ファンタジアランドのアイデア

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美を求める努力が評価される社会  アイデア広場 その317 

2018-01-04 17:10:23 | 日記


 個人の美を追究する姿勢が、評価される時代になっています。美をつくり出す努力を評価し合う社会は、自由や公平を尊重する土壌ができています。そのような土壌が、新しい文化をつくり出す社会として人々は集まる地域になるかもしれません。誰もが認める「美」としては、昔から黄金比があります。世界の文化遺産にも、この黄金比が数多く見られます。エジプトのピラミッドやギリシャのパルテノン神殿は、その代表でしょう。でも、その美は時代によって少しずつ変化しています。例えば、美人の尺度が変わります。時代を代表する美人は、確かに美しい姿をしています。でも、同じ美人はいないようです。変わりゆく美には、科学技術が関与している面もあるようです。
 そこで、美しさについて、メスを入れてみました。スッピンで出歩く人は、少なくなっています。行き届いたメークが、美しいという評価を得るようです。究極のメークは、芸能人の楽屋で作られるといわれてます。この楽屋の鏡は、上だけではなく、横や下にも照明がついています。芸能人の楽屋の鏡は、光で顔の影を消し、美しいメークを作り出すのです。もう一つ、光の魔術があります。シャネルの鏡は、スイッチ一つで5種類の光を再現します。メーク係が鏡を見ながら「これが曇りの日の顔」とか「これは蛍光灯の下の顔」と説明します。説明に従って、最も美しく見えるメークをアドバイスしていくのです。
 日本人の肌は、赤みを帯びた光を加えることで健康的で優しい印象を与えます。逆にイエローベースの肌に青系統の光を加えると、顔色が悪く見えてしまい良い印象を与えないようです。赤い光を反射する特徴は、小じわや毛穴、そしてシミが目立たなくします。この特徴を利用したファンデーションを作った化粧品メーカーもありました。光が肌に当たった時に、赤い光を強く反射する粉を使うのです。実は、光が高度な芸術を作り上げてきたことが知られています。日本の能は、世阿弥の時代からあらゆる階層の人々に親しまれてきました。ここで使われる能面は、無表情です。笑っているのか、悲しいのかわかりにくいものです。この能面が顔を上に向けて、光を顔全体に受けると、笑った顔になるです。反対に、下を向いて目や顎の下に影を作ると、怒った顔や悲しい顔になります。光と影の演技をする中で、能は様々な表現を可能にしているわけです。メークもこの技法を使い、「美」を提供してきたのです。
 でも、近年は小じわやシミは隠さずに、なくせばよいという傾向が主流です。小じわを改善するクリームを開発し、販売を始めています。成長ホルモンの低下で、肌の弾力がなくなり、小じわができやすくなります。このホルモンの分泌は、10代がピークです。その後は、急速に減少します。30歳以降は、10歳ごとに25%以上低下するといわれています。エイジングは、自然の流れです。これを、逆行させるクリームの出現です。でも。できることは、アンチエイジングを緩やかにすることになるでしょう。人生50年が、人生が100年になってきました。節制しながら自然の流れを全うすれば、100年にわたる「美」を楽しむことも可能でしょう。加齢の自然な流れを助ける化粧品も進化を続けることになります。