語り得ぬ世界

現実逃避の発展場 Second Impact
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防人の旅、時々妖怪_50【第3日05】

2024-03-26 07:28:32 | 珍旅道中記
迎賓館本館前を通り過ぎたところに西洋風の門があります。



意匠をこらした門扉ですね。ここは普段施錠されているようですが、見学時は開放されまして、中へ進んで行くことができます。なお、この門扉の内側(というか外側?)からは原則撮影NGとなります。ガイドさんが許可する箇所のみ撮影OKとのこと。



10:37 ようやく和風別館『游心亭』の入口に到着しました。ここが正門でして、この前は撮影OKとのこと。
せっかくなので女子ガイドさんをパチリ。



え?遠いって?(笑)
しゃーないなぁ。珍はさりげなく立ち位置を彼女のほうへ寄せていき…



ドヤ? ( `ー´)ノ
女ピン芸人・元自衛官(現在は即応予備自衛官)のやす子に似たガイドさん。ぽちゃ子なところがキュートな推定年齢26歳。愛想も良くて、二重瞼がチャーミングなのでマスクを外して欲しかったです。



正門に掲げられた「五七の桐紋」。桐紋は元は菊御紋と並んで天皇家の紋章でしたが、足利尊氏や織田信長、豊臣秀吉(太閤桐紋とも呼ばれもっとも有名です)など時の天皇がその功績をお認めになった者に下賜されたものでした(徳川家康は断ったそうです)。やす子ガイドちゃんの説明にありましたけど記憶が定かではありませんが…天皇どなたか(ここを忘れました。ネタ帳にも不記載)が菊を大層お好きで、それから天皇家の紋章は専ら菊御紋が使用され桐紋は使用されることがなくなったそうです。現在この紋章は日本政府が公式に使用していますので、日本政府所有の迎賓館なので桐紋が掲げられているというわけです。なお、桐紋は菊御紋と違って使用制限の根拠法令もなく、明治17(1884)年の官報でそのことが公示されて以降、今では誰が使ってもいいそうです。ちなみに、珍家の家紋は「丸に梅鉢」でして、墓石にも刻まれています。みなさんの家紋はどんな紋章でしょうか。



正門をくぐると、もうそこからは撮影NGエリア。残念ながら写真はありません。写真は途中の撮影OKエリアから庭園を望んだところ。きれいに手入りされていますけど、冬枯れしていますね。10:53撮影。
和風別館『游心亭』の設計は金沢市出身の建築家、谷口吉郎(たにぐちよしろう)です。東宮御所や帝国劇場の設計でも知られている昭和の大建築家ですね。ただ、せっかくの谷口吉郎のシンプルな設計コンセプトも中曽根首相の「これでは寂しい」といった意見(独り言を周りが忖度?)で正門内の小庭に石をドンと置かれたり、他の総理により池を改造されたりしています。谷口先生の許可を得たそうですが、先生、よぉ怒りまへんでしたなぁ。



何という木かわかりませんが(!)けっこう大きな木ですね。花が咲きそうな木にも見えますが…



左側に盆栽が見えます。正門から小庭の横を通り正面玄関に入ると、国賓などが来られる際には立派な生け花を飾るのが常だそうですが、季節によっては花が乏しいこともあるので、そんなときは盆栽を飾るんだとか。



やす子ちゃんの説明を聞きながら盆栽をパチリ。さらにトリミングズームをしますと…



立派な盆栽ですなぁ。やす子ちゃんの説明では樹齢180年超えのものもあるんだとか。確か1千万円以上すると聞いたと思います。ちなみに、これらの盆栽は都内専門業者からの借り物がほとんどだそうです。かなり気を遣いながらのお世話でしょうね。



ここは池のように見えますが、そもそも谷口吉郎の設計コンセプトでは池ではなかったでそうが、これは田中角栄への忖度なのか、完成してから錦鯉を放すために一旦水を抜いて浅い底を深掘りして造り直したんだとか。谷口先生、怒るとこでっせぇ。



やはり撮影禁止エリアなのですが、池を眺めることができるところは午餐会や余興に使う大きな広間になっていまして、この池の水面が太陽が反射するとその天井に水の揺らぎが映し出される仕組みになっています。ただし、それを見られる季節や時間帯、天候は限られているそうです。ちなみに、安倍首相時代にトランプ米国大統領も来られていて、その揺らぎをご披露したんだとか。池に面した廊下から安倍首相とモディ印首相が錦鯉に餌を与えている写真もありました。



木立の隙間からタワーマンションか高層ホテルかが見えますけど(たぶんホテル)、さらに近くにマンションがありまして、そこからこお和風別館の庭園が丸見えになっているそうです。おそらく地区計画とか条例などで建築規制のようなものがないからでしょうけど、国賓をお招きする施設なのにセキュリティ上どうかと思いますよね。平和ボケ日本人の典型ですな。庭園の縁に高木を植えていってるそうですけど、それらが定着し、目隠しになるまで何年かかんねんな(苦笑)

さて、残念ながら和風別館『游心亭』の写真はここまで。ほとんどが撮影NGなので写真もこの程度です。割烹風のおもてなし小食堂や外国人賓客用の大きな茶室などもありました。そんな中でやす子ちゃんがひつこいぐらい何度も注意喚起していたのが「壁を触るな」です。屋内の壁は京都伏見産の希少な土を使った土壁でして、手を突くとすぐにボロっと傷がつきます。修繕にはその箇所だけ塗り直すと周囲を風合いが違ってしまいますので、壁全面塗り替えとなり、費用は100万円から1,000万円にもなるそうです。何度も「触るな」を繰り返していましたので、見学受け入れは割と最近から始まったはずですけど、過去に手を突いた人がいたんでしょうね。税金で塗り替えるわけですから、原因者に修繕費用を請求してもらいたいものですね。請求したんかな。
『游心亭』の見学は一周して最初の正門前で解散となりました。値打ちはありました。あとは各自で本館や本館裏庭園の自由見学です。
(つづく)
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