不思議とこの二人の距離が縮まる様にドキドキできます。

第24話冒頭はアル君の帰国。心配で目どころか手すら離せないと言う伯王。あの騒動以来、良ちゃんに対して過保護すぎるくらいになってしまう伯王。この手を離さないと公言してしまいます。良ちゃんもそれがまんざらでもない様子。そんな二人を見て「何かいいよな ああいうの」と言う隼斗。

そしてLクラス生のお嬢様と一緒に登校し、お世話をしている、伯王一筋で誰の専属にもならないはずの隼斗が話題になります。全ては実家の事業が失敗して双星館にいられなくなった清里夏南(きよさとかな)嬢の「思い出作り」のため。第1巻から一貫して良ちゃんのことを「氷村さん」でも「良ちゃん」でもなく「氷村嬢」と呼んでいる隼斗(ちなみに庵は「氷村さん」と呼んでます)は清里さんのことも「清里嬢」と呼びます。そこに「専属にはなれないけど」、後輩ではあってもLクラスのお嬢様方に一歩譲りある種の敬意を払っている執事候補生の姿というものを感じます。
私は男なのでついつい良ちゃん(と伯王)ばかり見てしまうんですが、女性読者には庵と隼斗の人気も高いんですよね。双星館を出て行かざるを得ず、これから色々大変であろう清里嬢に最後のお楽しみとしてとっておきの、「思わず顔あげる景色」を見せてあげる隼斗、前を向いて生きていくと約束する清里嬢。
そして傍にいたい相手ができる幸せを知っている伯王。その気持ち、「Bクラス生」としてのものだけでしょうか?


お薦め度:★★★★☆
一読して横道にそれているようで、実は良ちゃんと伯王の関係に跳ね返ってくるのがいいですね。


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2 コメント

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面白そう! (zakuro)
2009-05-22 18:47:35
こんにちは!

まだ自分では未読なのに、うっかり(いや、かなり楽しみに)読んじゃいました、Wrlzさんのブログ(苦笑)。
楽しかったです!

新刊、自分で買い出すとキリがないのと、未読な作品の手持ちが大量に積んであるので、友人から回ってくるのを待つんですが、これを読んだらつい「買っちゃおうかなー」と思ってしまいましたー。

正直、「メイちゃんの執事」より、こっちの作品の方が好きです。

ただ今、Wrlzさんのおススメ、読みまくっています。
いろいろとありがとうございます。
それではー。
100万部 (Wrlz)
2009-05-22 21:13:44
>zakuro様

こんばんは!

帯に書いてあって知ったんですがこの作品、100万部突破したんですねー。
ドラマCDが出たり色々展開してますからね。

他の執事物を私はまだ未読なんですが、「執事」がブームということを差し引いてもこの漫画は面白いです。好きです(『黒執事』を、有名なのに私は読んでないんです)。
雑誌の方では先月体育祭が入ってしまって、カレンダー通りに行事をこなすために無理矢理挿入された感じがあったんですよ。
ただ、雑誌で読んでいても単行本でまとめて読むとそれぞれきちんと繋がっていると感じられるので、今後に期待できます。

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