カキぴー

春が来た

中曽根康弘氏の90分

2010年04月16日 | 国際・政治

昨夜NHKの番組100年インタヴューで、元総理 中曽根康弘氏の話を聞いた。 1918年生まれの91歳だが若い。そしてまったく衰えてないのに驚く。 喋った内容と、アナウンサーの受け止め方に違いがあると、細かく訂正するし、記憶力も抜群。 健康と長生きの秘訣は、「毎日のスケジュールを決めて、百年一日の如く実行すること。」 ドイツの哲学者カントも実行し80歳まで生きたことを例に挙げる。 

今も日本の将来が心配で、政治の動きに関心を持ち、何時でもしっかりしたコメントができるよう、情報を頭に入れ、勉強を欠かさない。 いい日本にして死んでいくことが望みと言う。 政権交代をどう思うか? の質問に対しては、「良かった」 と意外な回答。 その理由は、自民党のマンネリを変えていくために交代は必要だし、交代したことで、いろいろな問題が表面化してきた。  

「日米核密約問題」 にしても、政権が変わったから明らかになったことの一つ。 当時私にも説明はあった。 戦艦が核を外してから入港するのは、現実的に不可能。 核持込を暗に認め合ったのは、日米に信頼関係が構築されていたから。 非核3原則を守りつつ、大局的な判断が外交には必要で、全てを飲み込んでやるのが政治の知恵。 細かく言ってたら、安全保障は成り立たなかった。 被爆都市広島、長崎からの、非核3原則法制化の要求に対して、現政権は難色を示しているが、アメリカの核の傘の下で守られている日本にとって、今後どう対応するか、真剣な議論が必要と感じた。

かっての 「ウイリアムズサミット」での秘話も披露しながら、会議での発言は、その国の首脳が本領発揮する場だと強調。 どのくらいウイットやジョークを交えながら、参加者を説得できるか? 能力を試され、それが外交に結びついていく。 また国家と国家の結びつきは、首脳と首脳との結びつきで、これがあって初めて、下の者が安心して本音で話ができる。 さらに家族付き合いが加わって、 「ロン・ヤス」の関係に発展していったと、自らの外交を語った。 

「風見鶏」 の比喩に対してどう思うか? の意地悪な問いには、「足をしっかりと地に付けて、頭をあちこちに振り、内外の状況を見ながら行動することは、きわめて大事」 と切り返した。 私と20歳も違いながら、とうとうと自説を展開する長老に接し、希望と元気を頂いた90分だった。 

 


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1 コメント

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Unknown (TOMO)
2010-04-17 00:29:49
私も途中の田中角栄さんの話辺りからこのインタビューを見ました。
中曽根元総理は声の勢いはなくなりましたが、まだまだ元気です。
日本は国民がもっと政治に関心を持たないとダメですね。

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