Tomotubby’s Travel Blog

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「謝将軍・范将軍」の正体

2005-02-25 | 九分、台湾のポジターノ!?
シンガポールで見た怪物の像が、何千kmも離れた台湾にもあり、その名前が謝将軍、范将軍であることが判りました。二人の将軍が祠られていたシンガポールのシアン・ホッケン寺院は、ホッケンつまりは福建省からの移民が集う寺の中に祀られていたのですが、考えてみれば台湾本省人の祖先もまた、台湾海峡を挟んだ対岸、福建省出身者が多いのです。明・清の時代には、「媽祖」と同様に「城隍神」に対する民間信仰も福建省に根付いていたのだと思います。恐らくは福建省を拠点に台湾やアジア各国に移り住んだ人たちは、自分たちの神を連れ出し、落ち着いた先で祠を作って祀ったのでしょう。その後、「媽祖」や「城隍神」に対する民間信仰は、中国大陸では内乱と共産革命のせいで廃れ、大陸よりむしろ海外において生き続けたのでしょう。

帰国後、老人から聞いた話や「謝将軍・范将軍」の名を頼りにネットや書物を調べた結果、二人の将軍についていろいろなことが判りました。

「謝将軍・范将軍」の本名は「謝必安・范無救」で、二人一組で「七爺・八爺」もしくは「大爺・二爺」「高爺・矮爺」「捉神・拿神」「白無常・黒無常」などとも呼ばれるようですが、なんとその正体は、亡者の中から悪人を検挙して護送する怖い鬼なのでした。長い舌を出しているのは、首を吊って死んだ過去があるためとのことです。長身の謝将軍の大烏帽子に書かれた「一見大吉」の文字は、謝将軍に会っても、うまくやり過ごしさえすれば、幸運が得られるという意味です。どうすればやりすごすことができるのかは知りませんが、他に会うとお金が儲かるという「一見生財」というヴァージョンもあるようです。短躯の范将軍の方は、もっとおっかない鬼で、手に持った軍配のようなものには「見悪便拿」と書いてあります。悪人は会ったら最後捕まえられて、地獄に連れていかれてしまうという意味です。范将軍の容貌からして、妥協はいっさい無いタイプのように見受けられます。その点、謝将軍は隙がありそう。

金庸の小説「書剣恩仇録」で、主人公陳家洛が総帥を務める「滅満興漢」の秘密結社「紅花会」の一員として、常赫志・常伯志という、そっくりな双子の侠客が出てきます。二人合わせて「西川双侠」、兄の赫志が「黒無常」、弟の伯志が「白無常」の仇名で呼ばれていました。でも本当の「黒無常」と「白無常」って、ちっとも似てませんよね。

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2 コメント

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ダブル閻魔さん (らぎ)
2005-02-28 02:18:40
 そうだったのかー、ご説明 ありがとうございます。

なんか、親しみが湧きました。

 何故首なんか吊ったのだろう…よほど、つらいことがあったのかな?

ちょっと、謝将軍がかわいそうになりました。
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謝将軍って (Tomotubby)
2005-03-02 20:59:56
悪人に騙された悲しい過去があるのかもしれませんね。それで鬼になって悪人を地獄へ連行する仕事を請け負ってるんだけど、今でも脇が甘く、悪人にうまく丸め込まれ「一見大吉」みたいなことになってるんじゃないのかな。本来、トリックスターのキャラなんでしょうね。ともたびのお気に入りです。
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