語り得ぬ世界

現実逃避の発展場 Second Impact
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防人の旅、時々妖怪_77【第5日04】

2024-05-13 08:04:14 | 珍旅道中記
9:30になり係の方(野郎自衛官)が扉を開け、珍は中へ(入場無料)。入口すぐのところで見学者名簿に住所氏名等を記入。webから敷地内にある旧軍施設「振武薹記念館(しんぶだいきねんかん)」の見学予約も10~11時でエントリーしていました。10分前にこの入口集合と告げられ、ひとまず各種展示物のある施設の中へ進んで行きます(屋外にも戦闘車両等を展示)。ちなみに、この施設で案内役を務める係の方は全員自衛官です。女性自衛官もおられるかな…。



1階中央にドン!と置かれているのは「対戦車ヘリAH-1S」です。通称「コブラ」という、戦車にとってはまさに最恐の天敵。戦車はコブラに装甲の薄い上部を確実に狙われますからね。シャープなフォルムが戦闘機に通じる無駄がない究極の美。



前から見ると丸みを帯びていて、令和3(2021)年12月に引退した東北・上越新幹線E4系みたい。



機体後部もシャープです。この機体は米国から輸入した陸自初号機だそうです(1979年から陸自に配備)。



その奥には、先日市ヶ谷のところで少しご紹介しました「16式戦闘機動車(16-MCV)」です。戦車のような砲塔を装備していますけど、足元は8輪の装甲車です。最高時速100km/h、4人乗り。戦車を補完する戦闘車両でして、戦車ほど重量はないことから空自C-2輸送機でも運ぶことができ、沖縄県の西南諸島や尖閣のある先島諸島などの島嶼防衛(の即応対応)に活用するため開発されました。この車体は試作1号機だそうです。



この角度はなかなか迫力がありますな。



戦車のような砲塔です。戦車ほど装甲は分厚くありませんけど、戦車並みの105mm砲を備えています。



105mm施線砲。富士総合火力演習での実弾射撃の動画を見たことがありますけど、戦車に劣らない迫力でした。



コブラや16式を見た後では地味過ぎますが(苦笑)陸自の戦闘糧食。消費期限3年の戦闘時・災害時・訓練時での兵隊メシです。温めることができるレトルトですけど、パッケージのまま展示されても中身がわからんがな(苦笑)



制服などの各種装備品も展示されています。こちらは「空挺服装」という空挺部隊(陸自最強、精鋭無比の第1空挺団)が落下傘での降下時に着用する制服です。空挺兵装とせず空挺服装とするところが軍事用語を使わないよう気を遣う自衛隊用語ですね。英訳するとたぶん " army combat uniform "(兵装)でしょうに。



空挺部隊の降下時の状態です。これを背後から撮ると…



首がない!?首無し兵士やん!
こえーよ(怖)



空挺部隊の隊員が背負う「空挺傘(くうていさん)」です。人員用落下傘ですね。15kgもあるそうです。



天井を見上げると空挺部隊の落下傘。色の濃いものが先に出てきた「空挺傘」で直径11.5m、開傘時間4秒以内、降下速度は毎秒6.2m以下です。小さくて白いクラゲみたいなのが「物料傘4号」という物資降下用のもの。直径7.3m、開傘時間3秒以内、降下速度は毎秒9m以下。こうして撮るとアートですな。



空挺部隊隊員が降下時から背負う「戦闘背嚢(はいのう)空挺用」です。防弾チョッキ・飯盒・ショベル・携行糧食・雨具・日用品が入っています。さすがにコンパクトな印象ですけど、背負うと重いのでしょうね。サイズ的には珍旅に向いています(笑)



こちらは通常部隊の一般的な「戦闘装着セット」です。小銃・鉄帽・背嚢など全部で約25kgもあるんだとか。女ピン芸人やす子もこれを身に着けていたわけです。



「戦闘防弾チョッキⅠ型」です。4kgもありますけど、着けておかないとね。



「00式個人用防護装備」です。見たまんまのガスマスクです。化学兵器に対応する装備品(兵装具)ですね。有害物質から全身を護ります。重いし暑いでしょうなぁ。



偵察用オートバイです。型式が書かれていなかったのですが、川崎重工業製、つまりKawasakiのバイクってことですね。それにしても軍用バイクの形は第二次世界大戦の頃からあまり変化がないですね(映画「大脱走」でスティーブ・マックィーンが乗ってたドイツ軍の軍用バイクを思い出してください)。性能は飛躍的に向上しているでしょうが。
集合時間までまだ10分ほどありますので、屋外展示へ行ってみましょう。
(つづく)
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