白杖のトライリンガル

難聴だけじゃない?網膜色素変性症を併せ持つアッシャー症候群の息子達の日常を母の目からつづります。

担任の先生との面談

2011-11-10 11:25:49 | 難聴・手話
先日マー君の先生との面談があった。
新しく2年生になって2ヶ月。
日本でもこのころに家庭訪問なんかやる時期。

最近マー君をこの学校に入れておいていいかどうか、疑問に思っていたので、この日はいいチャンス。
学校での対応などを聞こうと張り切って行った。


席について、最初に先生が発した言葉は、
「マー君ってなんて愛嬌のある男の子でしょう。
みんな背伸びをしたがるのに、
マー君は2年生の飾り気のない無邪気な子。
人生を満喫しているような明るさですね。
先生の間でも誰がマー君の担当になるか取りあいですよ。」

言っている意味すご~くわかります。
言葉を変えると、ちょっとアホで幼いところがかわいい・・・と言いたいんですよね。

気になる成績の方は、算数が良くて英語がいまいち。
思ったとおり。

驚いたのは、かなり細かいところまで先生がよく見ているところ。
小さな変化も見逃してない。
この先生、まだ先生になり立てで大丈夫か?っと思ったけど、経験の長さがすべてじゃないんだね。


先生が面白いことを言った。
「マー君のサイエンスの知識はすごいですね。
しかも専門用語も良く知っているし、
意味も正しく理解しているし、
2年生とは思えません。」


確かにマー君の自然科学の知識はすごい。
私が中学や高校で始めて習って知ったようなことを、もう知っているし、
宇宙のことなんて、私の知識をはるかに超えている。

私は「アメリカの子供ってすごいなぁ。」
っと思っていた。

だって、あっちこっちに自然科学博物館なんかがあって、
模型や仕掛けで詳しく楽しく説明してある。
いつ行っても子供たちがいっぱいいるから、
遊びや生活の中で自然科学を教えるんだなぁ~っと感心していた。

でもどうやらそれは我が家が特別のようだ。

だって、おじいちゃんが恐竜博士でしょ。
退職後もバークレーとサンフランシスコの科学博物館の館長・役員を務めて、
無料かすごく安く入ることができる。
それで、グランマやグランパと一緒のときは、
公園に行くより多く科学博物館に行っている。
よちよち歩きのときからそうなんだもんなぁ。

考えてみたら入場料結構高いし、
普通はそんなしょっちゅう行けるものではないはず。

へぇ~、学者の子供(孫)ってこういうところで差が出るんだ。
っと一般人の私は関心してしまいました。


先生との面談が終わる前に、気になっていたことを聞いてみた。

「統一試験の成績がこの学校はすごく悪いのはなぜですか?」


先生はわかっていますといった風に
「この4年間で校長先生が3回かわりました。
私は先生になったばかりなのに、
何の指針も与えられなかったんです。
リーダーなくして、学校がよくなるわけありません。
今回やっといい校長先生が来たのでよくなるはずです。
でも、それは全体像の話で、できる子は常にできてます。
バークレーでは、黒人と白人を分ける線は、
高所得と低所得を分ける線でもありあます。
この学校は白人と黒人の学力差が大きく、
全体像としては点数が低くなってしまうのです。」

なるほどねぇ、まぁ、だいたいわかっていたことなんだけど、
「お宅の場合は学校の平均なんかは見ずに自分の子供だけ見てろ」
ということですね。


最後に先生のコメント。
「聾者の映画を見たとき、マー君は元気良く手をあげて
『は~い、はいはい、ぼくも難聴だよ~。』っと嬉しそうにしてました。
難聴を誇りにおもってますねぇ~。」

うわ、馬鹿丸出し。

でも、マー君がそうあれるのは、この学校のおかげだと思う。
この学校では、難聴がちっとも恥ずかしいことでも、マイナスなことでもないんだ。
クラスに何人も補聴器をつけている子がいて、
難聴は、肌の色の違い同様、ただ『違う』だけで自然に受け止められていることなんだ。


統一試験のスコアが悪いから、学校を変えようかとまで思ったけど、
この子には試験のスコアよりもっと大切なものがある。

そして先生の最後の一言。
「マー君はクラスのロックスターですよ。」

難聴を気にせずに、明るく無邪気でいられるのはこの学校だからかもしれない。

この学校で良かった。
そう思えるようになっただけでも、いい面談だった。








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