3匹の子豚との日々 =DIAS CON MIS TRES CERDITOS=

スペインSpainのサラマンカSalamancaのラ・アルベルカLa Albercaから不定期につづります。

2011年11月14日のこと

2013-11-15 05:48:13 | Hymne a l'amour

朝早めに起きて、メールを書いたり、ブログ・facebookに
緊急事態発生で、どたばたするので、当分書き込みなど
できない可能性があることを投稿し、ほっと一息ついたとき、
7時すぎ携帯に電話がありました。

こんな朝早くに電話なんて、いやな予感。。。

と思って取ったら、やはり・・・病院からでした。

えっ、こんなに早く?!
まだ今日も会いに行くつもりだったのに・・・。

確かに、昨日帰り際に先生が、今夜かも・・・って言って
いたけれど私はそんなことはない、まだもうしばらく大丈夫
だと思ったのに。。。

昨日は息子たちと友人たちと話すことで精一杯で私は
まだちゃんと話してないのに。。。

一昨日の夜の話は、仕事のことだけで、子供のこととか
何にも聞いてないのに。。。



とりあえず、日本の両親にだけメールして、アルベルカの
知り合いに電話をしたら、病院へ連れて行ってあげるから
準備をして待ってて、と言われました。
大きい息子や昨日お見舞いに来てくださった友人夫妻、
サラマンカでお世話になった方にも電話で連絡をしました。

子供たちが起きる時間になったので、起こして、事情を話し、
朝ごはんを食べさせて、学校へ送り出そうと思ったところに
知り合いが迎えに来てくれたので、車で学校まで送り、
その後、サラマンカへ。。。

体はベルトコンベアーに乗っているように、ただ、事務的に
周りが言うままに、動いていましたが、心は、ずっと止まった
まま・・・そんな感じでした。

病院へ着いて、部屋に入ると、冷たくなった夫がベッドに
寝ていました。

一昨日、昨日の空気感とはまるで違い、別の部屋のように
寒々しい感じがして。。。
呼吸が止まり、心臓が止まり、体温が下がるってことは
こういうことなのか・・・というのを肌で感じてしまいました。
でも、なんだか、彼の魂は私が来るのを待っていて、
病室の中にまだいるような感じがしました。

先生が死亡診断書を持ってきてくれたと思ったら、次は
男性がやってきて・・・誰かと思ったら、葬儀屋さんでした。
そして、ソーシャルワーカーの人もきて、遺体をどうするのか
埋葬はどこにするのか、などを矢継ぎ早に聞いてきます。
病院は、部屋を早く空けてほしいと言うし。。。



サラマンカの知り合いも仕事を抜けて来てくれて、とりあえず
葬儀・埋葬をどうするかの話し合い。。。
恥ずかしい話、私は葬儀や埋葬をするために十分なお金を
持っていなかったので、私は、どうしよう、どうしよう・・・って
感じだったんです。

どのくらい費用がかかるか、とかも全然知らなくて、どうやって
支払いをしたらいいのか、とりあえず、誰かに立て替えて出して
いただいて、徐々に返すしかないな、日本にいる両親にまた
頼まなくてはいけないのかしら・・・とか、大きな息子たちは
少しくらい出してくれるかしら・・・とか、頭の中をぐるぐる・・・。

葬儀屋さんの話では、サラマンカの病院の近くで埋葬する
のが一番安くて、アルベルカまで遺体を運んでから埋葬する
とかなり金額がかさむということをでした。

「ひろみは、どうしたいの?」「彼から聞いてるの?」と聞かれ、
入院した日、寝室にあったノートに「死んだら火葬にしてほしい」と
いうメモ書きを見つけていたので、そのことを言ったら、
「じゃあ、希望通り火葬してあげようね。。。」

火葬の費用を聞いたら、アルベルカで埋葬するよりも少しだけ
費用が安かったので、ちょっとほっとしました。。。

サラマンカの知り合いの人の奥さんがキリスト教系の慈善団体で
仕事をいているので、アルベルカの教会の神父さんに話して
くれて、私もよくわからないうちに、慈善団体から援助してもらって
残りはみんなで少しずつ出し合って、火葬の費用にしよう、という
ことに決まりました。

教会の神父さんが紹介してくれた葬儀屋さんに連絡を入れ、
午後に、身分証明書などのコピーのために、事務所に寄りました。



火葬は、死亡後24時間以上経ってから、つまり、翌日以降に
しかできないため、一晩病院の地下の霊安室で預かってもらう
ことにしました。
普通なら、家族も一緒にとか、埋葬場所の近くの霊安所で
お通夜のようなものをするのですが、子供たちを置いてきて
いるし、かといって、子供を呼びよせるわけにもいかず・・・。

周りの人が助けてくれたから、なんとかなったようなもので
これ以上わがままも言えない状況でしたから・・・。

現実感がないというか・・・。
夫は、ただ、眠っているだけって気がして、でも周りでは、話が
どんどん進んでいて・・・。
まるで映画を見ているような感じ。。。

不思議と涙が出て取り乱すって感じではありませんでした。。。
現実を受け止めるのに精一杯で、感情が麻痺してしまったんじゃ
ないかと思うくらいに。。。

唯一、病院のカフェテリアでみんなでコーヒーを飲んだりして
いたときに、パキが、「入院した日、電話したのよ。
そしたらね、『俺行くよ』って言うの。『行くってどこへ?
アルベルカに、戻ってくるんでしょ?』って聞いたら、
『違う、永久に逝くんだ。』って言ったの。。。
自分でも分かっていたのかもね。。。」と言ったとき、
そのときだけは、大泣きしてしまいました。

やっぱり・・・夫は、最後の最後まで子供と一緒にいたいから
かなり我慢していて、心配かけたくないから、私にさえも
弱音をはかずに、できるだけ普通にしていたのかもしれない・・・。

そう考えると、それまで、理解できなかったことが、点と点が
つながって線になるように、いろいろと氷解したのでした。。。



写真は全て、今日の午前中撮ったもの。
夫と歩いた道。。。


実は・・・今でも、本当に彼の死を受け入れているのかわかりません。
「死んだ」ということはわかっているけれど、彼が息を引き取る瞬間に
立ち会っていないし、なんだか、ここにはいないけれど、生きているん
じゃないか、とか、いつも一緒にいるような気がしているんですよね。。。

目の前に存在していたときに、いつも感じていたざわざわするような
違和感がなくなり、すごく大きな安定した感じがあるんです。
これは、言葉に言い表すのが難しい感覚です。。。

2年経って、この間からこうやって書き始めて、私の心の中を
整理しているんだな。。。って思います。
去年は引越しさわぎで、それどころじゃなかったから、3回忌の
今年が、そのときなのだろうな・・・って感じです。


2年前に書いた記事。
この数日のこと。(2011-11-15)


14/11/2013
10.12

今日は朝から良いお天気で、気持ちよかった。。。
昨日は曇っていてどんよりいていたけれど、雲一つない晴れ渡った
青空で、光もきれいで、夫と歩いた道を一人で歩きながら、写真を
撮ってました。。。

村に戻るところで、おじいさんに会っておしゃべり。
今まで一度も会ったことの無い人だったみたい。。。
私たちがこの村に住んでいることを知らなくてびっくりしていたから。。。

 

<前後の記事>

3回忌を終えて・・・(2013-11-17)
2011年11月15日のこと(2013-11-15)
2011年11月14日のこと(2013-11-14)
2011年11月13日のこと(2013-11-13)
2011年11月12日のこと(2013-11-12)
2011年11月11日のこと(2013-11-11)

   

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1 コメント

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無題 (ミラクル)
2013-11-15 12:10:04
毎日更新おつかれさま。
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