語り得ぬ世界

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防人の旅、時々妖怪_84【第5日11】

2024-05-20 07:28:37 | 珍旅道中記
東銀座駅で思い出しました。



銀座駅、東銀座駅もあれば確か「西銀座駅」もあったはずです。丸ノ内線に。
そもそも現在の丸ノ内線銀座駅が西銀座駅だったそうです。昭和32(1957)年12月15日に開業した営団地下鉄丸ノ内線西銀座駅は、昭和9(1934)年3月3日に開業した銀座線銀座駅とは(改札内で)つながっておらず、そのため別駅として「西銀座駅」が存在していましたが、昭和39(1964)年8月29日に営団地下鉄日比谷線が全線開通し銀座駅開業時に丸ノ内線西銀座駅ー銀座線銀座駅ー日比谷線銀座駅が、この日比谷線銀座駅という新駅を介してようやく改札内でつながったため、同日西銀座駅はめでたく「銀座駅」に統合・改称されたんだとか。なお、東銀座駅は昭和38(1963)年2月28日営団地下鉄日比谷線・都営浅草線の別駅として開業しました。当時の日比谷線はこの駅開業日に日比谷線既設路線の人形町駅から東銀座駅まで延伸されました。なので今でも位置的にも歴史的にも銀座駅とは別駅というわけですね。まあ駅名でも東があるのに西がない、北があるのに南がないとかはよくあるパターンですよね。そういえば駅名にやたら東西南北をくっつけてわけわからなくしているのは浦和でした。



13:21 目的地の『銀座アビタシオン』に到着しました。東銀座駅から徒歩1分のはずでしたが、出口を間違えたのか、さらに地上に出て少し迷ったため駅から7~8分を要しました。午後最初の訪問先はこのビルの1階にある『靖山(せいざん)画廊』です。



ここに来た目的はコレです。『恵比寿と大黒』という、何だかめでたい展示販売会。この日が最終日ですが、そこには珍贔屓の日本画家、玉井伸弥先生の作品が2点出展されていまして(先生のInstagramで知りました)ならば三越本店での若鶉会に続いてこちらも来ないとね。



外観はちょっと昭和な佇まい。それもそのはず『銀座アビタシオン』が昭和59(1980)年にできた古いマンションです。とはいえ、東銀座駅徒歩1分ですからそれなりのお値段だと思いますが、マンションは満室のようです。



扉にガラスがなかったら、今では画廊に入っていくのに躊躇のない珍でも正直入りづらかったですけど、画廊内は明るくて開放感もありますね。それでは入っていきましょう。まずは玉井伸弥先生の作品を探さないとね。



玉井伸弥作品ありました(ここの画廊も撮影OK)。左が「大黒天図」で右が「恵比寿天図」です。意外にも玉井伸弥先生としては初めて大黒さんとえべっさんを描かれたそうです。大黒さんとえべっさんを蛙のモチーフしたのはまあまあ罰当たりな気もしますが(苦笑)玉井伸弥先生らしいユーモアがありますね。おもしろい。どちらも紙本彩色で税込176,00円也ですが、さすが人気の日本画家、ともに売約済み。
画廊には若い野郎スタッフさんがおられました。銀座の画廊スタッフは上品で丁寧ですね。押しつけがましさもありません。玉井伸弥先生の2作品は初日すぐ売約済みになったそうです。そらそうでしょうな。聞くと、『靖山画廊』ではまた玉井伸弥先生の作品の展示販売があるかもとのこと。仲良しの若手日本画家たちでのグループ展があるみたいです。それでは珍に響いた作品をご紹介します。



越智 俊介「猫かぶり商法」
フォロワーが増えたアカウントの売買などイマドキのSNSを悪用したビジネスをモチーフにしています。アニメっぽい作風のミクストメディア。税込99,000円也。売約に至っていません。



谷津 有紀「福招き-恵比寿と大黒-」
ほのぼのとしたタッチのイラスト作品。記録に残せてませんでしたので、価格と売約状況は不明です。



泉 東臣「恵比寿と大黒」
これまたほのぼの系です。なんとまあかわいい無邪気に寝ている赤ちゃんのえべっさんと大黒さん。おむつがプリティ。紙本彩色のこの作品は税込462,000円也。売れそうな気もしますが(さすがにお高いから?)売約には至っていません。



熊谷 曜志「福々芙蓉」
若いえべっさんはまだ鯛を釣れておらず、同じく若い大黒さんは空の袋を手にし望遠鏡で遠くを見ています。背景には次々と花をつける縁起物の芙蓉の花。足元を見つめ、遠くに思いを馳せながら、花実を結んでいけるようにとの願い込め、これから事を成し遂げる前の初心を表現しているそうです。おみくじで言うと「吉」ですな。これは縁起がよろしい。税込308,000円也。売約済み。



相場 るい児「出目金持ち唐子」
こえーよ。目がマジこえーよ。全然縁起物に見えませんが…鯛ではなく出目金を持っていますし、大黒さんでもえべっさんでもなく唐子(中国のこども)ですよね。えべっさんの鯛の代わりに出目金を持たせている意味がイマイチわかりませんが(出目金の字面?)唐子は子孫繁栄を意味していて、大黒さんの五穀豊穣に掛けているそうです。陶器のこの作品は税込110,000円也。売約には至っていません。



こえーよ。顔がヤバい。ホラーやん!こえー。出目金もこえーっ!



丸山達也「コレ ツカイナヨ」
シュールですなぁ。擬人化っぽくえべっさんの鯛をモチーフにした檜・漆・箔・彩色の作品です。鯛が持っているのは海老ですね。作者によると鯛は「こっちを使って釣りをしなよ、これなら釣れるから」と釣り餌(海老)と釣り針を差し出しているところだそうです。そこにはこちらが持っている釣り餌と釣り針じゃ釣られてあげないよという思いが、えべっさんの使いでもあり釣りの対象でもある鯛にはありそうだと思って制作されたんだとか。税込297,000円也。売約には至っていません。



ホラーな唐子と違って、こちらの鯛はひょうきんな表情ですな。これなら家に置いてもいいかな。って、買える値段ちゃいますけど(苦笑)
さて、『靖山画廊』を出て、今回の珍旅東下り最後の目的地へ向かいます。



13:33 画廊を出てすぐそこにある大きな通りに出たら目の前に歌舞伎座。さらに銀座の真ん中へ。



三原町の交差点です。向こうにゴジラに壊されたはずの(笑)服部時計店の時計台が見えています。手前が三越百貨店ですね。目的地まで少し歩かねばなりません。
(つづく)
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