ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

日本と架け橋になるケニアの選手 スモールアイデア NO47

2018-02-28 18:49:31 | 日記

 長距離王国のケニアの選手には、留学や就職、大会出場などの熱い視線が注がれています。陸上競技における長距離の記録は、ケニアの選手が独壇場の位置を占めます。ベスト20までの中に、5000mが9人、10000mでは11人、マラソンが14人と占めているのです。日本においては、駅伝やマラソンの視聴率が高く、メディアが大々的に報道します。ケニアの選手の獲得は、国際的関心事になっているわけです。
 そこで、ケニアの選手を受け入れて成功している国を調べてみました。自由の国アメリカにも、多くの選手が留学しています。でも、日本と違って、成功した選手はいないようです。アメリカの大学では、学業と競技の両立を求められます。成績が低い場合、クラブ活動は停止されます。アメリカでは企業に就職したとしても、純粋にアマチュア選手としての活動が求められます。会社でフルタイムで働き、就業後にトレーニングをすることになります。実力主義のアメリカという風土の中では、努力や精神力だけで国際的選手になることが困難なのです。
 日本は、比較的受け入れを上手に行った国でしょう。長距離の強豪校においての活躍が、まずあります。実業団などでも即戦力として活躍しています。ペースメーカーとしての活動も、評価されるところです。でも、彼らに対して、もう少し長いスパンの活躍の場を用意することを考えたいものです。選手生活を辞めたときに、長期にわたってセカンドライフが補償されるような職業訓練を用意しておくのです。日本語の習熟ができれば、ケニアに進出する企業からの誘いがあります。むしろ、ケニアに進出する企業が、組織的にケニアの無名の選手を集めて実業団の長距離部を作ってはどうでしょうか。お金をかけずに、選手の育成と企業に有益な人材の育成を兼ねる仕組みを作れれば面白いですね。ケニアと日本の架け橋になる人材を、企業が独自に作っていくのです。
 

日本の大学と企業、そしてケニアの三方良し  アイデア広場 NO354

2018-02-28 18:40:35 | 日記

 アフリカの農業ビジネスには、世界の企業が相次いで参入しています。農業問題は、世界の食糧問題として議論されているところです。日本は、2016年の第6回アフリカ開発会議で、5万人への職業訓練や3兆円の投資を約束しています。豊田通商は、2016年8月にケニア西部の工場で肥料の生産を始めました。ケニアの需要は60万トンです。この工場はその4分の1の15万トンを生産し、ケニア最大の規模になっています。肥料は、トウモロコシや米向けのものを作っています。いずれ、隣国のタンザニアやウガンダへの輸出も視野に入れているのです。肥料の使い方には、指導が必要になります。ケニアの農民は、肥料や農業機械の知識が不足しています。最初は邦人が主となって、生産の向上や肥料の効果的施肥の仕方などのサービスを行うことになるでしょう。でも、徐々に現地の人達に任せていくことになります。
 そこで、ケニア農業の効率を上げ、ケニア農民の所得を向上させる仕組みを考えてみました。ケニアの農業生産は、効率が悪いのです。多くの農民が貧困層に入っていて、肥料や農機の使い方に習熟していないことがネックになっています。昔ながらの広い土地があれば、生産が上がるという方式です。でも、人口が増え、農地は細分化されされつつあります。狭い農地で、生産を上げなければならない状況にあります。日本の農業技術には、これらに適応できる汎用性があります。ケニアの風土にあった農業を展開するすることに、大きく貢献する技術の裏付けを持っているのです。ケニアの農民も、肥料や農機、そして加工用野菜などに関心を持つようになってきました。ケニアは、バラの世界的輸出国です。そのビジネスを見て、農業が利益を出す産業だとと実感できるようになってきたようです。あとは、自分たちで作って、売って、利益を出せば良いということに気がつきました。でも、良い作物ができないのです。
 先進国の農業技術を導入すれば、良い作物はできます。先進国も、ケニアに技術を導入したいのです。でも、技術を受け止めて、それを活用できる人材が少ないことがネックになっています。ケニアの進出企業では、世界中で活躍しているケニアの長距離選手に関心が集まっています。いつまでも、選手生活ができるわけではありません。自国の言葉と第二外国語が話せれば、橋渡しができる人材になります。同じケニア人がケニア人に教えれば、スムーズに技術の伝達が可能になります。ケニア進出を計画してる日本の企業に限れば、日本語のできるケニア人は雇用の対象になります。現地の事情に詳しい、日本の企業の意図を理解しているケニア人は引っ張りだこになります。
 最後の提案になります。日本に留学する高校生や大学生に、初期から日本企業の意図を理解させるコースを組み込んでおくのです。コースを理解し、コースに含まれる課題を解決するように、学習計画を組み立てて、彼らに学習をしてもらうわけです。3年とか4年の学生生活を終了したときには、その意図や課題を解決できる能力が身に付いているようになっていることが理想です。もちろん、そのコースには、企業が補助金や支援金を援助することになります。大学の経営は、今後苦しくなります。大学も、お金を集めなければなりません。そんな側面の援助を企業と留学生が果たしていくことになります。もっとも、経営感覚の優れた学長ならば、ケニアに農場を立ち上げてしまうでしょう。その近代的農場をケニアの留学生が、運営するシステムを作るのです。人材さえいれば、農業は成功します。その配当を大学が受け取り、大学の経営を健全化していく仕組みも面白いかもしれません。
 
 

常に行われている防諜活動 アイデア広場 その353 

2018-02-27 16:51:49 | 日記
 最近、中国が外国のNGO団体の情報統制など行う事例が増えてきました。でも、他国に対する干渉は、中国だけがやってきたことではありません。アメリカが、同盟国の情報も盗み取っていたことも、スノーデン報告により明らかになっています。今回のアメリカの大統領選挙でも、ロシアはヒラリーに都合の悪い情報を流しています。アメリカも中国もロシアも、自国に有利になる情報合戦を常に行っているのです。自国に有利に働く要人を味方につける工作が、行われていることも常識になっています。反対に、自国に都合の悪い要人の情報を握る活動は、どこの国でもやっていることなのです。民度の高い国民は、このような事情を受け入れた上で、相手が行動しにくい仕組みを国内外に築いているようです。
 そこで、国民の民度を上げる方法を考えてみました。『保全経済会疑獄』は、1954年に起きました。一種の詐欺事件で、政財界に多くの関係者を抱えた疑獄事件でした。アメリカ国務省は、『保全経済会疑獄』のリストを持っていました。この事件は、所得倍増で国民を豊かにした池田首相やノーベル平和賞もらった佐藤首相の政治生命に関わるものだったのです。保全経済会疑獄のリストの情報を流せば、池田も佐藤も政界から失脚したことでしょう。そうなれば、所得倍増も高度成長もなかったかもしれません。保守安定政権を求める国務省は、保全経済会疑獄リストの情報を公にはしませんでした。結果として、12年間にも及ぶ池田と佐藤の長期的親米政権と蜜月関係を築きあげたのです。一方、アメリカにに無断で中国と国交を結んだ田中首相にはロッキードに関する不利な情報を流しました。結果として、より親米的政権の樹立を支援支援していくことになります。
 中国からの日本に対する標的攻撃が、2015年ごろから目立つようになってきました。過去3年間で中国には、72のサイバー攻撃グループが確認されています。72のサイバー攻撃グループのうち13のグループは、人民解放軍の支援を受けているといわれています。中国の国家関与が疑われる攻撃は、防衛産業やハイテク産業を狙うことが多いのです。さらに、このサイバー攻撃は、他国の要人への脅しや味方に引き入れるためにも行われているともいわれています。中国は、アメリカの軍事施設や国防省に悪質なサイバー攻撃を仕掛けていました。アメリカも、あらゆる国の軍事施設にサイバー攻撃をしていることが分かっています。2015年に米中の首脳会談が開かれ、知的財産の機密の窃取に関する合意が得られたようです。この合意後、中国の標的攻撃の対象が、アメリカから日本などの周辺国に移ってきたのです。この頃から、日米同盟は本当に抑止力があるのかどうかとか、アメリカが日本を守る意志があるのかなどの意見が出始めるようになってきました。日本政府は、より強固な日米同盟の作戦が可能な体制を整える法案を出し始めてたのもこの頃かもしれません。
 中国には、文化大革命という不幸な事件がありました。この文化大革命は、権力闘争だったことが明らかでした。でも、日本の特派員達の多くは、当時、この事件を文化の大改革と報じていました。慧眼の記者が権力闘争と本社に記事を送っても、編集主幹に握り潰されてたことが分かってきました。中国もアメリカと同じように、日本のメディアに優遇処置を与えてい部分があるのです。自国の政策を良い意味で報道してくれるメディアを、優遇していたわけです。そして、中国の優遇処置に応える日本のメディアも存在していたのです。
 現在、中国では外国NGOの約1000団体に、活動を縮小させる法規制を行うとされています。これには、中国の苦い事件が関係しています。1989年に起きた天安門事件は、中国にとって非常に苦い体験でした。この事件は、民主主義に目覚めた若者が弾圧された事件です。天安門事件では、外国の情報機関からNGOを通して学生達に多額の資金が流れていました。共産党の政策に反対するスローガンが、掲げられたわけです。中国は、欧米の価値観が国内世論に浸透することを警戒するようになりました。日本でも、1960年に岸内閣が退陣に追い込まれる安保闘争がありました。その時には、左翼にはソ連や中国から資金が流れています。当然、アメリカからは右翼や保守陣営に多くの資金が流れました。中国は、外国の情報機関からNGOに流れる流れを阻止するために防諜活動を行っているのでしょう。防諜活動と合わせて、国内の引き締めを図っているともいえます。自国が強くなり、他国が弱くなることが、どの国も求める世界の常識のようです。でも、これからは自国も豊かになり、他国の人も豊かで幸せになる仕組みができてほしいものです。


 

漁業優良国ノルウェーの優位性  スモールアイデア NO46

2018-02-27 16:48:03 | 日記

 居酒屋のサバは大きくて、美味しいので定評があります。日本の居酒屋で出されるサバは、ほとんどがノルウェー産です。この国では、一定の大きさに育ったサバだけを漁獲するのです。大きさの揃ったサバを、日本の量販店に輸出しています。安定した漁獲量と品質が評価され、20%以上の市場シェアを上げるまでになっています。
 そこで、なぜノルウェーが魚類を安定的に輸出できる国になったのかを調べてみました。欧米では、タラやニシンが激減した時期がありました。この激減や絶滅状態を何度か繰り返してきたのです。欧米の各国は、厳しい漁獲管理を行って、現在の豊かな漁場を回復してきたという歴史があります。ノルウェーでも、タラやニシンが激減したときに、漁獲規制を真剣に行いました。漁獲高の規制はもちろん、網の目の規制により稚魚を取れないようにしたり、漁船を減らし大型化を進めました。大型化は、海上において魚を加工する工場を船内に設置することを可能にしました。効率の良い捕獲と処理、そして販売を可能にしていったのです。欧米は、多くの国が漁業規制を行いながら資源を回復してきています。ある面で、日本やアジア諸国よりも厳しい漁獲管理の精神を持っているともいえます。
 効率的に魚を獲る方法があります。魚の成長は、若い頃には速いのです。ある程度成長すると、その後はどんどん遅くなります。成長して卵や精子を生産するようになると、成長よりも繁殖に多くのエネルギーを使うようになります。繁殖する能力を持つ直前の成長した魚を、捕獲する漁業をすれば良いわけです。欧米の漁業管理は、魚を成長するまで待つことだったということもできます。日本やアジアの国々が獲る魚のサイズは、一般に小さいといわれています。漁獲圧が高くなると、魚群全体のサイズが小さくなるのです。激減や絶滅状態を経験してきた欧米は、魚群のサイズ縮小に敏感です。現在、漁獲管理は科学的調査を踏まえて行われています。でも、この調査は仮説の積み重ねや多くの前提を考慮に入れた推定のデータなのです。海に生息する野生動物を全量全数把握する技術を、まだ人類は持っていません。それ故、自分たちに都合の良い漁業資源論が横行することになります。でも、正しい漁業は、魚類を安定的捕獲し、成長した魚を人々に提供することによってを証明されていきます。日本も、成長した魚を捕獲し、食べる習慣を築いていきたいものです。

フォルクスワーゲンの強さ スモールアイデア NO45

2018-02-25 09:07:45 | 日記

 フォルクスワーゲンの排ガス不正事件は、排ガス対策の技術力の低下を浮き彫りにさせました。この事件の特徴は、技術力の未熟さを不正でカバーしようとした点です。この会社は得意なディーゼルエンジンから、電気自動車の生産に大きく舵を切るようです。不正が明らかになっても、フォルクスワーゲンは、中国でシェアを確実に拡大しています。
 そこで、この会社の強さについて考えてみました。フォルクスワーゲンの幹部は、車の部品をほとんど中国国内で調達できると言います。部品の標準化や規格認証に適したものを供給できる体制ができていると言っているわけです。中国に取っては、嬉しい言葉です。3万点に及ぶ部品が、国内生産ができるとことは、自前で車の生産が可能になることです。その力を中国も付けてきたということでしょうか。
 ボルトやナットなどの部品も、オープン化し、標準化されつつあります。中国おいて全ての部品が調達できるといったのは、このオープン化されたものを指しています。一方、フォルクスワーゲンの高級車に使われる高級ボルトとナットは、ドイツから直接輸入しています。エンジンの内部に使われる特殊設計による高級ボルトは、中国では生産できていないのです。オープン化した標準ボルトとオープン化しないクローズ化した特殊ボルトがあるということです。オープン化した部品は、進化を続けます。でも、それを上回る性能の良いクローズ化された部品が、車の中枢に存在しているのです。規格認証や標準化のかけ声の隠れた部分に、真実があるわけです。フォルクスワーゲンやEUのスマートな仕草に対する「やっかみ」を、述べてみました。

余暇を重視した会社のモデル スモールアイデア NO44

2018-02-25 09:03:04 | 日記

 日本の正社員は、年間2000時間働いて、夏休みは1週間ほどしか取れません。欧米では、1600時間働いて、1ヶ月のバカンスが取れるのです。働く人は少なくとも、日本と同じ給料をもらっています。日本人妻を持つドイツ人は、夏は1ヶ月間を日本の実家で過ごすそうです。欧米と働く時間があまりにも違うために、余暇から仕事を見直す会社も出てきました。
 そこで、余暇を楽しみながら本業と副業を両立させる事例を見てみました。日本は、人口が減少期に入っています。人口が減れば、消費も減りますから仕事も減ります。ある会社は、市場の縮小を説明し、ワークシェアリングを提案しています。仕事を分けますので、給料は半分になりました。仕事が減ったので、週休3.5日制の勤務体系を導入したのです。労働時間は減らしましたが、時間当たりの生産性は向上しています。給料は半分になったのですが、増えた余暇時間に行う副業で、生活は豊かになったそうです。
 副業には、農業をまず行いました。離農した人達の農地を借り受けて、社員のために農業技術習得の研修会を行ったのです。会社が、米作りや野菜作りの無料講座を社内で開催したわけです。社員の生産した米や野菜は、会社が購入します。購入した米や野菜は、社員に低価格で提供するのです。社員は安心安全な自給米を食べながら、食の心配をせずに会社と副業に従事する仕組みを作ったわけです。
 農業以外の資格を取る社員もいます。庭の剪定資格を取った社員は、10人程度の固定客を確保し、四季に応じて庭の剪定を副業としています。この社員はIT技術をある程度できるために、この固定客のパソコンの困りこと相談に乗っています。顧客のパソコンの維持管理する仕事も、受け持つようになりました。高齢者は、IT機器の対応が未熟で、ちょっとした不具合でパソコンを使った趣味や仕事ができなくなります。その支援を庭の剪定を兼ねて行うのです。もちろん、社員同士で話が合えば、余暇活動としての長期旅行も可能です。

うつ病にならない知恵  アイデア広場 その352 

2018-02-24 22:22:25 | 日記

 うつ病が、増えています。その原因に、セロトニンの分泌不足が指摘されるようになっています。うつ病のときには、セロトニンが不足しているのです。この物質が不足すると、悲しみや失望が続くようになります。うつ病の時には、前頭葉や記憶中枢の海馬が萎縮するということも報告されています。セロトニンが減少すると、前頭葉の血流が低下するのです。中枢の血液の流れが停滞すると、当然のように頭の働きが低下します。セロトニンが正常に分泌されれば、うつ病になる可能性が低下します。
 そこで、セロトニンが正常に分泌される方法を考えてみました。必須アミノ酸の一つであるトリプトファンは、脳内でセロトニンになります。食事の中で、規則正しくこの必須アミノ酸をとれば、ある程度セロトニンの分泌を確保できるわけです。一般にうつ病は、薬物療法と精神療法の二つがあります。薬により精神を高揚させる療法があります。もう一つは、悲しみや失望感をカウンセリングの手法で軽減する方法です。この二つの療法は、患者の様子で、治療の経過を判断することになります。患者の様子を判断する基準が、外面からだけなので、正確な判定がなかなか難しい面もあります。
 最近、前頭葉や海馬の萎縮の変化をMRIなどで調べる手法が出てきています。脳に流れる血流の量やその流れを見ながら、うつ病の状態を判断するわけです。脳に流れる血流が正常で、前頭葉や海馬に萎縮が見られない場合、薬の投与をする必要はありません。経験と勘だけのうつ病の療法が、MRIを使うことにより客観的な治療になるわけです。過剰投与の問題は、徐々に解決されていくでしょう。
 うつ病の患者に、必要以上の薬の投薬が行われてきました。そこである実験が行われました。うつ病の患者に、薬のグループと運動処方のグループに分けて実験を4ヶ月間行ったのです。この結果は、どちらも同程度の幸福感をもたらしました。幸福度の改善で、運動が抗うつ剤とが同じだけの効果があることが分かったのです。でも、時間が過ぎるにつれて、効果に差が出てきました。抗うつ薬を飲んだグループは、6ヶ月後38%が再びうつ状態に戻っていたのです。運動療法をしたグループは、6ヶ月後の再発率はわずか9%でした。90%以上が、うつの状態から解放されたわけです。うつ病の原因を考えれば、運動は良いことになります。前頭葉の血流が低下することが、うつ病のサインになります。運動をすれば、血流は脳にも体に流れます。身体的な活動は、気分を向上させる効用があるだけでなく、その効果が持続することが分かりました。
 ウオーキング、サイクリング、ジョギングなどのともかく体を動かすことは良い事なのです。余談ですが、MRIで前頭葉や海馬の萎縮を定期的の調べてもらうには、お金がかかります。頭が痛いとか、眩暈がするなどの理由をつけて、治療を受けることも一つの方法です。お金のある方は、脳ドックを定期的に受けることです。蛇足になりますが、笑いはセロトニンの分泌を活発にします。そして、落語や講談の人情話でもらい泣きすることは、笑い以上に多くのセロトニンを分泌するのです。日本の文化には、知らず知らずに私たちの健康を維持したり、高めたりする仕組みが仕込まれていたことに驚いた次第です。



オピオイド依存を軽減する方法  スモールアイデア NO43

2018-02-24 22:13:48 | 日記
 トランプ米大統領は、「オピオイド」の乱用を受けて「公衆衛生の非常事態」を宣言しました。オピオイドは1990年頃、副作用の少ない鎮痛剤として使用許可が出たものです。それ以後、ブッシュ親子、クリントン、オバマ大統領の時代に問題が顕在化してきました。依存症の死亡は、毎日100人を超えるといわれています。さらに、困ったことは、この鎮痛剤を飲むことにより、労働意欲が低下していることなのです。オピオイドの依存症の患者が、働かなくなる悪影響が経済面にも現れ、危機感を強めています。
 そこで、オピオイドなどの依存症を軽減する方法を調べてみました。ランニングハイという現象があります。ランニングをすると爽快になり、次も走って楽しみを得ようするものです。本来は走るという行為は、苦しいものです。ランニングハイの本質は、脳が運動の苦痛を和らげるためにオピオイドを分泌し、その苦痛を和らげようというものなのです。苦痛を和らげる快楽物質が、「オピオイド」です。脳は、苦痛を和らげるためにオピオイドを分泌し、そのとき同時に幸福感や爽快感をもたらしているわけです。ランニングハイを過度に求め、ランニング依存症になる方もいます。彼らは、体調が悪くても毎日毎日憑かれたように走り続けてしまうのです。走るのを休むと麻薬の禁断症状に似た症状が現れ、罪悪感にふさぎ込んだりすることもあります。脳内麻薬というオピオイドに頼りすぎることは、麻薬と同じ危険を招く可能性があるのです。その現象が、アメリカに現れているともいえます。
 ランニングとオピオイド分泌の仕組みは、分かりました。この仕組みを逆手に取り、オピオイドの分泌がしにくい仕組みを探求する科学者が出てきてほしいものです。分泌しにくい仕組みの中に、オピオイドを抑制する物質が見つかるかもしれません。見つかれば、大きな発見になるでしょう。アメリカでは、困ったことが起きています。急に医師からのオピオイド処方が減ったことで、違法なへロイとンなどに走る人たちも増えているのです。アメリカ政府は、依存症治療新薬の承認の迅速化をしなければならない状況に追い込まれています。対症療法的な薬物でも、喜んで受け入れられる緊急の事態なのです。研究の意義は、高いと思われます。
 素人考えでは、いくつかの案が出ます。麻酔下の手術では、侵害情報が大脳に伝わらなければ、痛みは生じません。オピオイドの作用が、大脳に伝わらない物質の開発をしてはどうでしょうか。合成の局所麻酔薬は、軸索の内側からナトリウムチャネルを阻害し痛みをなくす作用があります。ナトリウムチャンネルの中に、オピオイドを抑制する物質を注入してはどうでしょうか。合成の局所麻酔薬は、痛みを発生させる活動電位を一時的に遮断します。オピオイドの活動を遮断する仕組みを作ってはどうでしょうか。これらの実験が、ある面で容易にできる環境が整いつつあるのです。大規模臨床試験の実施という要件の緩和という条件が、薬剤の導入実験を加速化させることを支援しているのです。製薬会社は、より迅速な試験で薬が人体に適切に吸収されることを示せばよいのです。開発リスクのハードルが、限りなく低くなっています。やるなら、今です。

オピオイドの研究をアメリカの施設で行う スモールアイデア NO42

2018-02-23 16:59:55 | 日記

 アメリカでは2000年ごろからオピオイド依存症患者が、中毒によって死者が急増しています。オピオイドは、がんなどの激しい痛みを和らげるために用いられる鎮痛剤です。1990年代に、副作用が少ないとされるオピオイドの新薬が相次いで登場したのです。アメリカでは、オピオイドは幅広い用途に処方されるようになりました。この鎮痛剤は、医師による処方が必要です。日本では、オピオイドの処方は厳しく制限されて安全な状態です。
 そこで、アメリカにおけるオピオイドの非常事態を改善し、日本の医療技術の向上を図る仕組みを考えてみました。オピオイドの消費は、アメリカが突出して多いのです。歯科治療で、30日分の鎮痛剤を処方する医師もいるのです。この鎮痛剤の過剰投与が、死者の急増に繋がっていることが明らかになっています。毎日、およそ100人が死亡しているのです。高校生の乱射事件より被害は、はるかかに多数の死者です。アメリカ政府は、適正処方のが指針をつくり処方抑制を急いでいるところです。
 ロンドンの製薬会社が、オピオイド依存症を緩和する注射薬の承認を得ました。この時の特権が面白いのです。大規模な臨床実験をという要件を緩和しているのです。依存症に効果のある薬剤の開発を加速することに重点がおかれているのです。製薬会社や研究者には、有利な条件です。
 そこで、新な提案の骨子です。日本の研究者を組織して、この種の薬剤を開発するお手伝いをするのです。日本の研究者を20~30人を組織してアメリカに渡ります。アメリカの研究所でも製薬会社でも良いので、そこで研究をします。成果が出ればボーナスをもらい、出なければただ働きになります。この補償は、日本の健康保険組合が行います。オピオイドの核心は、痛み止めです。高齢者の医療での問題は、痛みなのです。日本の整形外科を訪れれば、その患者の多さに圧倒されます。痛みは、人の心を暗くします。もし、日本の医療チームが、副作用のないオピオイドを作ることに貢献できれば、その知見は日本で役立てることができます。アメリカの研究施設を使いながら、このような研究ができれば、研究者冥利に尽きるでしょう。




痛みには個人差がある  スモールアイデア NO41

2018-02-23 16:48:06 | 日記

 小指の骨折でも、個々人によって痛さが違うということが分かってきました。痛みの原因が取り除かれないと、痛みは持続し慢性化するのです。お医者さんが、小指の骨折を上手に治せば、痛みは長続きすることはありません。でも、治療が長引き、小指の痛みが長引くと厄介なことになります。痛みが長引くと、海馬などの大脳辺縁系のさまざまな部位が活性化します。脳は、小指の骨折状況、その時の意識、ケガの治癒への期待など加味した痛さを患者に植え付けていくのです。脳に、痛みが記憶されるわけです。痛みの記憶が強く植え付けられるほど、痛みは弱い刺激でも強く感じるようになるのです。患者の痛みの記憶の複雑さが主観的になると、治療が難しくなります。戦争で、腕をなくした兵士が、戦争が終わっても、なくなった腕が痛む現象があります。痛みが深く植え付けられた悲しい記憶ともいえます。
 そこで、痛みの治療を痛くないようにしてもらう方法を考えてみました。痛みが長引くと大脳辺縁系が活性化され、感覚成分だけでなく、感情成分(脳の記憶)が加わってくることが明らかになってきました。慢性痛では、痛みの原因物質がなくなったにもかかわらず、痛みを発信続ける現象があります。痛みの役割は失われているのです。でも、脳は覚えなくてもよい痛み学習し、脳に記憶されていきます。脳の記憶が、痛みを発信しているわけです。患者が強度な痛みを多く体験している場合、体験の豊富さや複雑さが脳の記憶によっていくつかの疼痛行動パターンを生み出します。不幸な状況です。脳は、慢性痛の患者に、患者自身の痛みの意味付けをして、いろいろな痛みの世界を形成していくのです。
 このようなことが、分かってきたのはfMRIによって、生の脳の動きが捉えることができるようになったからです。前頭葉や大脳辺縁系と脊髄をつなぐ中脳水道周囲灰白質が、痛みの中枢です。中脳水道周囲灰白質が、痛みの中枢ということはfMRIでとらえられるようになりました。このことから、同じ小指の骨折でも、個々人によって感受性の強弱が異なることがわかったわけです。中脳水道周囲灰白質の仕組みが、fMRIでとらえられ、個々人の主観的な痛みと脳の活動状況の関係が明らかになりました。
 一方、主観的痛みも客観痛みも、医学は克服しつつあります。鎮痛剤の出現です。痛みの万能薬をいわれた鎮痛剤は、古代よりアヘンでした。アヘンは、シュメール人により紀元前3300年頃に発見されました。古代ギリシャ、ローマをはじめ地中海沿岸地域でも広く使われていたことが分かっています。現代では、鎮痛剤としてオピオイドが医学の分野ではなくてはならない薬剤になっています。オピオイドは、ケシから採取される成分からつくられています。現在、最も使われている鎮痛剤です。残念ながら、このオピオイドも依存症患者を多数つくり出している現実があります。fMRIの使用と個々人の耐性を考慮しながらの治療方法を開発して欲しいものです。痛みは克服できました。次には、依存症の軽減をターゲットにした薬剤と治療方法になります。