自然とデザイン

自然と人との関係なくして生命なく、人と人との関係なくして幸福もない。この自然と人為の関係をデザインとして考えたい。

「実は暴力は減ってきている」 TED:スティーブン・ピンカー

2015-01-13 22:30:00 | 自然と人為
今年は戦後70年の節目を迎えるので、「平和と進歩」に関してメディアの報道は多くなり、放送内容をお伝えしたり、「ビデオライブラリ」を提供して、「我々はこれからどう生きていくべきか」、皆様と考える機会も多くなるものと期待しています。

今年の最初(2015年1月7日)の放送「スーパープレゼンテーション」は、スティーブン・ピンカーの「実は暴力は減っている」でした。まだ、日本語TEDにはないようなので、2007年に公開されている「The surprising decline in violence」のTranscript(暴力にまつわる社会的通念)を添えて紹介します。なお、日本語TEDには2014年にピンカー夫妻の対話をアニメにした「遠くまで及ぶ理性」とそのTranscript、さらに、このアニメの制作の背景も紹介されています。また、レベッカ・ゴールドスタインについては、専修大学の坂野明子「ホロコーストとシャボン玉 : レベッカ・ゴールドスタインMazel を読む」が参考になります。





このスピーチは、2011年に発売された「The Better Angels of Our Nature: Why Violence Has Declined」に詳しい。まだ翻訳はされていないようですが、2011-12-20 書評2013-01-09 書評、この本に関するスティーヴン・ピンカーとロバート・カプランの対談が参考になります。また、タイラー・コーエンの書評も参考になります。

なお、スティーブン・ピンカー著「暴力の人類史」がアマゾンから近々発売されるようで、次の書評がありました。
「人類は地球上から暴力を根絶し、平和に向かうことができるのか?
人間の攻撃性を生み出す内なる「悪魔」と、暴力を回避する内なる「天使」の正体とは――。
先史時代から現代にいたるまでの人類の歴史を通観しながら、神経生物学などの多様なアプローチで、暴力をめぐる人間の本性を精緻に分析。」
『言語を生みだす本能』『心の仕組み』『人間の本性を考える』などで知られる心理学の世界的権威が、これまでの知見を総動員し、壮大なスケールで大胆な仮説を提示する、未来の希望の書! !

本プログ「自然とデザイン」では、自然の一員である我々が平和に暮らすための考え方(デザイン)を「君あり、故に我あり」と「自他同一の感性」の共存、共創の思想を基軸として提案していますが、21世紀は脳科学の研究が飛躍的に進展すると思われ、人間の見方(物語)も大きく変化するかもしれません。しかし、人類は平和を求めて成長し続けること、それには「我あり、故に君あり」の利己的な競争ではなく、「君あり、故に我あり」の共存の思想が大切なことをスティーブン・ピンカーからも学んでいきたいと思い、本日はその「考える資料」を提供させていただきました。身近には意見の相違、競争、紛争はあるでしょうが、暴力は目的ではないのでスティーブン・ピンカーが言うように、これまでの長い歴史で暴力を抑制するために、「我々は何か良いことをしてきた」わけですから、「君あり、故に我あり」と「自他同一の感性」から湧きでる理性で暴力や戦争は抑制できると信じています。

2015.1.14 一部追加更新

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