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寿々姫句集「地球と肉球と」


瀧田眞砂子さんが、句集を送ってきてくださった。

彼女とは30歳のころ、アジア・アフリカ語学院で知り合った。先日ふと彼女が川柳作家になっていることを知ってから、毎朝の万能川柳欄で寿々姫の句を楽しみにするようになった。Kも見つけるとすぐ教えてくれる。

しかし、年に何回出るかという頻度なので、まさか句集が出るとは期待していなかった。まったくの不意打ちであった。

同封の手紙によると、2004年に投句をはじめ、累計19500句のうちから師匠が選んだとのこと。この数には絶句した。彼女がワンゲル部で20㎏以上を背負って山に登ったと出会いのころ語っていたのを思い出した。体力と忍耐力、いえそれ以上に内からあふれる才能があるのだろう。天才の特質のひとつは多産であるとモームの「世界の十大小説」で読んだことがある。

わあ載った これで当分載らないな
こんなにもハガキを買っておまけなし
アナまでもほぼほぼと言い違和感が
女子アナが上手に読んでホッとする

接待をされたら私忘れない
政治家を笑う句つくる悲しさよ
失言で大臣の名を知る無念
こんなでも国民ちゃんと生きていく
わが国民忍耐力は世界遺産
大国は常に帝国主義化する
身の丈の国でいいのよ私たち

肉球が冷たくなって猫帰宅
キーボード猫に踏まれてデータ消え
体脂肪計試しに猫を乗せてみる
家出猫帰ってきたら手術済み

本当の息子にだって振り込まぬ
聞き上手言われて口を封じられ
結婚が好きなんだねえ三回目
ワイキキの狭さびっくり千葉育ち
そうめんは茹でなきゃならず暑いのよ
準備してあるから3分クッキング
背に湿布張れず悲しひとり者

銀河系中心見にと父は逝き
亡き父の歳を越えたり半夏生

ほかにも、相撲・野球・サッカー(特になでしこ)・将棋・コロナ、歴史(特に織田信長)宇宙から日常までの幅広い興味に彩られた彼女の人生を垣間見ることが出来る。日頃はそれこそ「聞き上手」であまり自己を語らぬ彼女だが、川柳のおかげで一気に近づけた感じ。

→「川柳ブーム」2018-1-27
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (jt2021)
2021-05-21 18:35:24
「そうめんは茹でなきゃならず暑いのよ 」これ、面白いですね。色んな事に当てはまる気がします。
 
 
 
お帰んなさい (Bianca)
2021-05-22 18:38:53
jt2021さん、

 その通りですね。似たような例は女性の涼しげな透けた服で、着ている本人は暑かったりします。
ところで、ここ1年ほど途絶えていたコメントがおかげさまで復活して嬉しいです。いつでしたか、JTさん「またはじめようかな」の呟きを、実現されましたね。
 
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