60からのつれづれ日記

6回目の年男、現在は月20日ほど、午前中3時間ほどのパートでのんびりと仕事をさせてもらっています。

新居浜太鼓祭り

2015-10-20 14:24:02 | 日記
秋晴れ、天高く馬肥ゆる秋そのものの天気。新居浜太鼓祭りを最高に見せるシチュエーションが
整った10月17日(土)。ここ数十年、テレビニュースの映像ばかりを見ていて本物の太鼓台を
見る機会がなく、写真の材料もないことから朝、8時過ぎに砥部を出発し一路、新居浜の山根
グランドを目指す事に。

思ったより渋滞に巻き込まれることもなく、10時前には国領川の河川敷の駐車場に到着。
山根グランドは駐車場から歩いて五分程度のところにあり、太鼓台のかきくらべが始まる12時
までは会場の様子を視察。係の人に今日のスケジュールや見所、写真撮影のポイントなどを質問。
ちなみにこの山根グランドは別子銅山で働く人々の為に作られた健康運動公園。昭和2年に銅山の
従業員の福利厚生を目的に造られたグラウンド。南側の斜面には約3万人の観客を収容できる
石積みの観客席が設けられています。新居浜と言えば別子銅山。江戸時代から昭和48年までの
約280年に渡り銅を産出。日本の近代化や貿易、産業に貢献し数多くの関連企業を興した、
日本の財閥の一つである住友グループ発祥の地となったことはご存知の方も多いかと。
また最近、観光スポットとして脚光を浴びている「東洋のマチュピチュ」も別子銅山の産業遺跡
として話題を集めています。
11時過ぎに早めの昼食。グランドをぐるりと取り囲んだ屋台の中からB級グルメでおなじみの
「蒜山焼きそば」を購入。ええ~これで500円と思う量?!ではありましたが、味は良しと
いうことで納得。しっかり腹ごしらえをして、あとはじっくりイベントを待つばかり。

12時前にのろしが鳴っていよいよ子供太鼓が入場。新居浜上部地区の10台が子供達に
よって担がれ本部席の前でパフォーマンスを行います。その後は大人太鼓が1台ずつ登場。
金糸銀糸の豪華な刺繍が施された飾り幕、宇宙を表す紅白の天幕、黒色の括り、上下左右
華麗に揺れる房、長く伸びる4本のかき棒。ドンデンドンと重厚に鳴り響く太鼓音。
真っ青な青空に太鼓台が映えます。最後に20台が一列に並ぶとこれはまさに圧巻。
20台の太鼓台が一斉に差し上げを行うと観客席からは大きな拍手が沸き起こります。
日本の伝統美が見事で、祭りが人を魅了する原点がここに確かに存在しています。さらに
演出が続きます。各地区ごとの複数の太鼓台によるかきくらべです。通常、太鼓台を動かす
時は車輪を付けて運行しますが、かきくらべではその車輪を外し、重さ約3トン以上ある
太鼓台をかき夫150人で担ぎ上げてその勇壮さを競い合います。その他、寄せ合いといって
複数の太鼓台が横にすり合わせをするのも見応えがあります。

観覧席の上の方から写真を撮っていましたが、途中グランドに降りてみると太鼓の音が腹に
響いて来るのには驚きました。大勢の人で担いでいる太鼓台にはなかなか近づけなくて、
いい写真が撮れなかったのが残念でありました。3時半頃からは各地区代表4台による
差し上げ時間を競うタイムレースが始まり、祭りは最高潮を向かえます。4台が本部席に
一列に並び、かき夫が一斉に太鼓台を天高く担ぎ上げる(かき棒を肩に載せるのではなく
両手を伸ばして頭上高く差し上げた状態)パフォーマンスです。つまり一番長い時間、
太鼓台が空中に浮かんでいたかの競争です。
大勢の見物客の視線が4台に注がれて男たちの意地と意地の闘いが始まります。見る方も
力が入ります。手が痺れ体力がどんどんなくなりますが、気力で頑張るものの太鼓台が
揺れ始めバランスが崩れ、1台また1台と太鼓台が力尽き地面に着地して行きます。
一番長く差し上げた太鼓台は確か7分?前後と記憶していますが、盛んな拍手が起こって
いました。

西条、新居浜の人間は正月、盆には帰らなくても秋祭りには休みを取ってでも帰って来ると
言われ、その祭りに対する思い、熱い気持ちを揶揄?!されている地域です。
西条のだんじり祭りにソプラノ歌手、「千の風になって」で全国区になった秋川雅史さんが
毎年、スケジュールを空けて祭りに参加されているニュースが流れていました。
秋川さんの地区が今年、だんじりを作って参加したこともあって「ほんま、最高じゃわ」
と泣き顔で感極まり、西条弁丸出しでインタビューに応じていたのが印象的でした。
秋川さんに限らず、故郷の祭りは特に地方を離れ遠くで生活をしている人にとっては
心の拠り所のようです。

南予から始まり中予、そして東予で最終日を向かえる愛媛の秋祭り。
つかの間の時間ではありますが、日本人に生まれて良かったと思える行事のひとつ。
本来は神様を祭り、農作物の五穀豊穣を祈る儀式だったのでしょうが、今はその意識より
地域に住む人と人を繋ぐ装置としての役割の方が大きいのかも知れません。
今日は祭りの写真がやたら多くなっていますが、ご容赦頂けたらと思います。



11時頃の山根グランド。


南側斜面の観覧席はブルーシートが敷かれています。これすべて朝早く来ての場所取りの結果です。但し、下段中央の紅白の幕のところは本部席。


すでにカメラマンがスタンバイ。こちらも場所取りをしておかないといい写真が撮れません。


子供太鼓台です。途中、大人がかき上げてのパフォーマンスがありました。


いよいよ大人太鼓台の入場です。


新田地区の太鼓台。房がきれいに揺れています。


上原地区の太鼓台。


土橋太鼓台。房の色が緑色です。


順次、入場して指定の場所に移動します。


重さ約3トンとも言われる太鼓台を約150人のかき夫が力強く差し上げます。


20台の太鼓台だずらり勢揃い。すべて差し上げられると壮観で見応えがあります。


隣の太鼓台に負ける訳には行きません。男と男の意地のぶつかり合いです。


この人出!!。グランドに降りて写真は難しそうな感じ。


中萩地区の4台の太鼓台の演技が始まります。





まさに一水の余地もないとはこのことでしょう。人だらけ!!





息もピッタリ。空中高く太鼓台が浮き上がっているようです。





バランスが崩れ太鼓台が大きく傾いてヒヤリとします。


龍の飾り幕。ネットで調べて見ると数千万円するようです。


今日ばかりは女の子も威勢の法被姿で凛々しそうな顔に高揚感が一杯です。


グランドの端から休憩中の太鼓台を撮影。


かいている太鼓台には人の壁があり、これ以上前には行けませんでした。


人が一杯でかき夫の表情など一向に見る事が出来ません。


真近での撮影は断念。再び観覧席に上がることに。


五台の太鼓台の寄せ合わせが始まりました。


二台の太鼓台の両端のかき棒がピッタリくっ付いているのが分かります。


中央の1台が転倒?!なんとか持ち堪えました。


観客席もご覧の通り。


いやはや、人だらけ。




風船が放たれました。


こちらは蜘蛛の糸?!が飛び出しました。


差し上げた時間を競おう太鼓台。腕力と気力が問われます。


約4時間に渡る上部地区統一寄せも終盤を向かえています。本当にいいものを見せて頂きました。








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