Tomotubby’s Travel Blog

Tomotubby と Pet の奇妙な旅 Blog。
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【Petの闖入日記】 先輩のバリみやげ

2004-04-27 | Asia 「圓」な旅
Pet が寮に入っていたとき、二年上の先輩のT内さんとT本さんが冬休みに二人でバリに出かけた。当時 Pet は仮面を集めていて、自室の壁には、韓国、中国、ブータンなど、お土産で貰ったアジア各国の奇妙な顔が並んでいた。先輩達の旅行先がバリと聞いた Pet は、前から欲しかったランダやバロンの仮面をお土産に買ってきて欲しいと、気前の良さそうなT内さんにおねだりしたのだった。冬休み中、わくわくしながら過ごし、寮に戻った Pet は、寮母さんに新年の挨拶をした際、T本さんが飛行場の検疫で引っ掛かり、寮に戻っていないことを聞かされた。

その夜、空港にT本さんをおいて一人で帰ってきたT内さんが包みを携えて Pet の部屋にやってきた。包みの中身は魔女ランダの赤い面だった。Pet の期待していたような木彫りの立派な面ではなく、切ったり穴を開けたりした板に彩色したようなもので、見るからに安っぽいが、只で頂くのだから文句は言えない。丁重にお礼を言って、土産話を聞くことにした。T本さんは帰国時に下痢がひどかったらしく、念のため、泊りで検査を受けているとのことだった。どうやら帰国直前にバリのホテルで飲んだ生ジュースが原因らしいが、T内さんも同じジュースを飲んだのに、たいした下痢はしなかったそうだ。この時期バリは雨期で、食中毒の心配があるので、生野菜やカットした果物は避けていたのに、最後に油断してしまったと、T内さんは後悔しきりであった。

翌日は土曜日だった。夕方、寮に帰ってきたT本さんに会った。検査の結果は無罪放免だったのに、何やら浮かぬ顔で、どうやら噂が広まっていて、みんなからからかわれたようだ。その頃既に、元気の良いT内さんは、新潟の友達の家に遊びに行ってしまっていた。そして Pet は、壁に釘を打ち、新しい赤い仮面を飾り、週末はそれを眺めてにやにやしていたのであった。

月曜日の夕方、Pet が寮に帰ったところ、トイレに見慣れぬものが置かれていた。2つの白い洗面器に消毒液とすすぎ用の水が溜められていて、白いタオルがかけてある、病院でよく見る例の什器である。いやな予感がして、寮母さんに尋ねたところ、T内さんが赤痢を発症して、新潟で隔離されたとのことだった。帰国後、T内さんが立ち寄った先は、保健所が消毒して廻っており、寮のT内さんの部屋はもとより、無罪放免のはずのT本さんの部屋、さらにはトイレや風呂に至るまで、念入りに消毒して帰ったらしい。Pet はT内さんが自室を訪れたことは言い出しかねて、自室に戻ってから、魔女ランダの面をアルコールで拭いて消毒したのであった。

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