地動説・天動説

約束は罪
震える指先は誰を示すの
確約は無理
心が遠のいてくはずだから

嫌いが好きになる瞬間
好きが嫌いになる瞬間
両方を見てきたボクは
悪なのかもしれないね

美的損害
保障はできかねるけど
誰かに訴えてごらんよ
美しく産まれ堕ちた自分を恨むんだな
堕胎から始まって
謂れのない物語を編み込んでよ

傾聴しきれないね
我儘を押し通す邪鬼達
ボクは君に寄り添うから
たった一人で戦う君が
価値観の合わない大衆と
相対する姿勢は立派だと思うんだ

誰も彼も皆孤独だね
決めるのは結局自分自身だけど
思い通りに行くといいね
離れていく凡人にサヨナラ
地位や名誉のために
ボクを利用しないでほしい

すべての窓を開け放とう
たぶん明日にはきっと
素晴らしい夜明けが拡がるから
誰かひとりでいいよ
僕を信じてはくれないか

健全な精神

また風が吹いてきた
今年何度目だろう
何かのサインなのかな
気付けばもう12月だね

心が満タンだから
自分に精一杯だから
周囲を見なくなるね
余裕がない訳じゃなくって
興味が湧かないんだ
ドキドキしない
ワクワクしない
ボクはただ純粋に
ボクに期待してるんだ
希望に満ち溢れてるんだ
絵描きに興じる子供のように

ボクは見た目とは不釣り合いに
頑健なオトナになって
情熱をがんがん燃やして
不快をどんどん溜め込んで
圧倒的な力を手に入れたんだ

君の瞳が歪むように
ボクの言葉は不毛だね
誰に響く訳でもない
空振りの言葉たち
無償で愛して
そんな無理は言わずともよい
最高の振れ幅を記録した感情も
もうボクの中にはなくて
君が連れてきた悪天候
ボクの力でなんとかしよう

ボクのことを計算高いと言う君
計算よりも運のほうが崇高だと
君は思わないかい
この世界の闇は結構深いよ
それを明るみに晒すのは
そう難しいことじゃないけど
それじゃあ自分を傷つけるだけ
透明でありたい
白も黒も色のない
無色透明なガラクタでありたい

君が吼える声が聞こえる
そんな君をボクは否定も非難もしない
ボクらはこの世界の難民だから
彷徨うことならお手の物だ
もしも定宿が欲しくなったら
このレースから撤退だね
何もかも正解じゃないんだ
でもボクは自分を信じていたい
君は君自身を信じるがよい
たとえ万人がボクを認めなくとも
この世に正解など絶対にないから

この夜を乗り越えたら、きっと
暁が待っている