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2023年をふり返る

新年のTVでウィーン・フィル・ニューイヤー・コンサートを鑑賞するのは、昔からの習慣ではない。中国・重慶の高校生たちのひとりが、松江の大型店でCDを探していたのが印象的だったからだ。で、大晦日の紅白よりは元日のこちらが楽しみになっている。それを待っていた1日夕方、突然、ゆさゆさと4階のわが家が揺れ始めた。怖くはないがいつまでも続く。顔を見合わせ「地震だよね」とTVをつけた。この近辺だけかと思っていたら、日本の大半を覆う地震。そういえば予感のようなものはあった。天気予報で、前後はよいのに元日だけ悪いのが変だと思ったが、まさかこんな事が待っていようとは。そのうえ翌日、救援に向う海保機がJALと衝突して炎上。幸い、JALには死者は出なかったが、こういっては不謹慎ながらまるで災害映画のような迫力のある映像だった。また清張の作品でおなじみの能登半島の風土が、ドラマではなく現実にそこに生き続けてきた人々のつらく寂しい人生を、この暖かく人口稠密な土地にいて、まことに申し訳なく感じる。さらには日本列島全部が、いつ地震津波に襲われるかわからない、世界でもまれな災害大国であることに思い至る。と、私の連想はつい悲観的になって行って、だから(こんな国で)生まれてもロクなことはないという「反出生主義」に磨きがかかっていくのである。

それはともかく、2023年には3つの大きな想い出がある。

1.奄美大島への旅

6月中旬から下旬にかけて、奄美大島の名瀬に3泊4日の一人旅。田中一村の終焉の家を見て来た。ただし、自分が雨女であることを思い知らされる旅になった。行きは積乱雲が名瀬空港の真上にあって着陸不可能、2度目でようやく着陸できた。3日間一度も太陽が顔を出さず、線状降水帯が2回ほど発生した。けれど、植物のはっとするほど勢いの良い大きい姿は全く予想外であった。

2.姪のこと

姪は予定通り定時制高校に入学し、一方では大学時代の先生に誘われて夏休みに欧州旅行に出かけた。1ヶ月の旅程ではフランス各地やベルギーのほか、スペインはバルセロナ、ポーランドのアウシュビッツ収容所見学という予定も立てて、現地から送られる写真とメールを私とKは毎日たのしみにしていたのだが、一週間目に体がだるい、コロナかもと言い出して、早々と帰国。検査したら、感染していた。結局モンマルトルやエッフェル塔・ベルサイユ・シャンポール城に行ったが、私が羨望していたバルセロナとアウシュビッツは幻に終わった。定期試験では数学の三角関数に苦戦、自分の実力も徐々に理解しはじめ、当初の一流大進学という目標を撤回する模様。体育の授業や遠足等の行事に参加して、ほとんど経験できなかった高校生活を10年後に味わえたのを嘉すべか。

3.ユーチューブ

以前から何かと見てはいた。コロナの「さざ波」発言で役職を辞した高橋洋一がKのお気に入りなので。しかしこの頃は、私自身、中毒症状を呈している。その中毒は、一つにつき一週間ほど続き、やがて次に移るのだが、

はじめのうちは「竹内成彦」「ゆっくり霊夢とゆっくり魔理沙」「岡田斗司夫」「毒親」評論家ー木村裕子、カズ姉さん、モロ、さわ、樺沢しをん、高田悦子、大沢千紘など少なくとも十人。「日本はすごく日本人はえらい」などという動画もあるがこれは恥ずかしいので見ていることも大声では言えない。

ここまでが約4か月。その後10月13日に2ちゃんねるに接触してからがなかなか脱皮できない。独特のスラングを知るとき秘密結社に属しているような喜びがある。「イッチ乙」という挨拶など。また、ひとり秀逸な画家がいる。バラ色の頬に、愛らしい単純な顔立ちが日本人特有で、喜怒哀楽の変化が、眉や口元の線でくっきり表現されている。TVのよその番組でこの絵に会えると嬉しい。そして、誤読だらけだが、音声の中には一種セクシーな魅力をもったのもあり、(例えばゆっくり魔理沙のかすれ声)つけっぱなしにしておく「作業用」「入眠用」という動画も大いに利用する。私が体調を崩すと「2ちゃんねるばかり見ているからだ」とKは予断と偏見で主張する。いずれ我家に2ch禁止令が施行されるかもしれない。

 

 

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