ネット販売に、ダンボールはかかせません。現在、世界でも最もネット販売の先進国は中国ともいわれています。中国では2016年に宅配された小荷物数が、313億個と4年前の6倍に増えていました。この小荷物数は、日本の8倍を超える数なのです。ダンボールがなければ、ネット販売による便利な社会生活の前提が崩れてしまいます。昨年の中国における「独身の日」では、11月11日が近づくにつれて、ダンボールが足りなくなっていました。ここで、ダンボールを大量に保管していた会社は、大きな利益を上げたことでしょう。
そこで、増え続けるネット販売におけるダンボールの効果的使用方法を考えてみました。中国の小荷物は、ここ数年50%の割合で伸びています。ネット販売が急拡大する中国の宅配事業に、ダンボールの供給が追いつかない現状があります。一昨年7月に1トン5万円程度だった原紙の価格が、昨年の9月には8万円超えていました。中国では、この原紙の価格が1年で70%も値上がりしているのです。ダンボールの原紙を確保する動きはますます活発になります。中国のアリババ集団などのネット通販が拡大するにつれて、宅配事業はますます普及します。国有企業以外では、アリババ集団は稼ぎ頭です。宅配などに使われるダンボールの消費は、景気のバロメーターになります。この集団は、健在です。これからもこの事業を拡大していくでしょう。
物の売り買いを敏感に反映する鍵であるダンボ-ルが、不足しているのです。対策を立てなければなりません。日本のあるメーカーが、ダンボールに工夫を加えました。商品棚に、飲料のビンやカンが段ボール箱に入ったまま並べてあるのです。箱のまま商品棚に陳列していても、違和感かないのです。箱をよくみると、見栄えのするデザインが印刷されています。ビンやカンをダンボールから取り出して、並べる必要がありません。並べる作業がなくなったわけです。人手不足という中で、作業効率の改善に寄与する段ボール箱に注目が集まっています。おまけにこのダンボールは、粘着テープやダンボールの端材などのゴミも発生しないように工夫されているのです。出し入れを工夫したダンボールに、改良されているわけです。
そこで、再度ダンボールの利用について考えてみました。ダンボールが不足しているならば、ダンボールを使わない方法を考えれば良いことになります。その一つに、宅配ボックスがあります。個人用の宅配ボックスを増やして、ダンボールの使用を抑える案が出てきます。次は、丈夫なダンボールを開発して、何度も使い回すことです。ダンボールの箱を返せば、50円キャッシュバックになり、配達の運転手も50円を得るような仕組みです。地球の森林資源は、枯渇状態にあります。資源に優しい行動は、賞讃される風潮にあります。宅配の中で、ダンボールを回収する仕組みを作ることは時代の要請にあっています。
蛇足ですが、日本のパルプ生産は1000万トンといわれています。実際に使う量は、900万トンです。残りの100万トンは施設を稼動させるために行っているのです。この100万トンが、中国に輸出されています。利益を上げている日本の姿があります。