『アイヌ神謡集』 知里幸恵編訳
大地の鼓動が聞えてくるような、力強い、神秘的な物語に、圧倒され続けました。
なんと美しい物語たち。
大地の恵に感謝し、その声に、じっと耳を傾けて生きてきた人々の営みを、何度も
想像しながら、読み進めました。
こんなに素晴らしい文化が、あったことを誇りに思う。
そして、それを迫害し、滅ぼした罪を、つくづくと考える。
日本は、決して、単一民族の国ではないのだという事実を、みなが共有しなければ
その愚かな行いを、また、どこかで、違う形で、繰り返してしまうに違いない。
本を閉じながら、そんなことを考えました。
若くして亡くなったという、知里幸恵さん。
幸恵さんが残してくれたものは、なんと、大きな宝物なのだろうかと思います。
この本を読み終わった後、NHKの教育テレビで放送している『にほんごであそぼ』の中に、
この本の一番最初の物語を見つけました。
エンディングで子どもたちが歌っている歌の歌詞にハッとして、あわてて、この本のページを
めくったら、まさに、そこに、その歌詞にある物語が。
翌日、テレビにかじりついて、テロップをのぞきこんだら、そこに「知里幸恵」の名前。
やっぱり!
Shirokanipe ranran pishkan,konkanipe ranran pishkan.
思いがけず、物語の原文・・・アイヌ語の発音をローマ字で書き取った部分・・・を
耳からきくことが叶ったのです。
あの歌は、アイヌの音楽?・・・じゃないだろうなあ。
でも、少しは、民族音楽を参考にしてるのかな?→★
この番組の「歌をつけて、詩や文学を覚えてしまおう~♪」みたいなノリだけは、
どうしても好きになれないのだけれど(正直に言うと、嫌いです)
こんな風に、アイヌの言葉に触れることができたことだけは、感謝・感謝。
ただ、単純に美化してしまわず、きちんと、その歴史も伝えていかなければならないということも、
政治家すら、間違えて発言してしまうほど深刻な問題なのだということも、
一個人の意見として付け加えておこうと思います。
学校では、全く教えてもらった覚えのない、アイヌのこと。もっと知りたいなと思いました。
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あ~、わたしはまだ、です。
子ども番組でのアイヌの歌、わたしはまだ聞いたことがなくて、でもkohaは知っているそうです。
しずるさんのアレンジが入っているようですね。
わたしの覚えたアイヌのわらべうたは、
こもり歌も、海の上で歌う歌も、弓の舞いの歌も、
延々と繰り返し続く捧げ歌のような歌ばかりの
ようです。
きれいな声じゃだめよって、常に言われて、だみ声を
出す練習したりして。(苦笑)
深く、祈りをこめた声で歌うものなんですって。
ほんとうに・・・アイヌの人たちの考え方には、わたしたち
見習うところが いっぱいありますよね。
日本は単一民族、ということば、なんて無知で身勝手なことばなんでしょう。知らないってことはこんなに罪深いんですね。
この本と一緒に読んだ「知里幸恵『アイヌ神謡集』への道」の中で、岩波文庫のこの本のことがチラッと書かれていました。岩波のこの本、表紙がピンクバージョン(?)になっているって。ピンクの色つきは翻訳もの、緑のは国内の本、という意味なんだそうですが、『アイヌ神謡集』は翻訳物の扱いなんだそうです。アイヌ語を日本語(!)に訳してあるからだって。アイヌ語だって日本のことばでしょうにね。
『にほんごであそぼ』へのリンクもありがとうございます。
琴子さんの歌も聴いてみたいです。深く、祈りをこめた歌・・・そうやって、何処の土地でも、お話も歌も、親から子へ孫へ、と父祖の思いと祈りをこめて語り継がれ、歌い継がれてきたのでしょうね。
ああ!あのにほんごであそぼのエンディングの
歌、知里幸恵さんが関係していたのですね。
アイヌの言葉だということはわかっていて、
すごく好きな歌(メロディーは後から
付けたのかもしれませんが)だったんです。
あの曲が流れると、私もテレビの前で
一緒に口ずさんでいました。原文知りたいなぁ。
以前、NHKのその時歴史が動いたで、知里幸恵
さんのことがとりあげられ、とても印象深かったので名前は記憶にありました。
アイヌの文化には昔からとても惹かれる
ものがあり、特に自然に感謝しながら
生きる姿がとても好きです。
私の知識は浅いですが、「北海道」という
地名ができた裏には、多くのアイヌへの
迫害があったのですよね・・・。
こももさんのおかげで、またふと立ち止まって
考える機会を得ました。
この本、読んでみたいなぁ。
よかったです。
ムーミンの後、本を選ぶのが大変ですね♪
琴子さんは、アイヌのわらべうたもご存知ですか!
きいてみたいなー。
祈りをこめた歌い方。無になれる瞬間ですね!
素敵!!
ますます、琴子さんのわらべうた、聞いてみたくなりました。
どうぞどうぞ、機会がありますように。
そして、また、新たな感動を頂きました。
いつも、ありがとうございます。
ピンクの表紙に、そんな意味がかくされていたとは、
全く、予想もしませんでした。
日本って、上手に、都合の悪い歴史を消してしまう国です。
何にも疑問を持たずに歴史を学んできた一人として、
きちんと、この問題について、考えてみたいと思うし
どうか、言葉も文化も、なくならないでと思います。
この本で語られる物語、本当に、素晴らしいですものね。
口で伝えていけるなら、もっと素晴らしいのでしょうね。
琴子さんの歌、きいてみたいですよね。
(まだ映画を見れないでいるのですが、最近はじめた
生活クラブの集いで、近くの漁業組合の人々の取り組みのビデオを観、
みずほさんの記事を読み返したのですよ。)
私も、アイヌ民族への差別は、さらりと勉強した記憶がありますが、
正直、何も知りません。知ろうとも思っていませんでした。
これをきっかけに、きちんと知りたいなと思います。
だって、本当に素晴らしい物語なんです。
そらから、その横に並ぶ、アイヌ語をローマ字で聞き取ったものも必見です。
正しい発音は、全くわからないけれど、ちょっと
声に出して読んでみました。
不思議な響きなのです。
先日の朝日新聞の記事に「ユネスコでアイヌ語が最も危険な状態にある言語と分類された」と出ていました。
考えないといけないこと、たくさんありますね。
同じ国にすむ民族なのに、アイヌの人達のことは、なにも知りませんねぇ。
この本には興味があります。
この物語たちの美しさを知り、その歴史の残酷さが、なおさら胸にしみました。
いつか、是非。