自然とデザイン

自然と人との関係なくして生命なく、人と人との関係なくして幸福もない。この自然と人為の関係をデザインとして考えたい。

他者への愛~ホセ・ムヒカ ウルグアイ前大統領の言葉と行動(3)

2016-04-18 21:03:59 | 自然と人為

 ムヒカ前大統領の「他者への愛」の言動は骨太でぶれない。それは貧しい環境で家族を助けながら育ったものであろう。しかし、貧しい家庭で育てば、貧しい人たちの力になりたいと誰でもが思うものでもない。生まれながら利己的な者と利他的な者がいるのかも知れない。だが、私には、孤独な独房(動画)で拷問以外は何もない、食事さえ満足に与えられない彼を支えたのは、同志であるレシアさんからの手紙であり、手紙が生きる力を彼に与えたと思う。「何もなくても愛さえあれば幸せになれる。」 それが彼の生きる原点となり、「他者への愛」に生きる意味をさらに強くさせたのではなかろうか。

 ムヒカ前大統領の言動については昨年も放送され、それがYouTube「Mr サンデー拡大スペシャル 世界一貧しい大統領(2015/10/11、放送)」で紹介されている。今年の「ムヒカ来日緊急特番~日本人は本当に幸せですか~ 20160408」とともに残して何度でも見たい。さらに、東京外国語大学「ホセ・ムヒカ講演会『日本人は本当に幸せですか?』(20160407)」もゆっくり見たい。

「ウルグアイ・ムヒカ前大統領来日密着取材特集(2016.4.10)」
3.串カツ屋談義~お金が好きな人は政治はダメ、周りの人も幸せに!

 (タックス・ヘイブン 「パナマ文書」は各国の政治不信になると思うが、どうなんでしょう?)

「確かにそんなことがあれば政治不信にもなりますよ。
 お金が好きな人は商売をやればいい。
 政治家にはならないほうが良いんじゃあないかな。
 政治はダメ!」

 (政治家というのはお金が好きな人はなってはいけない!?)

 「なってはいけない。商売と政治をむすびつけてはいけません。」

 (国のトップがそうだと、
  国自体がおかしくなってしまいますよね?)


 「それは悲惨だ。それは深刻な問題です。
  多くの政治家が求めるべきは
  お金にはなく名誉です。
  人々からの愛情を得ることです。お金じゃあない。
  世界中で毎分200万ドル(約2億円)が軍事費に使われています。
  1分毎に200万ドル、どうかしてますよね。」

 (それを他のことに回せば もっと豊かになれる。)

  「そうそう、その通り、その通り。
   多大な財産を捨てているのです。
   北朝鮮でミサイルを撃っているのを御覧なさい。
   その分、ジャガイモを植えればいいものを・・・。

 (先進国のトップが言えないことを
   ”ズバッ”と言ってらっしゃるんですよ)


  「もちろんだよ。あまりにもばかげているじないか。」

 (働くことが日本人の美徳と言われるんですが。
   このまま仕事をずっとやるのか?
   かといって趣味も大してないし。)


  「確かにね・・・。
   日本人ほどの働き者を見つけるのは難しいよ。」

 (大将も働くの好きやし、お金も好きでしょう。
   僕もそうなんだけど仕事がなくなったら
   何していいのかわからないっていう恐怖心ないですか?)


 (やっぱり従業員のことが一番しんぱいやからね。
   365日働いています。)


  「興味深いことに先進国になればなるほど
   生活はよくなるが、
   同時に仕事を失うことも恐れるようになります。
   いろんなことにお金が必要になるからね。」

 (ムシカさんから見て、僕は幸せそうに見えますか?)

  「いいかい? アマゾンには先住民が住んでいる。
   我々の目には貧しく見えるだろう。
   でも彼らは貧しくなんかないんだ。
   独自の文化の中で幸せに生活しているんだ。
   でも我々は彼ら(先住民族)のようには生活できない。
   もう違う時代に移ってしまっているんだ。」

 (ここまできたら後戻りできない)

  「だから誰もが働かなくてはなりません。
   全員です。働かなければ、何かがおかしなことになる。」

 (ムシカさんから見て、僕は幸せそうに見えますか?)

  「ええ、幸せだよ。
   やっていることを楽しんでいるから。」

 (仕事は好きなことをやらせていただいていますから。)

  「そうだろう。それは労働ではなく、
   それが幸せだからです。」

 (大将もこの仕事好きでしょう?)

  「彼は幸せな人間だよ。満足そうだ。顔を見れば分かるよ。」

  ・・・働くことは大切。だけど一つ忘れて欲しくないことがある・・・

  「必ず”何か”を残しなさい。
   残す。無駄をやめて”何か”を残す。
   
 (それは何ですか?思い出ですか?経験ですか?)

  「何か 少し価値のあるものを残す。 必ず残す。」
  「私はかつて妻と土地を買ったんだ。
   とてつもない出費だった。
   支払いに苦労したけれど
   土地の価格がどんどん上がったんだ。
   
 (ラッキーですね。ものすごいお金持ちになったんじゃないですか?)

  「そんなことはない。
   土地を友人やその家族とシェアしているんだよ。
   さらに職業訓練学校などの学校もつくったんだ。」

  ・・・ 幸せの一部を人に残す ・・・

 (頑張って幸せに仕事をしていきます。)

  「周りの人たちも(幸せに)ね。」

 (分かりました。なるべく)

  「周りの人も幸せでないとね。
   本当の幸せというものはないと思いますよ。」

 (そうですね。それはお金でもなく、何だろう・・・)

  「お金だけじゃあない。愛情や生きる喜びだよ。お金だけじゃない。」

 (大阪のお土産を
   これは関西弁、大阪弁です。
    アイラブユウ メッチャ スキヤネン)


  「メッチャ スキヤネン」

初稿 2016.4.18


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