「スピードは"力"だと思う。速くなることで人と触れあう面積がふえる。」
川上未映子(大阪市城東区京橋出身)
大阪人は世界一歩くのが速い。という話は昔よく聞かされましたが、真偽は定かではありません。信号待ちが嫌いなのは間違いないと思います。日本人とドイツ人は赤信号を渡らない。という話もよく聞きますが、大阪人は車が走っていなければすかさず渡ります。信号が青になりかけたら、一秒を待ちきれずに渡り出します。こういうのを大阪では「いらち」といいますが、「いらち」の大阪人は既に日本人ではないのかもしれません。
ムービングウォーク、「動く歩道」があると、大阪人は立ち止まることなく、その上を歩き出します。どちらかというと、いつもより速く歩きたくなります。このような「動く歩道」が日本で初めてお目見えしたのは、1970年の大阪万国博だったらしいですが、大阪人にとっての「動く歩道」はやはり「歩く歩道」で、博覧会会期中には案の定、将棋倒しの大事故が起こっています。合掌。
果たして大阪人の価値基準は何なのか?カネという説がありますが、ホントは時間なのではないか。と思います。時はカネなり。というじゃありませんか。大阪人は待たされたりして無駄な時間を過ごすのがただただイヤなのです。それで、露悪的なまでに、時間を金銭換算して損失額を嘆いたりするのです。
大阪・キタの中心街に、無秩序にはりめぐらされた地下街。あの蟻の巣を思わせる迷路のような複雑構造は他所者泣かせですが、実は地上における信号待ちをできるだけ減らし、雨に濡れずに長距離(例えば堂島から茶屋町まで)を移動したいがために作られた合理性の産物だったのです。ただ当の大阪人ですら地下街の地図を描くことは難しく、合理性の総和は極めて観念的な空想都市のような存在を現出させているのです。それは、大阪がまたアジア都市である所為でしょうか?
川上未映子(大阪市城東区京橋出身)
大阪人は世界一歩くのが速い。という話は昔よく聞かされましたが、真偽は定かではありません。信号待ちが嫌いなのは間違いないと思います。日本人とドイツ人は赤信号を渡らない。という話もよく聞きますが、大阪人は車が走っていなければすかさず渡ります。信号が青になりかけたら、一秒を待ちきれずに渡り出します。こういうのを大阪では「いらち」といいますが、「いらち」の大阪人は既に日本人ではないのかもしれません。
ムービングウォーク、「動く歩道」があると、大阪人は立ち止まることなく、その上を歩き出します。どちらかというと、いつもより速く歩きたくなります。このような「動く歩道」が日本で初めてお目見えしたのは、1970年の大阪万国博だったらしいですが、大阪人にとっての「動く歩道」はやはり「歩く歩道」で、博覧会会期中には案の定、将棋倒しの大事故が起こっています。合掌。
果たして大阪人の価値基準は何なのか?カネという説がありますが、ホントは時間なのではないか。と思います。時はカネなり。というじゃありませんか。大阪人は待たされたりして無駄な時間を過ごすのがただただイヤなのです。それで、露悪的なまでに、時間を金銭換算して損失額を嘆いたりするのです。
大阪・キタの中心街に、無秩序にはりめぐらされた地下街。あの蟻の巣を思わせる迷路のような複雑構造は他所者泣かせですが、実は地上における信号待ちをできるだけ減らし、雨に濡れずに長距離(例えば堂島から茶屋町まで)を移動したいがために作られた合理性の産物だったのです。ただ当の大阪人ですら地下街の地図を描くことは難しく、合理性の総和は極めて観念的な空想都市のような存在を現出させているのです。それは、大阪がまたアジア都市である所為でしょうか?