ぼちぼち日記

大切な日々のこと

『かはたれ』

2007-06-29 10:15:00 | わたしの読書

『かはたれ』 朽木祥・作 山内ふじ江・画

マーガレットさんのブログで出会った一冊。
これは、両親と兄弟を失った子河童・八寸と、母親を亡くした女の子・麻の心の物語です。

母親が亡くなってから半年。寂しいながらも、父親と犬と一緒に、静かに暮らしていた麻。ところが、ある日、それを狂わせてしまう事件が起こります。
先生が、「綺麗でしょう」と言って持ってきたフリージア。
フリージアが美しいのは、先生が「きれい」と言ったからなのか?先生が言わなかったら、美しいと思えるのだろうか?美しいとは、どういうものなのか?
麻の中の価値観が、大きく揺らぎだすのです。そして、いつしか、自分の心を見失って・・・

価値観って何なのか?始まりは、どこからきているのか?
私も、しきりにそのことを考えたことがあります。「青」は、「あお」という名前でなかったら、どんな風に見えるのだろうか?動物の名前は?と考え始め、きりがなくなってしまったことを覚えています。
そう考えると、世界のすべてが、なんだか、違うもののように思えたりして、頭がこんがらがってしまったのです。堪えられなくて、母に質問しましたっけ。
しかし、クールな母は、いつものごとく、私の無理難題に「くだらないことばっかり、考えてるんじゃないの!」と一蹴(笑)。いつも、このパターンそんな質問ばかりしてる女の子だったから、もう、呆れていたのかもしれませんね。
けれど、私は、それ以上悩むことなく、そのうちに、すんなりと「青」を「あお」として受け入れることが出来ました。
しかし、麻は違います。
一度、揺らぎ出した価値観は、もう、自分では、とりもどせなくなってしまいます。

主人公の少女・麻の心の叫びが、ずんずんと迫ってきて、「なんとかしてあげたい」そんなことを考えて・・・・「だれか、麻の心を助けてあげて!」と、叫びだしたくなりました。
でも、大丈夫。最後に、ちゃんと、麻の心は救われます。救うべき人の手によって。

自分の価値観の元は、親から受けてきた愛情「そのもの」だったのだと再確認でき、ほのかな幸せを感じられる一冊でした。
けれど・・・・・・。この本を子どもが読んで理解できるのか?と問われたら・・・それは、よくわかりません。難しいような気もします。
でも、
成長の過程で、自分の根っこを探そうともがいている子どもたちに、すすめてあげたい・・・そんな気がしました。


『ヘンリーくんとアバラー』

2007-06-27 10:56:39 | 息子と読んだ本のこと・児童書
『ヘンリーくんとアバラー』 クリアリー作・松岡享子訳・ダーリング絵

ヘンリーくんシリーズ、第二弾。
面白いです。面白すぎます。ヘンリーくん。
この物語を嫌いになれる小学生なんて、いないんじゃないか?(特に男の子)と思うのだけれど、どうなんでしょう。
だって、息子に読み聞かせをしているときに、娘のおもりを仰せつかった我が旦那様。娘を抱っこしながら、何度も、吹き出していましたから。うふふ。かつて、男の子だった人でさえ(しかも本嫌いな人)、笑ってしまうのだから、すごいです。
とにもかくにも、息子は、小学生のうちにヘンリーくんに出会えて、本当に良かった!

さて、生き生きと描かれるヘンリーくんに、どうしても感情移入しすぎてしまう息子は、今回も、大笑いしたと思えば、顔を真っ赤にして怒ったり悔し涙をためたり「ざまあみろ!」と鼻で笑ったりと、それはそれは、大変なものでした。
(私も、感情移入しすぎ病ですが、いつの間にか、息子に伝染していたらしいです。気が付かなかった。。。)

幸運にも、今回は、「チビ!」とからかわれるシーンはなかったけれど、大人が蒔いた種(お母さんが、特売で買ってきたバリカンでヘンリーの頭を刈るのですが、大失敗してしまうのです!)で、友だちにカラカワレルシーンは、しっかりありまして・・・。
息子、やっぱり、憤慨
その他、大人たちの勘違いで、濡れ衣をきせられる章では、堪えられなかったのか、拳を握って枕にパンチ!うううこれを解決してくれたのが、校長先生だったので、母は、ちょっとホッとしたりして。。。
(一巻で、かなり、先生のイメージが悪くなっていたので)
親子で、ハラハラ・ドキドキ。ジェットコースターに乗っているようでした。ほう

これは、寝る前の「心休まる時間」に、読む本じゃないかもしれませんねぇ(笑)
でも、やっぱり、3巻目が楽しみなんだなあ。
早速、図書館で予約しなくちゃ!

 これを読んで以来、私が息子を注意するときの決め台詞。「さもないと、バリカンで頭刈っちゃうぞ!」。うわあ~。脅しだ~!
 ヘンリーくんと出会ってからの息子の口癖。「それやると、何セント貰える?」
そうなんです。ヘンリーくんは、しょっちゅうお金を数えているの。息子みたい。
守銭奴の息子としては、家のお手伝いをしては、お金を稼ぎ、隣のおじさんの手伝いをしては、お金を稼ぐヘンリーくんが、羨ましいらしい。
でも、そうならないのは、わかっているので、憧れと抗議?をこめて「何セント?(何円?じゃなくてね)」と言うのでした。
恥ずかしいのですが1セントって、何円くらいなんでしょうかね?

誕生日おめでとう!

2007-06-25 11:57:04 | つぶやき
昨日は、息子の誕生日。
欲しがっていた時計は、おばあちゃんが買ってくれると言うので、私たちは、何にしようかなあ~?と悩んでいました。で、思いついたのが、「ベッド」。

私が子どもの頃、八畳間に布団を敷き詰めて、家族四人で寝ていました。
父親のいびきがうるさかったこと、妹の寝言、夜トイレに起きると、必ず、となりの母親の足をふんずけてしまっていたこと
それらが、今では、宝物みたいな思い出で、結婚して子どもができたら、「みんなで川になって寝たい」というのが、私の夢でした。
そして、今までずっと、その夢は実現されてきたのです。

狭い団地の時は、もちろんでしたが、新しく家を建てるときも、ここだけは譲らず。
おかげで、2階は、でっかい部屋が1つだけという家ができあがりました。
すぐに、大人になってしまう息子のために、一応、3枚の仕切り戸を閉めると、1つ部屋が出現するという作りにはしておいたのですが、幸運にも、その仕切りを閉めることは、冬の寒さをしのぐため以外には、ほとんどありませんでした。
ところが、先日、息子が、突然、「一人で寝てみてもいい?」と。
ああ、そんな年になったんだなあ~
小学生だった自分が、あの八畳間を出て、狭い勉強部屋に無理矢理布団を敷いて、一人で寝るようになった時のことを思い出しました。
そこで、「ベッド」をプレゼントしてあげよう!と思ったのです。

安売り家具やさん・○トリに行けば、かなり安く手に入るはず。そう思っていたのですが・・・
作ってしまいました。うちの「園芸・陶芸・日曜大工好き」の旦那さま。
 私の思いつきから、たった2週間での完成でした♪


上のマットだけは、○トリでお買い上げ♪かなりの出来です。
当日まで、息子に悟られないように作れるのか?ということだけが、旦那さまの心配の種でしたが、私が予想した通り、目の前のことしか見えていない息子は、当日まで気づかず・・・。
(旦那は、そんな息子を「アイツは、5年生にもなって、こんなことで大丈夫なのか?」と、心配していましたが )
誕生日前日の夜中、立てておいたベッドを横にして、ベッドメーキング。
ことり文庫さんで選んでもらった本に、カードを挟みこんで置いたら、完成です。

誕生日の朝。頬を赤くして、鼻の穴を膨らませて、大興奮の息子くん。
堂々と、「今日から、ここで寝る!」と宣言しました
夜。まだ、3枚の引き戸は閉められることなく、開いたままでいてくれましたが、確実に、昨日とは違う息子。
その寝顔を見ていたら、なんだか、無償に寂しくなってしまい、不覚にも泣いてしまった母なのでした 恥ずかしい
私が、「勉強部屋で一人で寝る!」と宣言した日、母は、どんな思いで布団を敷くのを手伝ってくれたのだろう?泣きながら、そんなことをボンヤリ考えました。

息子くん。誕生日、おめでとう!
もう11歳。とうとう、二分の一成人式も終えてしまったね。
愛しているよ。その気持ちだけは、0歳の時と、ちっとも変わらない。
今も、これからも、ずっとずっと。

布オムツのススメ

2007-06-22 13:21:59 | 赤ちゃん日記~娘さん日記

出産後、なかなか、身体が元にもどらず、床をあげられずにいました。そんな訳で、洗濯するのも大変だからと、娘のオムツは紙オムツ。
ところが、30分~1時間おきに泣く娘。その度にオムツを取り替えるので、ゴミは、山のようだし、オムツ代は、かかるし・・・
こりゃ大変だ~ということで、1ヶ月検診を終えてから、昼間だけは(夜は眠いから、パス!)、布オムツにすることにしました。

オッパイを良く飲むので、オムツが汚れるのも半端じゃない。おまけに、汚れる度に呼んでくれるので、その洗濯量は、かなりのもの。
ところが、最近、これが楽しくて仕方がないのです

洗濯自体は、洗濯機くんがやってくれるので、問題は、干すことだけ・・・
娘を寝かせておいて、その横で、オムツハンガー(まあるく、かけていくモノ)にかけていきます。これを、娘が喜ぶのです♪
ハンガーが、くるくる回るのが楽しいのか、洗濯物がヒラヒラしているのが良いのか、3ヶ月の娘は、目をまんまるに見開いて凝視しています
これって、自作のメリー?

といっても、いつもいつもご機嫌という訳ではありません。でも、泣き始めても、また楽しい。
オムツは、放っておくと、しわくちゃになってしまうので、どうしても、すぐに干してしまいたい。
必然的に、あやしながら干すことになるのですが・・・。必至になると、次から次へと言葉が出てくるし、歌♪は浮かんでくるし。自分で自分の才能!?に、びっくりします(笑)

私と娘の「最近のお気に入り」は、(ちょっと焦りながら)
「オムツをポン!もひとつポン!」と歌いながら、オムツをたたいて干すという方法。
びえ~っと泣いていても、ポン!とやると、ぴたっと止まり、また、びえ~っと泣くけれど、ポンとやると、ぴたっと止まりの繰り返し。
そのうちに、私の方は、おかしくなっちゃって、ケラケラ笑い出してしまうのでした。
(娘は、早くして~っと怒っていますが・・・)

何も仕事をしていないと、泣くたびに抱っこしての繰り返しで腕は痛くなるし、「何が嫌なのよぉ~。どうして泣くのよう~」と、ストレスがたまってしまう。(息子の時は、これでノイローゼになりそうでした)
もう嫌だ~っ!と、抱っこしなければしないで、罪悪感にさいなまれる
けれど、仕事をしていると、泣かしていても罪悪感がない
オムツを介して会話できるのもいい。泣いてしまった時には、「待っててね」「びえ~っ」「もうちょっとだよ」「びえ~っ」という会話になるのも、また楽しい。

現代の母は、なんでもかんでも便利になって、やることがなくなるから、赤ちゃんにばかり目がいってしまい、逆に、ストレスがたまるのではないかしら?と、思ったりもする。
「赤ちゃんと、いっぱい会話してあげてね。」なんて、保健婦さんに言われても、赤ちゃん語がしゃべれない人は、「ああ、私って、駄目母」なんて、ますますストレスを感じてしまったりもする。

そんな訳で、「布オムツのススメ」。
台所仕事は、赤ちゃんを横に置いてする訳にいかなし、音が間に入って、会話も難しい。でも、洗濯は違います。洗濯って、赤ちゃんと遊ぶのに、ぴったり
息子のときも布オムツだったのに、どうして、気が付かなかったんだろうなあ
布オムツが、育児ストレスを解消してくれる!とまでは、言わないけれど、最近、とても気に入っています


『まほろ駅前多田便利軒』

2007-06-22 13:20:57 | わたしの読書

『まほろ駅前多田便利軒』 三浦しをん

あのハチャメチャエッセーの後の小説。興味津々で借りてきました。

う~ん。
面白いんだけれど、漫画みたい。
人物設定も物語も、かる~い漫画を読んでいるようでした。もしくは、大人版「コバルト文庫」?
直木賞作家ということで、違うイメージを抱いていたので、ちょっと驚きです。
でも、面白いことは、面白かった。
次のページが読みたくて、やめられなかった位だもの。
テレビドラマを見ているような、スピード感もありました。

それにしても、三浦しをんさん。小川洋子さんのエッセイを読んだ後、あまりに普通の人で驚いたのとは、逆バージョンです。
エッセイでは、どう考えても普通じゃない(笑)しをんさん。
小説の方は、意外にも、「普通に」楽しかった。変な誉め方


『クローディアの秘密』

2007-06-19 11:57:09 | わたしの読書

『クローディアの秘密』 E.L.カニグズバーグ(著), 松永 ふみ子 (訳)

『ロールパン(ベーグル)チームの作戦』に続いて、『クローディアの秘密』を読みました。
カニグズバーグのすっきりとした文章は、読みやすく、軽快で、読み手を飽きさせることがありません。
ハラハラドキドキ
児童文学と侮ることなかれ。私など、結末が知りたくて知りたくて、いてもたってもいられなくなり・・・いつもの、ちょっとだけ最後・・・をやってしまいました。
どうして、我慢できないんだろうなあ。私ったら、もう

さてさて、どんな物語かというと・・・・
11歳のクローディアは、優等生の自分にも、両親の自分に対する態度にも、もう飽き飽きしていました。そして、家出をすることを計画するのです。相棒は、ケチでお小遣いを貯めることが大好きで、ちょっとユーモアのセンスもある弟、ジェイミー。
お風呂にも入りたいし、下着は毎日取り替えたいし・・・だから、森の中になんて家出するのは、絶対に無理。そこで、家出先に選んだ場所は、「メトロポリタン美術館」!!!
最初は、隠れるスリルを楽しんでいたクローディア。ところが、その興味は、いつしか、美術館が新たに入手した「天使の像」に傾いていきます。
果たして、「天使の像」の作者は、ミケランジェロの真作なのか?その謎を解くことで、クローディアは、違った自分に変われるのではないか?と考え始めます。
果たして、「天使の像」は、ミケランジェロのものなのか?クローディアは、自分自身を変えることができるのか?

子どもなら、誰でも憧れる?であろう家出。
クローディアも言っていますが、計画を立てる所までが、一番、面白いのですよね。
小学生の時に立てた、自分の「家出」計画を思い出して、本を読んだ後、しばし、思い出に浸ってしまいました。

もちろん、海と山しかない田舎に住んでいたので、港のそばにある洞穴(防空壕?)に隠れること位しか考え付かなかったのですが、一度、下見をしに行ったら、ものすごく怖くて、とんで帰ってきてしまったという情けないオチ。
もう1つ、家の天井裏(と言っても、今にもツブレソウな古い家だったので、ロフトなんていう素敵なものではありません)に、ずっと隠れて「心配させてやろう」と企んだこともありました。
おやつを持って、埃だらけの屋根裏の梁の上に座って、みんなが騒ぎ出すのを待っていたのですが、結局、夕方になる前に怒りが収まってしまい・・・未遂。

唯一、実行したのが、来るべきその時に備えて(いつ、決定的瞬間が訪れるか、判りませんから)「食べ物を確保」するということでした。
クローディアは、こそこそ食べ物を調達しておくなんて、そんな野暮なことはせず、お金持ちの弟を選んで連れていったのですから、なんて、賢いんでしょう。私ときたら、ビニール袋にお菓子を入れて、裏庭に穴を掘って隠すという、なんとも、浅はかな計画。
実際に、穴に埋めたところまでは記憶に残っているのですが(お菓子が、土の下に隠れていく映像が、しっかり頭に焼き付いているのです)、あの後、途中でやめたのか?そのままにしておいたのか?掘り返して食べたのか?覚えてないのです。
どうしたんだっけなあ。やはり、計画までで、胸が一杯ということなんでしょうか。

さあ。こんなことを考えていたら、気になって仕方がない。
「息子は、家出を計画したことがあるのか?」
知りたいなあ。教えてほしいなあ。
毎日、寝る寸前まで身体動かしていて、のび太君も顔負けの早さで寝てしまう息子だから、そんなことを計画する時間など無いだろうなあ。いや・・・まさに今、家出計画の真っ最中だったりして
あと10年位したら、教えてくれるかもしれない。楽しみだなあ~。10年後


『がんばれヘンリーくん』

2007-06-17 16:13:13 | 息子と読んだ本のこと・児童書

『がんばれヘンリーくん』 クリアリー作・松岡享子訳・ダーリング絵

元気な男の子ヘンリーと、その相棒(犬)アバラーの巻き起こす物語。大事件が起きる訳でもなく、ワクワクの冒険がある訳でもない。もしかしたら、次の日、自分の身に起こるかもしれない物語ばかりなのだけれど、それがまた、面白いのです。
相棒・アバラーとの出会いから始まり、ペットショップで安いグッピーを見つけて育てたのは良いけれど、どんどん増えて困り果ててしまったり、お小遣いを手にいれるために、隣のおじさんの魚釣りの餌にする「ミミズ」を集めたりと、生き物に関係する物語が多かったのも、動物が大好きな息子くんのお気に召したようでした。

ただ、学校劇の主人公に抜擢されたヘンリーが、役から降板できるように、色々と策略を練る物語だけは、別。というのも、ヘンリーが主人公に抜擢された理由というのが、(主人公が小さな男の子なので)「ヘンリーがチビでぴったり」というものだったのです。
先生が「あなたが、一番(背が)小さいんだから」というようなことを言うと、息子の怒りは最高潮に達してしまったようで、とうとう、悔し涙が・・・
そして、読み終わったとき、目に一杯涙をためながら、一言。
「こんな先生、ぶっ殺す!」
・・・・・・・・・。息子の激しさに、一瞬、たじろいでしまいました。

朝から晩まで、友だちと転げまわる毎日で、随分、たくましく成長した息子。おまけに、5年生にもなると、さすがに、そんなことでからかわれたり、喧嘩したりすることもなくなったのですが・・・。
1年生の時、チビとからかわれた事が、トラウマになっているのでしょうか。。。
子どもの心って、本当に、ガラス細工のようなのだなあと、つくづく思った夜なのでした。

でも、そんなのは、一話だけ。
あとは、本当に愉快で楽しくて、一冊読み終わった瞬間、このシリーズを全部読もうと決めた親子です。
ちなみに、息子の一番のお気に入りは、「ミミズをつかまえる章」。
是非、自分もヘンリーのやり方を試してみたいと、言う始末です。やだな~
そして、そんな会話をした翌日、遊びにきてくれた同僚の子どもが持ってきたのは・・・
なんと、「ミミズ・グミ」!

 グミだと判っているのに、何故か指でつまんじゃう!

袋には、ご丁寧に、帽子をかぶったミミズくんが描いてあります。そして、グミには、形だけでなく、しっかり横線もついていて・・・うっぷ。
気持ち悪がる大人が面白くて、4歳の男の子は、代興奮でした。
しかし、どうして、グミのモデルとして、ミミズが選ばれたのだろう?
やはり、食べたらグミの食感がする生き物№1だったのだろうか?ううう。想像したら、ますます気持ちが悪くなりました
外国のお菓子って、本当に、発想が自由というか・・・。

でも、ミミズって、意外に、全国の子どもたちに共通した、身近な生き物?


『海』

2007-06-15 10:07:42 | わたしの読書
『海』 小川洋子

これぞ、小川洋子という短編集でした。
不思議で、ゾワゾワする恐ろしさがあって、それなのに、すぐ隣で起こっていそうな物語。『ミーナの行進』は、今のところ、小川さんの作品で一番好きだけれど、やっぱり、彼女の短編集には、長編とは違う魅力があるなあ。
特に、彼女独特のラストは、どの作品においても、最高のインパクトです。ラストを読み終わったときに生まれる、なんとも言えない空虚感。これに、いつも参ってしまう。まるで、麻薬のようです。

『アンネの日記』にまつわるエッセイを読んだとき、小川洋子という人は、なんて、普通の女性なんだろうと、拍子抜けしてしまったのを覚えています。
でも、普通の女性だからこそ、こういう、不思議空間を作ることが出きるのかもしれないなあ。
耳をすませて、目をこらして・・・当たり前の風景を愛おしく感じることが出きる人だからこそ、日常に潜む不思議や愛や悪を、こんなにもリアルに描けるんじゃないかなあ。

基本的に、外国文学を除き、自分より年下の作家と女流作家は読まない人でしたが、それを見事に打ち破ってくれたのが、小川洋子さん。それどころか、いつの間にか、ファンになっています(笑)
さあ、次は、何を読もう。

この短編集の中の一番のお気に入りは、『ガイド』でした。

3ヶ月♪

2007-06-12 15:52:40 | 赤ちゃん日記~娘さん日記
今日で、娘は3ヶ月。「そうかあ。まだ3ヶ月かあ。」というのが、今朝の、私の感想でした。
なんだか、ずっと前から、こうやって一緒にいる気がしてしまって、生まれてきてから、3ヶ月とは思えない。何だか、変な気持ちです。
そうしたら、旦那が「そりゃあ、オマエは、お腹のときから一緒だからなー」って。
そうかあ!たまには、良いこと言うじゃない♪

2ヶ月になったばかりの頃は、まだまだ、睡眠のパターンが落ち着かず、夜中の12時をまわってしまうことが多かったのですが、この一週間ぐらい、「21時から22時の間に就寝」というパターンが出来てきました。
おまけに、3~4時間ごとのオッパイ以外には起きないので、私の寝不足も解消
寝る前に大暴れした日など、5時間以上も寝てしまったこともあった程です(このときは、私も疲れて寝すごしてしまい、オッパイが痛くて飛び起きたのでした)。
昼間は、相変わらず、2時間おき位にオッパイ・オッパイですが、やはり、夜中が安定すると、大変さが違ってきます。
おかげで、夕飯のメニューが、一品多くなりました(一緒に昼寝しなくても平気だからね)
久しぶりに、編み物をする余裕も出てきました(ただ今、帽子を編んでおります)

寝る前の数時間は、相変わらず大騒ぎですが、これは、どの位で落ち着くのかしら。楽しみです。

 ご機嫌なときのおしゃべりが、止まりません
「お~。お~。うきゃ!」・・・・・なんていってるのかなあ。
 相変わらず読んでいるのは、『こいぬのくんくん』。
最近は、絵よりも私の声が楽しい様子。「・・・・・そのほかは、なんにも」という所が、お気に入りです。そこを読むたびに、にこにこ笑ってくれるので、嬉しくなっちゃう。繰り返しのリズムは、赤ちゃんにも心地良いのですねえ。
天井を見ているのが大好きな、最近の娘ちゃんですが、この言葉を唱えると、私の顔に戻ってきてくれます
 最近、『がたん ごとん がたん ごとん』(安西水丸)も読んでいます。
「のせてくださーい」がお気に入り。やっぱり、にこにこ笑ってくれて、嬉しくなっちゃうのです。言葉の持つ魅力って、たんに意味だけじゃないんですねえ。言葉の持つリズム。日本語の新たな魅力発見!
 お兄ちゃんのおさがり・くるくる回るメリーを出しました。
とっても気に入った様子。夕飯の支度や、お兄ちゃんとのやりとりの時は、これで遊んでいてくれることも多いのです。たまに、見上げたまま寝てしまうことも。。。娘の重さに、左腕が上がらなくなってきた今日この頃。メリーさまさまです。
 オムツがえが大好き。オムツをあけると、足を高くあげてお手伝い!?
あんまりニコニコなので、しばらく開けておいてあげます。この時、自作の「おしりの歌」をうたってあげると、ますますニコニコ。息子は、「たんに、オムツしてないから嬉しいんだ」と言いますが、違う、違う!私の作詞作曲の歌が良いのです
一ヶ月、即興で歌っていた歌ですが、やっと、音階が安定してきました。完成です。(なぜか短調)
 わらべうたのお気に入りも、やっぱり「一里、二里、三里、しり!」。
 オムツがえの時以外でも、お尻をあげて、足をあげて・・・足をなめる日も近いかな(上の二人は、足の指しゃぶりの名人だったのです)
その様子を見ると、息子は、必ず横に寝転がって「もっと、もっとだよ!こうやらなくちゃ駄目だ!」と、足を頭につけて・・・足の指で床タッチ!何を教えてるんだか・・・。

『いないいないばあ』

2007-06-10 15:09:42 | つぶやき
『いない いない ばあ』 松谷 みよ子(著), 瀬川 康男(著)

昨日は、真ん中の娘の命日。そして、息子の運動会。
いつもなら、仕事も約束も何も入れないで、一日、ぼんやり静かに過ごすと、決めているのですが、そういう訳にもいかず・・・・・・。
朝の5時に起きて、お弁当を作って、息子の出番に合わせて学校に行って応援。途中から雨が降ってきたので、娘を抱えて傘さして・・・最後には、図々しく、テントの下の来賓席で応援でした。
おまけに、真ん中のテントで目立ちすぎたのか、入れ替わり立ち代り、お母さん方が、お祝いの言葉をかけにきてくれ、嬉しく楽しいながらも目が回るような一日。
そんな一日の終わりに、京都に引越していった友人から、真ん中の娘に、大きなアレンジメントの花が届けられ、ようやく、「ああ、今日は、娘の命日だったなあ。」と、しみじみと想うことが、出来ました。

こんな風に忘れていくことが、嬉しいことなのか、悲しいことなのか、私には、わかりません。
先日、奥様とお子さんを殺された遺族の方が、裁判にあたりコメントを出しておられました。
時間がたち、どんな声だっただろう?とか、どんな笑顔だっただろう?とか、はっきり思い出せなくなってしまっている自分がいると。そういうとき、あの犯行現場になったアパートに、思い出しにいくのですと。
正確な言葉は忘れてしまいましたが、そんな意味の言葉でした。

彼の気持ちが痛いほど伝わってきて、新聞を読みながら、オイオイと泣きました。
こうやって、忘れていくことが当たり前だし、そうでなくてはいけないのだけれど、亡くなった人が愛おしければ愛おしいだけ、そういう自分が憎くて仕方がなくなる。
立場は、全く違うけれど、きっと、あの残された旦那さまも、そういう現実を突きつけられているんだろうなあ。
娘の笑顔や、抱っこしたときの柔らかさ。重さ。そんなものが、1つずつ、1つずつ、私の中から消えていってしまう、いや、もう殆ど消えてしまった恐ろしさ、悲しさを感じながら過ごした、彼女の命日の夜。
みなが寝静まってから、真ん中の娘を思い出すための、入り口のような一冊の本を、一人、読みました。

真ん中ちゃんが、1歳になったばかりの頃(1歳の誕生日は、病院で祝ったのです)、「おこりんぼう」とあだ名される位の泣き虫、怒り虫だった娘は、しょっちゅう、看護士さんにおんぶされたり、ベビーカーで病棟を連れて歩かれていました。
その日も、私が病院につくと、ベッドはカラッポ。ナースステーションに迎えに行ったのです。
そこで見たのは、見慣れた一冊の本を抱えたまま寝ている、ベビーカーの中の娘。その、娘が抱えていた本が、『いない いない ばあ』でした。きっと、看護士さんが、仕事の合間に読んでくれたに違いありません。・・・・・それは、衝撃でした。

『いない いない ばあ』。まだ、寝返りも出来ない息子に、何度も読んであげた本。
ああ、どうして私は、娘に、絵本を読んであげなかったんだろう?
毎日のように繰り返される注射や点滴。痛みを代わってあげられないかわりに、いつも傍にいて、抱っこして「よしよし」してあげたい・・・・・。
悲しみや辛さを共有してあげることで精一杯だった私は、一緒にいる時間を楽しむことまで、気持ちが及ばなかったのです。
次の日。息子に読んであげた絵本の山を、病院へ担いで行きました。

『いない いない ばあ』が教えてくれたのは、どんな辛いときでも、子どもと一緒に楽しむ時間を忘れては、いけないということ。

真ん中ちゃんの遺影を見ていて思い出すのは、いつだって、亡くなったときのことで、どうして、私は、もっと早く気づいてあげられなかったのだろうか?とか、先生に食ってかかってでも、検査を受けさせるべきだったのではないか?とか、そんなことばかり思ってしまう。
けれど、この本を見ると思い出す。亡くなった娘との生活は、辛いこともあったけど、たしかに、楽しいことが一杯あったなあって。
絵本を介して、私たちが寄り添った宝物のような時間たち。

たった2歳の人生が、彼女にとって幸せだったのか、考えても仕方がないことを延々と考えてしまうとき、この絵本が、いつも慰めてくれるのです。好きな本を心に持って、天国へ行けたことは、どれだけ幸せだっただろうって。
だって、娘は、それから絵本が大好きになり、亡くなる前の日も、パパにせがんで、10冊以上の本を読んでもらっていたのですもの。

『いない いない ばあ』。シンプルな展開と、温かく優しい挿絵。
長く読み継がれてきた、赤ちゃんのための、一冊の本。
きっと、これからも、色々なおうちで、『いない いない ばあ』が起こす奇跡が、あるのだろうなって思う。


大きいっ

2007-06-07 12:53:06 | 赤ちゃん日記~娘さん日記
3ヶ月を目前に控えた娘
良く泣く赤ちゃんなので、その度にオッパイをあげていたせいでしょうか?
・・・・・大きいんです
いや、母子手帳を何度も確認しましたが、体重は、平均範囲内の、ちょっと上の方ってだけなんですけどね。でも、とても、スタートが2735グラムだったとは思えない。

オッパイのあげすぎで、流血の惨事になってしまい、通い始めた母乳相談室(マッサージ)なのですが、行くたびに、先生が「で、でかっ!」と驚くので、そうなのかな?やっぱり、そうなのかしら?って、薄々は気づいていました。
そして先日、その相談室で、同じ月例の赤ちゃんと、並んでベッドに横になったのですが、、、、、やっぱり!間違いなく!大きい
そのお母さんは、「体重が伸びないからと通い始めた」と、おっしゃっていたので、さらに差が際立ったのだと思うのだけれど、それにしても、ねえ

そして、昨日・・・
オムツカバーが当たって太ももが赤くなるので、仕方なく、80センチのものを使ってみたところ、ぴったり!!え~!1歳児用だと思ってたのに!
いや、体重は、まだ6キロですよ。なのに、70センチでは、腰まわりが小さくて、マジックテープがギリギリなのです。ということは・・・お尻が大きい?
女の子だからね、仕方ないよね。でもでも、ちょっとだけ、キューティ・ハニーも魅力的だと思ってたんだけど。ちょっとだけね。

最近は、なるべく、オッパイの間隔をあけようと心がけてはいるのですが・・・なかなか、そうもうまくいきません。抱っこで腕が痛くなってくると、ついつい、「ま、いいかっ」の心境になっちゃうのですよ。
(さすが、三日坊主王 意志薄弱

さあて、そんな娘も、もうすぐ3ヶ月。そろそろ、落ち着いてくるといいんだけどなあ

『不思議の国のアリス』

2007-06-04 11:07:54 | 息子と読んだ本のこと・児童書
『不思議の国のアリス』ルイス・キャロル (著), 脇 明子(訳)

汚い言葉遣い。個性豊かな登場人物たち。ナンセンス。
どれをとっても、息子の期待を裏切らないアリスなのでした。
ただ、やはり言葉遊びはストレスだったらしく、「どういうこと?」「どういう意味?」と繰り返すこと多々あり。仕方ないね。母にだって難しいもの。
「英語を勉強して、いつか、一緒に読んでみようよ!」
そんな約束だけしました。
英語の習得・・・。母が、途中で脱落したらごめんなさいね、息子くん。

それから、詩の暗唱も、元の詩を知っていたかったなあ。
なにしろ、元の詩を知らないので(たぶん、有名な詩なんでしょうね)、その変え歌(詩)だけ読んでも、作者の意図する面白さは、ちっとも理解できず。
ただ、息子は、そのメチャクチャ加減が面白かったらしく、何故か、詩の暗唱の場面で、良く笑っておりました。
さすが、子どもだねー。やっぱりこれは、子どものうちに一回読んでおくべき本かもしれません。

そうそう、息子をがっかりさせた場面が、1つだけありました
それは、最後の最後のオチ。
大人なら誰でも知っていると思いますが、この物語は、アリスの夢の中のお話なのです。でも、息子は、全く違う結末を期待していたのでしょう。最後の最後に、それが明かされた瞬間!!
ああ、息子の落胆ぶりったら、ありませんでした。
「なんだよー!!」
そう言って、ソファーにドカッと寄りかかった息子。それから先は、ちっとも聞いていない様子でした。

だってさあ、ここまでメチャクチャの国なんだよ?「夢でした」になるしか、ないじゃないのー。
大人の私には、それは、当然の結末なのですが、息子は、ちっとも納得いかず。
くすくすくす。これはこれで、とっておきのナンセンスだったということでしょうか

昨日の晩から、ベバリィ・クリアリーの『がんばれヘンリーくん』を読みはじめました。
等身大の男の子のお話。とても楽しんでおります。ただし、またまた「犬が飼いたい」病が、はじまる予感。もう少しだけ・・・赤ちゃんが、もう少し大きくなるまで、待っててねー。

ミルリトン探偵局

2007-06-02 20:21:04 | わたしの読書
『夜に猫が身をひそめるところ Think―ミルリトン探偵局シリーズ〈1〉』
『世界でいちばん幸せな屋上 Bolero―ミルリトン探偵局シリーズ〈2〉』

吉田 音

様々な品物を持ち帰ってくる、Think という名の黒猫。あるときは、16個のボタン、あるときは、映画の広告、そして、あるときは、チョコレートの包み紙だったりする。音は、それらを元に、Thinkが、それらの品物をどこから持ってきたのかを推理する「ミルリトン探偵団」を結成するのでした。
これは、ミルリトン探偵団の推理と、その品物の持ち主たちの物語です。

シンクが持ってくる品物以外にも、いくつもの小さなキーワードが、別々の物語にちりばめられて、それぞれは全く違う物語なのに、実は、大きな1つの物語になっているという、不思議な本。
それらのキーワードがツナガル度に、胸がキュンとして、なんだか、温かい気持ちになります。ああ、人は、知らない誰かと、知らず知らずのうちに、ツナガッテルものなんだなあ。なんて素敵なんだろう。
この本は、そんな黒猫の魔法にかかったような本なのですが、なんと驚いたことに、読者である私にも、素敵な魔法をかけてくれました。

まず、第一の魔法は、この吉田音が暮らしている場所・豪徳寺。
豪徳寺は、まだ娘がお腹にいるときに行った、絵本屋さん・ことり文庫さんのお隣の駅なんです!
最初から、この本に夢中になってしまったのは、まずは、この魔法からでした。
豪徳寺は、猫にまつわるお寺なのだそうで、猫観音を祭る招き猫殿があるらしいのです。珍しいですよね。いつか、行ってみたいと思っていた場所だったのです。
ああ、私も、ツナガッテル!

そして、最後の最後に、もう1つのサプライズ。物語を結ぶキーワードの1つが、『鏡の中のアリス』だったのです!!
この本を妹から借りたのは、実は、もう3ヶ月も前。あの時、読み始めていたら、このサプライズには出会えなかったはず。(アリスを再読したのは、ごく最近ですから)
今、読むように、きっと、魔法がかけられていたに違いないのです!

大人になっても、こんな魔法をかけてもらえるのだから、やっぱり、読書はやめられない。そんなことを思った、今回の読書なのでした。
ああ、早く、第3弾が出ないかなあ~。

『夜に猫が身をひそめるところ』では、『ホルン奏者』。『世界でいちばん幸せな屋上』では、『世界でいちばん幸せな屋上』と『ボレロ』が、お気に入り。どの物語の登場人物も、ちょっぴり孤独を抱えていて、でも、どの人も幸せだっていうのが、とてもいい。

息子くんとのアリスは、残すところ、あと一章。裁判もクライマックスを迎えました。