3匹の子豚との日々 =DIAS CON MIS TRES CERDITOS=

スペインSpainのサラマンカSalamancaのラ・アルベルカLa Albercaから不定期につづります。

2011年11月12日のこと

2013-11-13 06:55:19 | Hymne a l'amour

そして、翌日・・・。
土曜日のバスは、通常より1時間遅いので、そんなに早起き、
というわけでもなく、子供たちはいつもより30分早いだけ。

私は、前の晩あまり寝れていないのに、朝はちゃんと起きましたし、
子供たちも、緊張気味なのか、起こしたら、すぐに起きました。

完全にお日さまが出ていないので、家を出るときにはまだ薄暗く、
ちょっと歩いたところで、忘れ物に気づいて、子供たちだけ先に
行かせて私は家に戻りました。

その時、家の前の下り坂で、なぜか転んでしまって・・・。
上の前歯の差し歯を地面にぶつけ、欠けてしまったんです。。。
もしも、この歯が差し歯でなく、私の歯だったら、すごい痛みに
立ちすくんでしまったんじゃないか、って思います。
出血もしたでしょうし・・・。
でも、すでに、数年前にちょっとしたことで、歯を折ってしまい、
差し歯にしていたので、痛かったけれど、まぁ、大丈夫って
感じだったし、病院へ行かなくちゃ、という思いが勝っていた
ので、洗面所の鏡で、とりあえずチェックして、欠けたのには
気づいていたけれど、忘れ物を取り、子供たちを追いかけました。



バスに乗って、サラマンカへ。。。
子供連れでサラマンカへ行くのは、夏の終わりに、夫の診察の
ために出かけたとき以来。。。
でも、今回は、サラマンカへ遊びに行くのではなく、入院した
夫のお見舞いなので、前のように楽しい気分じゃなくて・・・。

サラマンカのバスターミナルには、ご近所の方が迎えに来て
くれていて、その人の車で病院へ。。。

病院へ着いて、1階の受け付けの人が「子供は行かないほうが
いいよ。ちょっと刺激が強すぎるから・・・。先生にちゃんと確認した
ほうがいい。」と言ったけど、とりあえず、夫が入院している2階へ。
看護婦さんに夫の名前を言ったら、部屋の番号を教えてくれて
「子供は部屋に連れていかないほうがいい」とやはり。。。

子供たちは近所の方と、待合室のような部屋へ。
私は、病室へ。。。

病室で寝ている夫の姿を見たとたん、やつれてあまりに変わり
果てた様子に、何が何だかわからず・・・・って感じでした。
たった、1日で、こんなに重態になってしまうの・・・?!

先生と話したら、「肺炎を起こしていて、肺がほとんど機能して
いない。呼吸が苦しいようなので、酸素吸入しているけれど、
ここでは何も治療はしていない。今日は大丈夫だと思うけど、
もって明日か、明後日まで・・・。」って。。。
嘘でしょ?!
つい、この間まで、万全ではないとはいえ、自分のことは
自分でしてちゃんとしていたのに・・・。



病室を出て、すぐにマドリッドにいる夫の息子たちに電話。
電話に出ないので、留守電にメッセージを残しましました。
「かなり危ない状態なので、できればお見舞いに来て・・・。」

そして、日本の母に電話。。。
取り乱して、泣きながら話した記憶が。。。
夫や子供たちの前では泣けないから。。。

そして、アルベルカの知り合いに何人か電話。。。

そしたら、突然、知らない日本の番号から電話が。。。
facebookのお友達の人が、私のことが急に頭に浮かんだ
から、って電話をくれたんです。
あまりの、タイミングに驚きつつも、しばらく話していたら
少しずつ落ち着くことができ、今でも彼女には感謝です。
彼女も旦那さんを亡くしているから、なにか感じるものが
あったんじゃないかと思います。。。



子供たちがいる待合室に行って、子供と一緒に病室へ。。。
起きて子供たちとちょっとおしゃべりして写真を撮って。。。
でもかなり苦しそうで、子供の前ではとにかく力を振り絞って
いるって感じがしました。。。

しばらくして、ご近所の方の娘さん夫婦がやってきて、
子供たちはお孫さんと遊びに、お庭に降りて行きました。
私は病室で夫のそばにいたけれど、もう夫自身の生命力
というか生きたい、という気持ちの強さ次第なんだろうなぁ~
っていう風に感じていました。

退院のときの服を持ってきて、夫の様子を見たら、戻るつもり
で出てきたけれど、あまりの変わりように、もうしばらく一緒に
いなくては・・・って感じがして、近所の方も、「ひろみが決めた
通りに、こちらは動くから。子供たちも今晩預かるよ。」と
言ってくれて、私は付き添いで泊まることにしました。

マドリッドの息子たちからも電話があり、翌日午前中に
「お見舞いに行くから。」と。。。
夫の古い友人夫妻も「午後に行きます」と連絡がありました。

子供たちは、病院にいても仕方ないので、お昼前にお友達の家に
移動して、翌日午後に連れてきてもらうことにしました。
突然頼んでも、快く引き受けてくれて、感謝感謝でした。。。
状況が状況だけに、断れなかった・・・という気もしますが。。。

夫は、相変わらず、ずっと寝ている状態。。。
ただただ、そばに付き添っていました。
付き添いの私用にもお昼ご飯の用意があって、びっくりしました。



夕方のおやつの時間のころ、突然目を覚まして「お腹すいた!」
おやつをしっかり食べたら、急に元気に。。。
元気になったら、あれして、これして、とうるさく命令。。。

元気になった夫の様子を見て、びっくりする先生。。。
ものが食べれる、ということにも驚いていました。
食事やおやつは用意しているけれど、たぶん食べられないだろう
から、無理に食べる必要もないと、言われていましたから。。。

外を見たら、天使の梯子が・・・。
かなり長い時間見えていました。

夕食は、お魚のスープとヨーグルトを食べました。
「この間、お魚食べたい、って言ってたの、願いが叶ったね。」
「スープじゃなくて焼き魚が食べたいんだ!」
「スープのほうが飲みやすくていいでしょ。。。文句言わない。」
なんて、ちゃんと会話ができるくらいに。。。
ヨーグルトは、おいしい、おいしいと、私の分まで食べてしまいました。

午前中の死んでいるんじゃないかと思うくらいにやつれていた
人と同じとは思えないくらいの、食欲と元気さ。。。

久しぶりに、穏やかに、昔話をしたり、これからのことを話したり。。。
ずっと長い間、未来のことに関する会話ができなかったのに、
それで、家庭内別居のようになってしまっていたのに、
あの日は不思議なことに今までできなかった話ができました。



「日本に会社を作るんだ。そして自分たちでスペインから輸出して
日本に輸入して販売網を作れたら、いいよなぁ~」と夢のようなことを
語っていました。。。

日本の取引先関係の人の話とか、仕事の話ばかりしてました。
この数年、仕事の話をしても、勝手にしろとか、知らんとか
ばっかりで会話にならなかったのに。。。

何時くらいまで話していたでしょう・・・。
夫もたくさんしゃべって疲れたようで、スーッと眠ってしまったので
私も簡易ベッドを準備して眠ることにしました。。。

長い長い一日でした・・・。



「天使の梯子」とか「ヤコブの梯子」と呼ばれる、光のカーテン。
あの日の夕方2つ見ました。
それも、2つとも鮮明で、全部で1時間以上見えていました。
この世のものとは思えない、とても不思議な時間が流れていました。



12/11/2013
10.10


朝から青空。
一日のんびりと家で仕事。
夕方、お買い物の前に、久しぶりに
山之辺の道を歩いた。。。
2年前には、歩いたこともなかった道を
一人で。。。

 

<前後の記事>

3回忌を終えて・・・(2013-11-17)
2011年11月15日のこと(2013-11-15)
2011年11月14日のこと(2013-11-14)
2011年11月13日のこと(2013-11-13)
2011年11月12日のこと(2013-11-12)
2011年11月11日のこと(2013-11-11)

  

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