うなぎの与三郎商店

目立たぬように、はしゃがぬように、似合わぬことは無理をせず、教育・古典など。タイトルは落語「うなぎ屋」より(文中敬称略)

教員採用試験対策 小論文・論作文ノート

2021-10-03 21:00:00 | 教育 教員採用試験論作文

【教員採用試験対策 小論文・論作文ノート】

《教員採用試験の小論文・論作文ノートの新訂版。実際の授業ではこのノートに解説を加えていくとともに、受講生との質疑応答を通して内容の理解を深めています。また、小論文・論作文の答案サンプルや全国自治体の過去問一覧等を掲載した冊子(受講生限定・非売品)を配布し、発展的な内容を学習できるようにしています。なお、本稿の掲載を機に、これまでの「教員採用試験小論文・論作文ノート ガイダンス編」2019-12-23は非公開にしました》

 

目次

Ⅰ ガイダンス〜教員採用試験小論文・論作文答案作成の基本

 教員採用試験の小論文・論作文の答案作成にあたっておさえておくべき基本的な考え方を3つ紹介します。

Ⅱ 教員採用試験小論文・論作文ポイント集

 模擬試験や授業等で答案を添削・採点しているときに気づいたことを紹介します。

Ⅲ 課題 教師論 学習指導論

 課題文提示型の問題を参考に、どのように構想メモを作っていくかを紹介します。(タイトルのみ表記)

 

Ⅰ ガイダンス〜小論文・論作文答案作成の基本

 小論文・論作文の答案作成にあたって最低限おさえておくべき基本的な考え方、注意事項を3つ紹介します。

① 教員採用試験の小論文・論作文は、個人的な日記・感想文あるいは評論家的な教育論ではなく、教員である自分が課題をどのように捉え、行動していくかを具体的に記述し、教職に対する理解の深さや的確さ教員としての資質・能力や可能性教職への熱意・使命感をアピールするものです。

② 教員採用試験の小論文・論作文の基本構成は、与えられた課題について、それをどのように捉えたかという基本認識の部分と、その認識を踏まえ、どのように指導・実践していくかという指導・実践方法の二部構成になります。

③ 基本的な課題については、あらかじめ形式・内容に関する定型をつくり、与えられた条件(制限時間・制限字数等)内で安定したレベルの答案がつくれるようにトレーニングしていきましょう。

【解説】

① 教員採用試験の小論文・論作文の添削指導や模試答案の採点をしながら目につくのは、論理的で客観的な記述を心がけたつもりが他人事のようになったり、反対に、個人的な思い込みに終始したりといった事例です。

 法に関わる専門家が一般の人々とは異なる倫理と論理の中で思考し、行動するように、教育に関わる専門家である教員も、学習指導や生徒指導等について一般の人々とは少し異なる認識や方法論が求められることがあります。

 教職教養に関する知識や、文部科学省・教育委員会その他から提示される各種教育資料に基づいて、専門家としての基本認識と具体的な指導・実践方法を示すようにしましょう。そのためにも、教職教養・一般教養・専門の学習が不可欠です。

② 基本認識を示した後は、自分の実践(取組)について述べます。恩師の指導・実践や大学での演習・実習・ボランティア等を通した実践経験、模擬授業・場面指導の指導案作成等を参考にして、目的・方法・評価のあり方を具体的に述べていくことになります。

 取組例をまとめるときは、次の点に注意しましょう。

a 一過性のものではなく、定期的・継続的な取組を提示しましょう。特に、体験活動について書くときは、体験活動そのものを詳しく説明するより、事前・事後の指導の在り方や、それを児童生徒の日常的な学習や生活にいかに取り入れ、定着・習慣化させていくかを説明した方が説得力ある記述になります。

b 学級担任・教科担任として自分が担当するすべての児童生徒を対象にした題材を選びましょう。

c 何を指導・実践するか、またその指導・実践にどんな意義があるかということより、それらをいかに指導・実践するかに重点を置いて記述しましょう。指導・実践の方法を書くコツは、実践をいくつかの段階に分けること、評価の仕方や見直し(改善)についても触れることです。

d 学校全体として方針を決めて指導・実践することや、校外学習をはじめとする学校の枠を越えた取組ではなく、ひとりの新人教師として指導・実践が可能な日常的な取組を示して下さい。

 例えば体験学習について論じる場合、自分が企画・立案者として何をしたいかということより、既に行われている全校的な活動を一教師・一担任として教室内・授業内でいかに充実させていくかという観点から論じると具体性ある取組を示すことができます。見方を変えれば、大抵のアイディアは既に学校現場で実践されていること、また新たなアイディアを学年・学校全体の取組や地域と連携した取組として実現するには、多くの手順を踏まなければならないことを理解しているかが問われていると言うことができます。

③ 小論文・論作文の出題形式・内容・傾向は自治体によって大きく異なります。しかし、同じ自治体内ではほとんどの場合、ほぼ同じ内容・形式での出題が続いています。したがって、論述の形式(展開)をパターン化し、頻出テーマに関しては即答できるように話題(取組事例)のストック(引き出し)を整理しておくことが重要になります。

 本試験では試験開始と同時に課題と論述条件を確認し、簡単なメモをとったらすぐに清書に入る、場合によっては即座に清書に入る、というのが理想です。いずれにせよ、試験中に論述の構成や内容をゼロから考えるという事態は避けたいところです。

 なお、併願を検討している場合は、上に記したように自治体による傾向の違いを考慮し、余裕を持って準備する必要があります。

 

Ⅱ 教員採用試験小論文・論作文ポイント集

 模擬試験や授業において小論文・論作文答案を添削・採点しているときや受講生からの質問を通して気づいたことを挙げておきます。気になるものがあれば□の中にチェックを入れておきましょう。

① 序論の書き方で気になったこと

② 具体的な取組例の書き方で気になったこと

③ 結びの段落の作り方について

 

① 序論の書き方で気になったこと

□ 「疑問形」

 「疑問形」は避けて下さい。例えば、理想の教師像に関する課題に対し、「理想の教師とはそもそも何であろうか」と書き出す答案があります。教員採用試験に限らず、就職のための論述試験は基本的にペーパーによる「面接」だと思って下さい。面接官の質問に対して質問で返すことはありません。小論文・論作文においても、課題文の繰り返しや疑問形は避け、「理想の教師の条件は、子供理解力と教科の専門性と対人関係形成力の3つである」という形で、端的に回答(結論)を述べましょう。

□ 「他人事」

 「他人事」の視点や記述にならないように注意して下さい。例えば、「教師は〇〇しなければならない/すべきである/する必要がある」など。これでは「評論家」です。「私は児童(生徒)に〇〇させる/児童(生徒)が〇〇できるよう支援(援助・指導)していく」という形で主語「私」を明確にし、教師としての自分自身の指導・実践を述べましょう。

□ 「すりかえ」

 テーマを「すりかえ」ていないか注意しましょう。例えば、教師の信頼に関する課題で「信頼される教師とは尊敬される教師である」と書き、その後「尊敬される教師」の話を延々と続けた場合、本来のテーマである「信頼」を無視したことになります。この事例は、与えられたテーマを定義したりわかりやすくしたりしようとして、単純に言葉を言い換えただけの時に生じがちです。それを防ぐためには、「信頼の条件は、子供理解力と授業力と保護者対応力である」という形で提示し、一つ一つの具体的な取組を説明していくとよいでしょう。最後に改めて「信頼」される教員としての決意を示してしめくくります。

□ 「決まり文句」

 教採模試の答案を添削していると、学校教育を取り巻く現状について「少子高齢化」「核家族化」「地域の教育力の低下」といったフレーズで説明しようとする答案を数多く見かけます。こうした決まり文句は、対象となっている事柄に対する知識や認識の不足、考察の浅さ、リアリティの欠如など負の意味でそれなりに目立ちます。それはまた、冒頭で「核家族化」に触れながら、その後の展開で核家族の話が一切出てこないところにも表れます。

 学校教育を取り巻く問題について語るときは、日頃から自分が問題意識を持って熟考したものを提示するようにしましょう。そのためにも、学校教育の何が問題であるかという日頃からの問題意識と研究が不可欠です。

□ 「玄関開けたら2秒でなわとび」

 教採模試の答案を添削していると、“いきなり例示”の答案を時々見かけます。例えば、第1段落の第1文が「私はまず、クラスで大なわとびをする」——これでは何の話が始まったのかわかりません。せめて課題に対する基本認識や背景要因、用語の定義等を記した「序論」を書いてから、本論として具体的な取組(指導・実践)例に入るようにしましょう。

□ 「カラ念仏」

 上の「玄関開けたら2秒でなわとび」とは反対のパターンですが、延々と「カラ念仏」が続く事例もあります。「カラ念仏」とは、「心のこもらない口先だけの念仏」「実行のともなわない主張」のことですが、具体的には、「アクティブラーニング」に関する課題の時、「私はアクティブラーニングは大切だと思う」「アクティブラーニングとは、主体的・対話的で深い学びのことである」「アクティブラーニングをすると、子供が主体的に学習に取り組み、学力が向上し、他人を思いやる気持ちや人間性も育まれる」などといった話が延々と続き、なかなか本題に入らない。ここでいう本題とは、教師である自分の指導や実践のことであり、またそのための具体的な方法や指導上の工夫・配慮のことです。「カラ念仏」が続くということは、まだ教師の仕事を自分自身の仕事として具体的に認識・理解できていないことの表れとも言えます。気をつけましょう。

 

② 具体的な取組例の書き方で気になったこと

□ 「丸投げ」

 教採模試の答案を添削していて案外多いのが「丸投げ」です。これは、児童生徒の主体的な学習や校外での体験活動等について書かれた答案に頻出する傾向があります。具体的には、「子供の規範意識を育むために、老人ホームでボランティアをさせる」「公共の精神を育むために、学校の近くの公園の清掃作業をさせる」「キャリア教育のために、校区内の商店街で職場体験をさせる」——と、ここまではまだいいのですが、話がそこで止まってしまう。あるいは「老人ホームには、子供たちが日頃接する機会の少ない高齢者がおり、そうした方々と触れ合うことで子供たちに他人を思いやる気持ちや奉仕の精神が育まれる」など、目的・意義の話ばかりが続いて、肝心な教師としての自分自身の取組(指導・実践)が示されず、傍観者になっている。問われているのは教師としての自分の指導・実践の在り方です。老人ホームに行ってあらゆる教育的効果が見込めるのであれば、老人ホームは魔法の玉手箱。ついでに、教師も要りませんね。

 体験活動その他の取組について書くときは、教室・授業・学校内で学級担任・教科担任として自分ができること、するべきことを書きましょう。

□ 「自動思考」

 「自動思考」も非常に多く見られます。「自動思考」とは、自然とよい結果が生まれるような書き方で、教師である自分の取組(指導・実践)にほとんど触れない答案のことです。例えば、「子供たちが主体的に活動すれば、協調性が育まれる」「協調性が育まれれば思いやりの心や学ぶ意欲が育まれる」「思いやりの心や学ぶ意欲が育まれれば、道徳性や確かな学力が身に付く」「道徳性や確かな学力が身に付けば……」というのが延々と続く。

 ここでのポイントは「AすればBできる」「AすればBになる」です。いずれも都合のいい結果が次々と生まれてくる楽観論です。教師の指導の痕跡は欠片もありませんね。実際の現場では、そううまくはいかないからこそ、教員1年目の新人も定年間際のベテランも悪戦苦闘しています。

 せめて「私は教師として、子供たちがBできる/Bになるようにするため、Aする」と書きましょう。先ほどの表現との違いは、主語「私」があるかどうかです。面接で「あなたは子供にどのように指導しますか」と尋ねられたら、「私はAします」と答えるのが自然ですね。小論文・論作文でも同じです。面接でも小論文・論作文でも「子供はBできます/Bになります」という回答は不自然であり不適当です。

□ 「たい」

 これは、答案の文末に「〜たい」が頻出するということです。学校の卒業文集で将来の夢を語る分にはかまいませんが、教員採用試験の小論文・論作文で問われているのは、教師としての自分が何をどのように指導・実践するかということです。言い換えると、既に自分が教師であるという前提で、具体的な指導案を提示することが大切です。文末の「〜たい」はすべて削除し、「私は(教師として)〜する」という文体で、明確な指導計画を示しましょう。なお、同じことは「〜と思う」にも言えます。曖昧なことを述べているのではなく、事実確認をした、あるいは熟考した上での結論であることをアピールするために、文末は「〜である」と言い切って下さい。

□ 「リアリティ」

 「丸投げ」と同系統の問題点ですが、教採模試の答案を添削していると、外に出たがる、外から人を呼びたがる事案に遭遇することがあります。これでは管理職の面目丸つぶれです。外に出ること、外から人を招くことなど、一教師の一存でできることではありません。学年・学校内の議論を経て、最終的には校長の権限で決定されることです。また、具体例として思いつく体験活動・校外活動のほとんどは、実は多くの学校で既に実践されているものです。

 答案に書くべきは、その活動が既に行われているという前提で、自分なら学級担任・教科担任として、その機会を教室・授業・学級の中でどのように充実させるか、いかにして子供たちの習慣を作り、定着させるかということです。

□ 「ぜんぶのせ」

 これはそれほど多いわけではありませんが、800字から1000字程度の文字数の中に、小見出しと箇条書きを使ってめぼしい取組を「ぜんぶのせ」する例があります。課題の背景について、例えば序論(第1段落)で「少子高齢化」や「核家族化」などの話を先の「決まり文句」で指摘したような形でちょっと触れた後、本論(第2段落)からほとんど関係のない取組をこれでもかと列挙(羅列)するものです。何のために「少子高齢化」「核家族化」の話をしたのかがわからないだけでなく、列挙(羅列)された取組もバラバラで、一貫した指導の方針が伝わってきません。原則として、教員採用試験の小論文・論作文では小見出しを付けたり箇条書きで列挙したりせず、取組(指導・実践)の全体を貫く方針を明確にした後、「まず〜」「次に〜」「1つ目は〜」「2つ目は」などの形で、一連の流れがわかるように書いていきましょう。

□ 「身元不明」

 「身元不明」というのは、例示された取組そのものは特に問題ないものの、そもそもなぜその取組を取り上げたのか、書き手との関係がまるで見えないことを言います。もっと端的に言うと、どうでもいい(と言うと失礼になりますが)「正論」に終始して、書き手の問題意識も教育観も伝わってこない答案があるということです。

 例えば、授業づくりの工夫として「グループ学習をする」と言われても、採点者は苦笑いするしかありません。なぜグループ学習に着目するのか、グループ学習についてどれくらいの研究と経験を重ねてきたのかがほとんど見えないまま話を続けられても困ります。さらに言うと、どこかで読んだマニュアル本の解答例かなと、かなりネガティブな見方をしたくなります。

 取組例を挙げるときは、それが自分の経験・研究や先行例(恩師の実践を含む)等にもとづいていること、また現時点でどこまでやって成果をあげたかという到達点と、今後どのような点を工夫し改善していくべきかという課題を明確にすること、以上を忘れないようにしましょう。それはそのまま、みなさん自身の過去の実践・実績のアピール、教員としての探究心・向上心のアピールにもなります。

 なお、この事例の場合、見方を変えるとせっかくの経験や研究に基づいた実践でも、書き方によってはマニュアル本の引き写しのレベルにとどまる可能性があるということです。経験に寄りかからず、教員採用試験の小論文・論作文の答案用紙の中で効果的にアピールするにはどうしたらよいかを模索し工夫することも重要です。

□ 「一発屋」

 取組(指導・実践)の書き方で気をつけたいのは、具体性が必要であるというアドバイスをしっかり受けとめて書いたつもりが、結果として全体のバランスを欠き、必要以上に微に入り細を穿った記述になることです。一生懸命書いたのに、見直してみると実質数コマ(単位時間)、極端な場合は1コマの授業で終わる内容だったりします。提示する取組(指導・実践)を継続的なものにするには、何を(計画)いかに行うか(実践)よりも、それをどのように評価・点検し、次の改善に繋げていくかに重点を置くとよいでしょう。

□ 「ネガキャン」と「反面教師」

 教採模試の答案を添削していると、教員・学校・教育行政批判が時々見られます。いちばん多いのが、自分が児童生徒・学生だった過去の経験を挙げる際に、教師の体罰・暴言、つまらない無味乾燥な授業など、ネガティブなものを挙げる事例です。これは採用試験の答案として必要最低限の注意事項であると同時に、もし踏んでしまったら致命的な結果になる要注意事項でもあります。

 これを民間企業の面接や論文試験に置き換えてみましょう——「御社の方針は間違っています」「御社の社員の行為は法に反しています」。それが不適切であるのは言うまでもありません。

 教員採用試験においても同じです。わざわざ反面教師や不祥事を挙げる必要はありません。それを追及すべきであることと、それを教員採用試験の小論文・論作文で書くことは、さしあたって別の話です。尊敬する恩師の例を挙げ、その理想像へ一日も早く近づくため意思表示をしていくのが適切です。

 同様のことは、教育行政についても言えます。ゆとり教育からの転換が話題になった頃、「ゆとり教育」に対する批判をためらいなく記述する事例が見られました。批判するスペースがあれば、新たに求められる教育の在り方を自分がいかに理解し、それに対して自分の得意分野を生かしながらどのように寄与していくかを書いた方が賢明です。

 どんな業界にも部外者や初心者からは不思議・理不尽・非効率に見える慣習があります。もちろん、教員の働き方改革を巡る議論でも明らかになったように、直ちに改善が必要な課題である可能性もあります。

 しかし、一方で、部外者や初心者の認識・知識・技能の不足から来る誤解である可能性も否定できません。判断に当たっては個々の事例を詳しく検討する必要がありますが、教員採用試験の小論文・論作文の答案作成の場合、まずはその業界で尊敬できる「恩師」「先達」を見つけ、その人から徹底的に学ぶことを明らかにし、自分がいかに努力するのかを記述していきましょう。

 これらのことは、決して教師・学校・教育行政を批判してはならないというわけではありません。志願者・新人なら、批判の前に全力で学べ、批判したらその10倍学べということです。そして教員採用試験の小論文・論作文答案に書くべきことは、学ぶ姿勢の方です。書くべき題材を間違えてはいけません。

□ 「管理職昇進」「市長就任」「知事就任」

 教員採用試験の小論文・論作文の答案を添削していると、まれに「管理職昇進」「区市村長就任」「知事就任」に遭遇します。例えば、学校安全に関する課題で「避難訓練を実施する」「校舎の耐震工事を行う」「構内に無線LANを配置する」など(個人の答案に関することですから、もちろんデフォルメして紹介しています。念のため)。採点・添削者としては——「それはあなたの権限ではありません」以外に言いようがありません。何度も繰り返していることですが、教員採用試験の小論文・論作文には、学級担任・教科担任としてあなたができることを書きましょう。

□ 「分身の術」

 この項目の最後に、少々異色の注意を喚起しておきます。これは主に団体受験者によるものですが、「分身の術」に遭遇することがあります。ある団体(大学)は、選択した課題が異なるにもかかわらず取組例がほとんど同じ、構成(段落の配置)がまったく同じ答案が何枚も続きました。恐らく、指導された内容や書き方を忠実に実践したものと思われます。あるいは、小論文・論作文に関するマニュアル本を引き写しに近い形で参照したことも考えられます。いずれにしても、しっかり準備して本試験に臨もうとする意欲は評価しますが、自分なりの創意工夫や考察がなければこういう事態もありうるということで、心に留めておいて下さい。

 

③ 結びの段落の作り方について

□ 「決意表明」

 既にお気づきのこととは思いますが、教採の小論文・論作文は明らかに「論文」なんかではありません。その最たるものが、むすびのことばとして推奨される「決意表明」——私は教員としての努力を重ねる所存である、とか何とか。「小論文・論作文」とは言いつつ、全体が自己アピールみたいなものだと言えるでしょう。見方を変えれば、教員採用試験の小論文・論作文では「自己アピール」の要素を含めて書くことがいかに大事かということです。先にも述べましたが、ペーパーによる面接だと考えると効果的な対策ができると思います。

 

Ⅲ 課題

*次の選択課題A・Bのいずれか一つを選んで答案を作成して下さい。

《選択課題A 教師論》(略)

《選択課題B 学習指導論》(略)

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