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日本人の鼻

 香水の産地として . . . 本文を読む
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わすれなぐさ

著者 吉屋信子発行所 国書刊行会発行年 2003年(初出1932年4-12月「少女の友」)吉屋信子36歳の作品。彼女の面目躍如の「少女小説」。「あの夜の仄暗い庭の木立で、自分の頬のあたりを匂いを込めた絹レースの半巾で優しくふいて、『わすれなぐさの香水よ、お気に召して、この匂い』と囁いた陽子・・・・・・「心弱く、面を背向けようとする時、ふっとあのわすれなぐさの匂い、陽子がいつも使うわすれなぐさの香水 . . . 本文を読む
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ひどい感じ 父・井上光晴

著者 井上荒野 講談社文庫 2005年刊(初出2002年)   井上光晴は「地の群れ」「全身小説家」で知った。瀬戸内寂聴の不倫相手ということは「夏の終り」のさえない中年男(小林薫)は、光晴だった訳か。(これは光晴より前の男性。21-7-3追記)   この本は「ファーザーコンプレックス」を自認する娘荒野によって書かれている。べたぼれの相手を書いた文章は読みにくい。主観的で . . . 本文を読む
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末の末っ子

阿川弘之著 ちくま文庫 2017年刊(初出1975年11月~京都新聞連載)元海軍士官で、「軍艦長門の生涯」が代表作と言えば、どう見ても右翼で、私とは縁遠いひとかと思いきや、なぜかこのひとの文が大好きである。佐和子を通しても、もと文藝春秋のエッセイストとしても親しんで来た。文を好きかどうかに、思想は大した問題ではないのかもしれない。上の子が21歳の時、妻の思いがけぬ妊娠、「戦艦長門の生涯」の新聞連載 . . . 本文を読む
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伴先生

2003年国書刊行会刊 著者 吉屋信子 初出 1938年1月より「少女の友」連載吉屋信子42歳の作品。年齢からくる成熟か、戦時中のためか、作風が変化。物語:東京で生まれ育った伴三千代は、女学校の教師になるため鉄道で地方に赴くが、車中で、親に置去りにされた幼い女の子に遭遇し、その子を引き取ることにする。「捨て子」が珍しくない当時のまずしい日本。心優しく美しく、富と権力に屈しない新任の先生は絶大な人気 . . . 本文を読む
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モスクワの誤解

著者 シモーヌ・ド・ボーヴォワール訳者 井上たか子発行所 人文書院 2018年(原書2013年)原著は1967年で、これまで単行本にはなっていない。物語はソ連を旅行中の初老のフランス人夫婦が、おたがいに行違いが生じるが最後には和解するといったもの。ふたりは退職教師であり、現実のサルトルとボーヴォワールでなく一般化されている。老いからくる心身の衰えを痛感し、夫婦関係もほころびだすといったそれぞれの独 . . . 本文を読む
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