狛犬と石仏と

神社・仏閣に狛犬と石仏を訪ねて 時には花を愛でての山歩きも

デジカメ片手に気楽にのんびり 足の向くまま気の向くまま

寅吉・和平 の世界へ その参

2012-08-31 | Weblog


 (阿) 【王子八幡神社の狛犬を観る】


小林和平 工房の作品ではあるが自らの銘は刻んでいない 小ぶりで 顔も幾分柔和だが 
細部にわたってまでの気配りは相変わらずだ
昭和初期の建立
これに限らず 寅吉・和平の狛犬は 台座に当たる『雲』まで含め一体が一つの石からの彫りだ
この点が江戸狛犬の獅子岩狛犬と異なるところでその点だけでも 技術の凄さが知れる







 (以) 【角折神社の狛犬を観る】


こちらも小林和平工房の作と知れる
昭和15年 このころ和平は名声と優れた弟子を得て、自らは黒子に徹していたのだろうか
 






 (宇) 【震災の爪痕を見る】





いくつかの倒壊した石像を見た 未だこちらには手が及びかねているのだろうが 無念だ
行く道筋で道路の復旧。修復作業を見てきたが 神社仏閣は行政の手出しができない範囲なんだろう

6月に観た(TOPに掲げた薄ボケた写真も)鹿嶋神社の狛犬も一体が地上に落下したようだが震災後すぐに
地元有志が駆けつけ復旧してくれたとか ありがたいことだが 今、被災された方を思えばこれ以外は無理は言えまい



寅吉・和平 の世界へ その弐

2012-08-30 | Weblog



 【古殿八幡神社の狛犬を観る】



今回の究極の目的地で 出発前、第二日目に電車とバスを乗り継ぎ一日がかりで見る積りだった
そんな事を御住職に話したら それなら今日行ってしまいましょうと気軽に・・・ありがたい

流鏑馬で名高い神社だ 数年前訪れた時 たまたま出会った宮司さんに暫くお話を伺った時も
ほとんどその話ばかりで 狛犬の話はあまりなかったと記憶している
だが、世に具眼の士は多いとみえ 近頃ではこの狛犬目当てにはるばる来る人も結構いると聞く


遠目に見る やはりすごい この卓越した敢えて言えば狛犬離れした 姿はなんだ
昭和4年 小林和平 あまたある名品の中でも一代の傑作と言われる



ゆっくり近寄ってみる まさに神の鑿を手にした 名工の渾身の一作
身震いする思いで しばし見惚れる







江戸狛犬ばかりを ありがたがって近隣を見てきたが反省だ 
世の中には見知らぬ、すごいのがまだまだありそうだ 狛犬行脚は 当分止められそうにない
            

寅吉・和平 の世界へ その壱

2012-08-27 | Weblog


炎天下4㌔の道のりを 歩くことなく最寄駅までご住職の迎えを受け これより寅吉・和平の世界へ。
道中 寅吉・和平に関する沢山の教示受けつつ近隣の秀逸な狛犬をも含め巡行 至高のひと時だ

 小松寅吉: 弘化元年生まれ 高遠石工の流れを組む奇功の石工 現・福島、栃木に幾多の至高の名作を残す 
 小林和平: 明治14年生まれ 寅吉に弟子入り 神がかり的な天才石工 昭和41年 数々の傑作を残し没  
                                  《以上 鐸木能光氏 著書より》


【熊野神社の狛犬を観る】


 近年 発見されたもので 石工の銘はないが作風から明らかに寅吉と思って間違いなさそう
 飛翔する狛犬はそうざらに あるわけはない



江戸期 信州高遠藩は財政改善のため石切技術を習得させ各地に出稼ぎに派遣し、その運上金を得ていたようだ
が、出稼ぎ先に定住し監視の目をくぐり石工としての生活を送った者も多いようだ
土木作業の石組みに飽き足らず その高い技術を石仏に転出したものもいたようで今もその名作は各地に散見される
寅吉の小松家の祖もそうした家の一つで 細工し易く風化しづらい石が得られる福貴作に定着したようだ  《同上》 


 寅吉・和平 の作ではないが 高い技術を有する石工の手によるもののようだ(神社名 失念) 
 あいにく撮影しづらい位置にあるためおわかりにくいかもしれないが ご容赦を



 寅吉・和平の世界の巡行はこれからですが 続きは後刻に。。。。


寅吉・和平 の世界へ その序

2012-08-25 | Weblog



   
    先回(6月)訪ねた 白河の寺院のご住職が寅吉・和平の世界にいざなってくれるという
   厚かましくも ご迷惑を顧みず お誘い(イヤ、実際は押しかけなんだが)に乗らせてもらう
   
   お盆が明けたとはいえ 暑い盛り 勇躍 福島に出かける
   

【八槻 都都古別神社(やつき つつこわけ神社)の狛犬を観る】


 早めにJR水郡線に乗り 3駅手前のの  近津駅にて下車、先ずは一人で見ることにする
 ただし  寅吉でも和平でもない それ以前のもの
 先駆者であり私が勝手に師と仰ぐ たくき よしみつ氏 によれば寅吉が大いに影響を受けたであろう
 作品だそうだ
 何とも恐ろしい顔だが なぜか阿・吽双方の顔が著しく異なる 複数の石工の手になるのかもしれない
 残念ながら 肝心な石工の名は無い かなりの名人の渾身んの作なのだろうが

 
 
  
 山門の中には これまた凄い木像が 睨みつけている
 

 この後、ご住職がお忙しい中 私、一人のために 今日、明日 両日時間を空けてくれ 寅吉・和平の
 世界を案内していただいた
 
 何とも 贅沢且つ勿体ないことだが 名刹の住職にガイドとドライバーをお願いすることとなった

 次回から それらの報告をするのだが 一部、記憶が混乱していることもあるのだが その点は大目に
 見て戴きたい
                       では今日のところはここまでで。。。。8月22日午前


埼玉 最古の民家へ

2012-08-20 | Weblog
 【サンデーハイキング 8・19】 安戸城跡から 細窪山 再訪 


    途中、昼食をとった今日唯一の展望カ所から見た 奥武蔵方面の連山


    先回歩いた 細窪山を今度は別ルートで 
    人の訪れることも稀な 安戸城 城跡から細窪山に延びる尾根筋を行く
    今回もヤブを覚悟だったが 予想に反しさほどのこともなく か細くはあるが雨上がりの草群れに
    残る踏み跡らしきを 丁寧に拾って城跡へ そして緩やかな傾斜をたどって山頂に立つ



    当初の腹積もりでは この先、官の倉、石尊山を経て腰越城址までと古城歴訪を目論んでいたのだが
    この暑さの中 無理をすることもなかろうと
    竹沢方面に降る 先回、間違えでいかれなかった 吉田家住宅を訪問することにする

    涼しい風が吹き抜ける囲炉端で湯茶の接待を受け 築290年の古民家を観る



    縁先で見た愛嬌たっぷりな石仏・・・・のようなもの 今回は石仏や狛犬との出会いがなかったので ホンの代わりに。。


    8月の猛暑の中 先週と、次週は ハイキングは休みです 今週の半ばから 福島のお寺詣りに
    出ますので 成果はいずれ報告いたします

久しぶりのヤブ山

2012-08-06 | Weblog
 【サンデーハイキング 8・5】 臼入山 改め 細窪山へ 
   
 
 我々にとっては馴染の官ノ倉山だが そこから西に延びる尾根の先に 臼入山と紹介されている
 好展望の山があるのだが こちらに足を向ける人は稀だ
 最近になって この山の正式山名は細窪山であると知らされた
 こんな誤った称呼がまかり通るほど不遇な山なのだ

 そんな山を さらに 奇を衒って北面からのアプローチ 

 無人駅のJR八高線折原駅から 集落を過ぎると道は車道から林道へ そして山道へ
 仕事師かそれとも 猪でもつけたか心細い道が旺盛なヤブの中にかすかに残る
 これを頼りに進むも稜線まじかでは これも消えヤマカンと馬力でヤブを掻き分け稜線に、さらに ひと登りで
 目指す細窪山へ 無人の山頂で眺望を楽しみ昼めし
 このところ半ば習慣になっている カップヌードルを味噌汁代わりに 大汗かいた後だけにこれがうまい





 
 風が心地よい 下山は北東に小さな沢伝いに これもヤブコギだ
 途中、尾根越えの道を嫌って沢沿いを行ったのが間違いで 狙った下山地とはかけ離れた 場所に出てしまったが
 そちらはいつか又、として 久しぶりのヤブコギを堪能した楽しい気分で午後早い帰還となった
  

       入山地で 古い石仏を見つける 半ば損壊した如意輪さんだが なかなか良い



       下山地 東武竹沢駅前のお堂の中の 古い古い 石仏たち



  予定の地図にはない神社だ うかつにもここに来るまで 下山目的地から 外れたことに気が付かなかったのだ