Tomotubby’s Travel Blog

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コロアネ島ザビエル教会 「Call Me Dragon (帰って来たドラゴン)」

2004-11-24 | 映画・ロケ地訪問
マカオ・コロアネ島ザビエル教会「Call Me Dragon (神龍小虎闖江湖/帰って来たドラゴン)」

監督・製作総指揮・脚本:
ウー・スー・ユエン(呉思遠)

物語:
密輸入者や麻薬の売人が集い、暴力のはびこる村、金沙村。この村の権力者インが持つ宝「シルバー・パール」を狙って、空手の名手ゴールデン・ドラゴン(ブルース・リャン)がやってきた。ドラゴンの噂を耳にしたイムは、用心棒として、もう一人の空手の名手ブラック・ジャガー(倉田保昭)を呼び寄せた。イムはジャガーに命じて、宝を運び「黄金の坑道」に隠させるが、その道中、ドラゴン、謎の女ミウ・ヤン(ウォン・ワンシー)と死闘を演じることになる。1974年香港映画。

出演:
ブルース・リャン(梁小龍)、倉田保昭、ウォン・ワンシー(黄韻詩)

コメント:
1974年、カンフーブームの渦中、倉田保昭・主演で日本の東京12チャンネルで製作・放映されたカンフードラマ「闘え!ドラゴン」のロケ地として、香港の今はなきタイガーバームガーデンが使われていた。という情報を聞きつけました。ところが「闘え!ドラゴン」のDVD BOX セットは、30,000円。これを買うには決心が必要です。ということで、「闘え!ドラゴン」にも出演していたブルース・リャンが主演し、倉田保昭が悪役で共演している「帰って来たドラゴン」の DVD を買って帰ってきました。

物語は、よくあるカンフー映画のパターンで、はっきりいって、どうしようもないのですが、後半30分延々と続くドラゴンとジャガーのアクションシーンは見ものです。特に建物の壁と壁の間を足だけで上って闘うシーンは有名。タイガーバームガーデンは出てきませんが、その長い死闘の舞台に使われているポルトガル風のクリームイエローの教会に見覚えがありました。これはマカオのどこかではないかと写真を調べてみると、周囲の建物は整備されて違っていますが、マカオの島嶼部、コロアネ島にあるザビエル教会に違いありません。

スペイン人であるイエズス会宣教師フランシスコ・ザビエルは、ポルトガル国王の協力を得て、リスボンを出発してゴア、マラッカを経由しわが国、鹿児島に到着しますが、当時の仏教勢力に屈してゴアへ引き返します。そして改めて、広州を目指したのですが、途上で亡くなります。遺体はゴアへ返されますが、後に腕だけ切り離されて、マカオへ運ばれました。この腕は、1928年に建てられたこのザビエル教会に祀られるようになりました。

ブルース・リャンの小部屋」という彼のことが詳細に書かれたホームページにも、ロケ地は「マカオから小船で小一時間、中国との国境に近い小島」とあります。今ではコロアネ島、タイパ島はマカオ半島と橋で結ばれていますが、映画の撮影当時には橋はなく、小船で小一時間もかけて渡ったのでしょう。

おまけ1:
ブルース・リー(李小龍)の「燃えよドラゴン」が上映されたとき、既に彼は、この世の人ではなかったのですが、カンフーブームで盛り上がり、彼の過去作品三作も見終わった観客は「ないものねだり」だと判っていながら、彼の新たな出演作を求めました。ここに、ブルース・リーの外見とアクションを真似して、役名も「ドラゴン」という無数のイミテーターが生まれ、彼らが出演する映画は、内容の良し悪しにかかわらず、日本で続々と上映されたのでした。例えば、ブルース・リ(呂小龍)、ブルース・リィ(黎小龍)、ブルース・ライ、ブルース・サイ、そしてドラゴン・リー(巨龍、この人はなんと北朝鮮出身)。ブルース・リャン(梁小龍)は名前が名前だけに、これらと同類と思われがちですが、一線を隔しています。16歳にしてショー・ブラザースの武術指導兼スタントマンで、アクションに関しては定評があり、その驚異的なハイ・ジャンプと連続回し蹴りを特徴とするスタイルはブルース・リーとは明らかに異なっています。

ブルース・リャンは90年代は芸能界から身を引いていましたが、2001年に復帰して、大陸制作の「陳真后傳」というテレビ・ドラマに主演しています。「陳真」はブルース・リー主演第二作の「ドラゴン怒りの鉄拳」の主人公の名ですから、その「后傳」つまり後日譚ということでしょう。
そして注目すべきは、チャウ・シンチーの「少林サッカー」に続く'05年公開の次回作「カンフーハッスル」で、本編最強の悪役武術家「火雲邪神」として登場することです。驚くなかれ、そのいでたちたるや、ランニングに短パン、サンダル履き、そして 禿頭の周囲に残った髪はザンバラ....陳真后傳」では、1970年代と同様、ブルースリーカットでフサフサだった髪が、実はカツラだったことが判明します。案外、ブルースリーの髪型ってカツラ疑惑がばれにくいのかも。(「ファイヤードラゴン火雲伝奇」にも「火雲邪神」という人物が出てきますが、こちらは、美しく凛々しいブリジット・リンが演じていて、大違い)

おまけ2:
あまり知られていませんが、ブルース・リーが「ドラゴン怒りの鉄拳」撮影中に、倉田保昭から沖縄の武具であるヌンチャクをプレゼントされ、映画で使ったところ、これが大当たりして、カンフー映画になくてはならない存在となったのでした。


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4 コメント

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TBありがとうございます! (tocosuta)
2004-12-14 00:01:06
お礼が遅くなってしまいましたが…

TBありがとうございました!



『カンフーハッスル』知らぬ間に、元旦公開に

切り上げになったみたいですね。



星爺よりも、実は梁小龍の方がインパクト大でした。

(いでたちだけでも、かなりですが)

年を重ねても、彼のアクションというか

型の美しさは変わらないですねぇ。



ありがとう! (らぎ)
2005-04-11 04:33:10
 バースデー書き込み、ありがとうございました。

 あんなに同じ日に、生まれた”ともだち”がいたとは…面白かったです。(笑)

 
「ドラゴン怒りの鉄拳」 (hito2km)
2006-09-30 19:30:58
>「ドラゴン怒りの鉄拳」de,

倉田保昭から沖縄の武具であるヌンチャクをプレゼントされ、映画で使ったところ///



トリビア100点ですね。

情報量がすごいブログですね。。

これからも

楽しみに見させていただきます。
映画ネタご無沙汰してます (tomotubby)
2006-10-02 22:10:06
映画ネタ、いろいろ仕込んであるのでいっきに放出しようかとたくらんでいます。

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