ツトムさん家の写真日記。

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第591回 栃木県益子町 西明寺。

2011-05-16 21:19:02 | 旅行

2011 05 04(水)


栃木県益子町の郊外にある高館山(303m)の中腹に建つ古刹・西明寺の参詣。(栃木県益子町4469 午後3時20分~)
山中に建てられた西明寺は鬱蒼と生い茂った樹木に囲まれ、大勢の観光客が押掛けている益子陶器街とは違い、参詣客もほとんど無く寂しい雰囲気・・・。
 
石段傍の石碑に「天然記念物 西明寺の椎林叢」(しいりんそう)と彫られていましたから、やはり繁茂した椎樹林で薄暗いはずです。

樹木からの癒しフェトンを浴びながら70段ほどの石段を登ると立派な山門(楼門)に出会います。


明応元年(1492年)6月2日建立の由緒正しき楼門で、純唐様式の三間一戸重層入母屋茅葺きの山門、以前は国宝でしたが現在は国重要文化財に指定されています。

室町時代の様式を伝える重厚な佇まいを見せていました。

山門二楼に掲げられた扁額には「獨鈷山」の山号。 入口左右には迫力満点の金剛仁王像。(ヤクザっぽいから欠落した指を修理して!)
 

山門脇に建っていたのは“西明寺三重塔”。 天文2年(1538年)2月吉日の建立。

この地方を治めた西明寺城主・益子家宗の寄進になる銅板葺き屋根の優美な三重塔。
室町寺社建築の粋を表す三重塔も以前は国宝指定でしたが、今は国指定重要文化財。
 
軒下の入り組んだ木組みは寄せ木細工かパズルか・・・見事な匠の技です。

山門を入った右手に建てられていたのが「閻魔堂」(建立は正徳4年1714年・寛保3年の再建)。
茅葺き三間四方の素朴な閻魔堂には県文化財指定の閻魔大王・脱衣婆・地蔵尊などが納められています。。
 
閻魔大王のお顔がユニークです、口を大きく開き笑っているところから、「笑う閻魔様」と呼ばれ親しまれています。
閻魔様の横に立つのは善童子、にこやかなお顔で良い子が悪い道に行かない様に導くのです。

山門の左側には梵鐘を吊るした鐘楼堂。享保7年(1722年)建立の茅葺き三間四方重層宝形造りの鐘つき堂。
 
吊るされている梵鐘は寛文11年(1671年)鋳造の銘鐘です。(戦時供出にならなくて良かったですね。)

本堂に上がる石段横に湧き出している清水は「弘法大師 無盡(尽)水」、喉を潤すには丁度良い場所にある名水です。
 
西明寺本堂前に注連縄で仕切られた舟形石は「加持本壇の城(場) 安永2年」の立て札。
江戸時代の昔、この場で名高い僧侶によって加持祈祷の護摩壇でも行われていたのでしょうか・・・。

石階段に最頂部に応永元年(1394年)建立の西明寺本堂。説明書には「板葺き一間厨子宝形造り全唐様式」建築と記載されていました。
こちらの本堂も国宝でしたが、現在は重要文化財です。

建立された時代は戦乱に明け暮れたた南北朝時代終盤、下野(栃木県「)の山里によくこれだけ立派な堂宇が・・・と思いました。
西明寺の正式名称は「真言宗獨鈷山普門院西明寺」。天平9年に紀有麿による開創で坂東三十三霊場の二十番札所なのです。

本堂内陣「は格子板で仕切られて国宝だった厨子が拝見出来ません。
代わりに欄間の彩色透かし彫り彫刻など拝見します。


1394年から現在まで地震や火災で消失するする事無く無事に建っていることに驚きの念を禁じえません。
 
本堂に掲げられた「西明寺」の扁額も古色蒼然たる面持ちです。

西明寺から拝借した本堂厨子の諸仏像の画像です。(国宝でしたが、今現在は重要文化財。)
中央の仏像が霊験新たかな本尊の十一面観世音菩薩様です。

京都・奈良の有名寺の仏像と比べても遜色ありませんね。

西明寺に奉納されていた御詠歌絵馬「西明寺 誓いをここに 尋ねれば 終の棲家は 西とこそきけ」。
「ついのすみか」のある西方浄土にまだまだ行く気はありません筆者です・・・。


外陣前縁隅に安置されていたのは木製の“賓頭盧(びんずる)”様、悪い箇所をさすると治るとか・・・。
真言宗の寺院にはビンズル様の像が多いですね。
 

境内には真言宗の開祖・空海上人の托鉢像「南無遍照金剛大師」像も「四国霊場八十八ヶ所御砂踏み場」も見られます。
 

本堂の裏側にも慈母観音像や天然記念物の高野槙(こうやまき)の巨木(樹高30m枝張り12m目通り5.4m 承元3年(1209年本堂修復の折に宇都宮景房の植栽。)などがありました。
南の紀州高野山にたくさん自生していますが、寒い北関東でこれほど大きくなった高野槙は珍しいそうで、昭和29年に天然記念物指定。
   
西明寺全山の至る所に石仏・野仏が置かれ、霊場としての霊気がひしひしと感じられます。

本堂右横に建てられていたのが茅葺きの「大師堂」。堂内には弘法大師様が三十一体並べられ可愛らしい御姿が拝めます。
八十八体まで大師像の寄進を受け付けているそうです。
 

弘法大師堂から見た荘厳な西明寺本堂。    本堂から帰路眺めた山門と三重塔・鐘楼。(午後4時頃)
 

石段を下った場所にある茅葺き屋根の洒落た庫裏で干支ウサギ(卯)絵馬を記念に買い求めました。(激安の百円也。)
 
優雅な趣の素晴らしい西明寺、栃木の益子方面にお出かけの際は是非お立ち寄り下さい。

次回は益子町の名刹・地蔵院の訪問です。

2011 05 16(月)記。    前橋市のち   最高気温23.8℃

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