他者への愛～ホセ・ムヒカ ウルグアイ前大統領の言葉と行動（１）

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ウルグアイのムヒカ前大統領来日

ウルグアイ・ムヒカ前大統領来日～その言動と他者への愛

　人は育った環境や性格によって、いろんな考え方をする。いろいろ考えて発言することは、何よりも優先される自由である。ただし、それは誰にも認められている自由なので、私の自由とあなたの自由は同じ重みで大切にされねばならない。ここで、万人のいろいろな考え方はそれぞれの人の人生を表しているので、それぞれについて判断する複雑さよりも、あなたの考え方が利己的なのか利他的なのかを基本に考える方が、物事の本質をスッキリ捉え、あなたの生き方に有益なのではなかろうか。
　それは、稲盛氏の経営哲学「人生の結果　=　考え方 × 熱意 × 能力」の『考え方』が利己的なのか、利他的なのかで『人生の結果』が生逆反対になるほど大きく変わることでも示されている。また、『他者への愛』に生きた元ウルグアイ大統領ムヒカ氏の言動が、国民に信頼され、国民から愛されたこととも通じる。

　ここに、フジテレビの「ウルグアイ・ムヒカ前大統領来日密着取材特集（2016.4.10）」を、放送順にタイトルをつけて下記のように区分し、
　１．日本に未来を見る～消費社会からの脱出は可能か？
　２．家族と次世代の子供たちのために～消費ではなく、人生を大切に！
　３．串カツ屋談義～お金が好きな人は政治はダメ、周りの人も幸せに！
　４．日本人の働く美徳～バブル崩壊後の政治と経済の分析は？
これに次のフジテレビ番組を放送順に下記のタイトルをつけて、
「ムヒカ来日緊急特番～日本人は本当に幸せですか～」（20160408）
特１．日本の若者はお年寄り達より幸せなのか？
特２．国民に愛されるムヒカ氏の政治活動
特３．孤独な独房、憎しみでなく愛が自分を救ったように社会も救う
特４．国民と政治が一体になって幸せを求めなさい
これらから『ムヒカ氏の言葉』を残しておきたい。

１．日本に未来を見る～消費社会からの脱出は可能か？
　　「日本に来てここ（ヒロシマ）を訪れないということは
　　　日本の歴史に対する侮辱だと思います。」

　　「（日本は鎖国を解き）西洋を追い抜く決意をした。
　　　　しかし、現在の日本はあまりにも西欧化たように見える。
　　　　自国の歴史やルーツを問わなくなっていないか？」

　　（どうして築地に来ようと思われたんですか？）
　　「働いている人たちを見るためです。
　　　働いてつましい暮らしをする人々
　　　国を支えるために必要不可欠な人々です。」

　　「もし私たちがみんな天使でパーフェクトな存在であれば
　　　政治なんかいらないんです。」

　　「この世界は天国にも地獄にもなります。」

　　「我々　人間はどこに向かおうとしているのか・・・
　　　日本で起きていることについて質問をして回りたい。
　　　将来　この世界はどうなるのか
　　　それが分かるのは、日本が高度に工業化された国だからです。」

　　『観光案内ロボット　池平ジュンこ』を見て

　　「助けてくれ・・・　　（どうして？）
　　　これから到来する世界を考えてだ。」

　　（ウルグアイにもこういったもの（ロボット）はあったらいいと思いますか？）

　　「時間の問題だね　そうした時代に突入しつつあるのだと思う。
　　　労働分野では（人とロボットの）紛争が横行するだろうが
　　　世界は適応しなければならなくなる。」

　　今日、浅草を見られていかがでしたか？

　　「コメントしたくない
　　　宗教については敬意を払いたいから
　　　軽々しくコメントはできない
　　　ただ、こんな消費主義でいいんだろうか・・・」

　ウルグアイ駐日大使「お二人は花がお好きですから
　　これから妻が習っている生け花をお見せします。」
　ウルグアイ駐日大使夫人「短いデモンストレーションですが
　　家元は全身全霊で生けられます
　　生け花は太陽、惑星、星
　　全てに構図があって意味があるのです
　　生け花については聞いたことがありましたが
　　こんなに深いものだとは知りませんでした。」

　　「ウルグアイの花は組み立て職人の
　　　仕事みたいな気がしてきたよ
　　　初日から日本はウルグアイと全く違うと気付いた。」

　　（ウルグアイにもすてきなアレンジをする人もいますよ。）

　　「確かに組み立てる人はいるけれども
　　　日本の生け花は単に組み立てるだけではなく
　　　また別のものなんだ」

　　「私は質問してみたいんだ
　　　日本人の若者は高齢者たちよりも幸せなのか」

　東京外国語大学講演
　　「若い皆さん
　　　皆さんには２つの選択肢があります
　　　ひとつはただ生まれたから生きるということ
　　　もう一つは私たち自身の人生を操縦することです。
　　
　　　あなたが何かを買うとしたとき
　　　それはお金で買うのではありません
　　　お金じゃないんです
　　　そのお金を得るために費やさなければならなかった
　　　人生の時間で買っているのです
　　　我々の文明は破たんしています
　　　市場をコントロールできないからです。

　　　なぜこんな話をするのか
　　　私たちが海を無駄に
　　　汚染させていることを知ってから
　　　もう、どれくらい　たつのでしょう・・・
　　　それでも私たちは何もできなかった
　　　人間が今持っているほどの方策と能力を
　　　かつての人類は持ったことがありませんでした
　　　それなのに世界では１分間に２００万ドル（２億円超）の
　　　軍事予算が浪費されている
　　　しかも最悪なのは
　　　こうした流れを止められないことです。

　　　大事なのは　人が幸せになること
　　　かつて　これほど生産性が高まったことはなかったのに
　　　分配の仕方が悪いので
　　　恩恵にあずかるのは　ごくわずかな人だけで
　　　多くの人が失望しています。」

　学生からの質問・意見
　「家族ができら
　　やっぱり人間は自分の家族が一番かわいいですから
　　やっぱり他の人たちより
　　自分の家族をいい目にあわせたい
　　だからおいしいご馳走をしたり
　　すてきな場所に連れていったりするわけです
　　こういうことをしているとやっぱり
　　こういう自分の家族だけをいい目にあわすっていう気持ちが
　　貧困とかを生んでしまうのかなと思ってしまいます。」

初稿　2016.4.15