【学校化する社会に関するメモ】
《学校が社会に対応できていないのではなく、社会が十分に学校化されていないことに関する走り書き》
Ⅰ
学校で学んだことが社会で役に立たないとは、教科の知識についてはそう言えなくもないだろうが、そんな些事を吹き飛ばすほどのメリットが学校にはある。
学校が社会から遊離・乖離しているなどといったことはなくて、むしろ社会の方が学校に寄せて来ている。学校での経験、そ . . . 本文を読む
【真の攻撃目標は敵国の憲法の基本原理】
《「憲法原理」を巡る考察を少々》
4月30日の朝日新聞(朝刊)に憲法学者・長谷部恭男氏の「(ひもとく)戦争と憲法 何を守るのか、それが問題だ」と題する一文が掲載されていた。その一節——
政治哲学者ジャン=ジャック・ルソーは、その遺稿「戦争法原理」において、戦争において攻撃の対象となっているのは敵国の社会契約、つまり憲法原理だと . . . 本文を読む
【二重三重の問い】
《憲法記念日に掲載されたロシア文学者の言葉を巡って》
5月3日の憲法記念日の朝日新聞(朝刊)にロシア文学者・亀山郁夫氏の「(寄稿)ロシアよ、兄弟を殺すとは 非暴力の願い、死への想像力を研ぎ澄まして」と題する一文が掲載されていた。その一節——
一八七七年の露土戦争当時、ドストエフスキーの「好戦性」とは対照的に、頑として非戦論を唱え続けた作家がいる。 . . . 本文を読む
【発達とフェミニン】
《発達障害の知見が自分の経験の質を組み変えた過去の記憶が新たな形でよみがえったこと》
20年ほど前に「発達障害」の知識が普及し始めてから、人間観が変わるほど衝撃を受けた。ついで統合失調症の知識も。どちらも独習の危うさはあるけど、風景が変わる、風景の解釈が変わるとはこのこと。あれもこれもそれも……それまで心に引っかかっていたことのすべてを種明か . . . 本文を読む