v-shan の日々是好日

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靴下の強さと経済

2012年05月04日 12時16分44秒 | Weblog
昨年2月、ミラノで買ったこの靴下。
目下はいている黒色とあわせ3色セットのバーゲンで日本円1100円ほど。
3足を毎日のようにとっかえひっかえで、はいているが、一向に穴があく様子がない。
とても丈夫。

日本で買うソックスだと、3ヶ月も毎日はいていると必ずかがとと親指に穴があく。
今まで買った日本のソックスで穴の開かなかったものはまずない。

ところがこのイタリアのソックスは丈夫で穴が開かない。
一緒にイタリアに行ったマツにそのことを話すと、日本の木綿は消費者のニーズに合わせてやれエジプト綿だのなんだのという肌に優しい繊細な木綿で作っているからだという。

しかし、普段使いにはくソックスなんて肌に優しいエジプト綿なんたらである必要はさらさらない。丈夫で長持ちする靴下であれば庶民は十分。

だが、何時まで経っても穴のあかない靴下だと、買い替えのサイクルがきっと遅い。
すぐに穴のあく靴下を作って売れば、1・2ヶ月ごとにまた売れる。
日本の製品はかつてなかなか壊れないことが特徴だったが、アジアで生産するようになってからすぐにだめになるものが続出し始めた。最初は技術の差だと思っていたが、この頃はむしろ消費のサイクルを早めるための作戦でもあると見ている。

長くもつ丈夫なものを作って、イタリア経済を支えてきたファッション産業の街ミラノだが、消費者にとっては好都合でも国や会社の利益を考えると作戦の転換を図らないといけない所まで来ているのかも。

それともミラノの人はイタリアの中でも本当に働く姿勢がカッコよい人達ばかりだったから、プライドにかけてもすぐにダメになるような製品は作らないで行くだろうか?

確かにかつては優秀な製品を作っていた日本もアジアに工場を移し、どんどん質を落としたものを作ってきて、今じゃもっと価格の安い他国の製品に負けてしまっているから、意地でも良い物を作り続ける方が結局こんな時代、最後まで生き残れるのかもしれない。
コメント
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