自然とデザイン

自然と人との関係なくして生命なく、人と人との関係なくして幸福もない。この自然と人為の関係をデザインとして考えたい。

安保関連法と「アベノミクス」は国民を無視した憲法違反の重罪

2015-09-30 18:16:52 | 憲法を考える
 昭和21年(1946年)11月3日に国民の礎となる新憲法が公布(文化の日)され、翌年(1947年)5月3日から施行(憲法記念日)された。
 国民主権と戦争放棄、生存権等を含む基本的人権の尊重を掲げた日本国憲法は、明治以来の天皇中心の国の在り方に対して、「自由民権運動」として明治から日本にもあった小さな流れを、「主権在民」の世界の潮流に大きく変えるものだった。

 これをGHQの押し付けとし「自主憲法」の制定を党是とする自民党は、戦争の原因となった天皇主権の「日本帝国憲法」を改正すべきとするGHQの要求に対して当時から立憲君主制の維持を主張し、今でも「日本は天皇を中心の神の国」と発言する森元首相やその発言をテレビ番組で支持している竹田恒泰の父は、自然を無視して真夏に開催するオリンピックの競技場等多くの問題を抱える関係者の重鎮として活躍(暗躍)している。

 安倍首相は「美しい国、日本」とか「戦後レジームからの脱却」によって、あたかも日本の明日が輝くような嘘を言うが、「日本国憲法」こそ戦後日本の礎であり、世界に平和を求める理想である。

 憲法違反の安保法案に対して、対案を野党に求める声があるが憲法違反の法律は廃案しかない。対案は、憲法を守るか改正すべきかの論議の中でなされるべきだ。
 憲法違反の法律は司法の場で問題を明らかにする一方で、国会で決定するまでの審議と手続きに瑕疵はないとする政党に対して、憲法違反であるとする政党が選挙協力をして憲法違反の法律の施行停止や廃案を目指すしかなかろう。その過程で、さらに憲法の国民主権、戦争放棄、基本r的人権について充実させる事項があれば国民に見える形で論議を深めれば良い。

 難民を防ぐためにフランスやアメリカは武力が必要と言うが、難民を受け入れない日本が米軍に協力して、日本を守るために武力は「抑止力」として必要だという。テロも難民もフランスやアメリカが種を蒔いたもの。憎しみは憎しみを生み、武力は軍拡競争を生む。軍拡競争で確実に儲かるのは国民の税金が使える軍需産業。そして、遺伝子操作から宇宙開発まで儲かる軍需産業に繋がる。

 「富が富める者から貧しい者に滴のように落ちる(トリクルダウン)」とは美しい日本では恥ずかしくて言えない言葉だったが、「アベノミクス」と言葉を変えて経済を潤すと嘘をつく。国民にやさしそうな顔をして、国民の生存権を無視した政策ばかりに熱心な政権や官僚は憲法違反の重罪で政治、行政からの退場を求めよう。

 安倍政権は自衛隊がアメリカと一体になって武力を使う集団的自衛権を、「内閣法制局」や国会で誠実に検討もせず、強行採決した独裁政権であることを毎日新聞論説とともに詳細に報道し、サンデーモーニングでも大きく取り上げている。また、自衛隊と憲法の関係や、戦後の新しい日本国憲法についてはNHKの番組で勉強しておこう。

サンデーモーニング 9月20日 安保関連法成立~採決までの与野党攻防
サンデーモーニング 「風をよむ ”悔いと憂い”」
自衛隊と憲法~日米の攻防
焼け跡から生まれた憲法草案

 サンデーモーニングの録画の多くがYoutubeに紹介されていた。これからは重複しないように慎重に取り扱いたい。また、見落としていた動画から、憲法について安倍首相や自民党の国会議員は認識不足で、憲法違反の法律を国会で通過させた国会議員は、憲法を守る義務がある公務員としての資格に欠けていることがはっきりした。なぜ、憲法違反なのかを考える資料として紹介しておきたい。

「憲法が何であるかを理解しないまま議論が進められていることが問題」 (2013年06月17日)
総理大臣が立憲主義からの離脱を表明しても問題にならない国 (2013年7月6日)
立憲主義を否定する首相が「憲法を解釈するのは私だ」(2014年02月15日)
安倍政権中枢による暴言が止まらない (2014年2月22日)
「憲法違反の憲法」はどの憲法に違反をしているのか (2014年03月01日)
自民党憲法草案 2012年版

 憲法改正は国民主権、戦争放棄と基本的人権の尊重を守り、国民が自由で、豊かで、平和であるためになされなければならない。安倍首相の価値観である「美しい国、日本」を国民に押し付けることは国民主権の原点を見失うものである。戦争の形も日本がどこかの国に攻めていくものでも、どこかから攻められるものでもない。テロや内戦が現代の戦争であり、集団的自衛権は日本を守るよりも、むしろ危険にすると思う。アメリカだって日本を守るための基地ではなく、不沈空母としての日本に期待していることはベトナム戦争で明らかになっているはずだ。私は「戦争と抑止力」については憲法9条が最も高い効果があり安い経費の抑止力だと確信しているが、これからももう少し論じていく必要があろう。

初稿 2015.9.30 追加更新 2015.10.1

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