巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
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限りなき願望

2017-05-06 20:51:04 | 
僕には忍耐が足りなかった
君の涙腺は決壊する他なかった

あの突然の別れは
僕の人生において
どういう意味を持ったのだろう
僕の人生を彩ったすべてが消滅したとき
僕は無力で空虚な人間になり下がり
でも人間に上下などなくて
僕は僕であって、僕でなくて
そんなことは些事だと気づく

僕は世界の縮図を描き続ける
昨日も、今日も、明日もずっと
文字の羅列と酷評されようと
僕が信じる文学の型を創り出す
関係の途絶えた君といつの日か
文字や言語を通じて繋がり合う
僕の終着点はきっとそこにある
さよならさえ言えなかった君に
今を生きる僕の消息を伝えたい

夜空を埋める無数の星
あの消えかけている星はきっと僕
だから都会の汚れた空でも
僕の目でしっかりと捉えられる
星空をめがけて僕の魂を解き放つ
君を失っても僕はゼロじゃないから
夜空の星に忘れ物を取りに行く
本当の自分を取り戻すために

四半世紀の時を越え
筆と紙を携えて
僕はあるべき場所へ戻るのだ
星降る夜に僕と君の魂が交わる
そんな夢のような日の訪れを祈って
僕は綴る、限りなき願望を

未知ゆえに惑わず

2017-05-06 14:40:37 | 
僕は未知のカケラを
街のあちこちから拾い上げる



未知ゆえに求め、未知ゆえに探す
僕が僕だけの為のものならば
既知の現実すべてを放棄してもいい
道行く家族連れを見かけては
自分にもあんな日が来るのかと
焦燥に近い感情が込み上げる
僕の人生も未知で溢れかえる
島と島が陸続きであるように
誰もが深浅問わず相互に繋がっている
そんな世界で僕達の人間的価値なんて
決まってしまうのかもしれない
けれど、僕はその定説を打ち破りたい
現実を超えた現実を手に入れたい
自転車が途方に暮れた僕を追い越していく
僕にはまだゴールが見えないから
このくらいのスピードがちょうどいい
ゆっくりと、じっくりと前に進みながら
未知のカケラを丹念に見つけるのだ



誰も気に留めない道端の雑草だって
実は薬の代わりになるかもしれない
僕の街探訪はあらゆる可能性を否定しない
僕が君と家庭を築く可能性も
君が他の誰かと恋に堕ちる可能性も

僕が存在する理由

2017-05-06 13:44:54 | 


陽だまりの中
優しく抱きしめよう
言葉にしないと
消え去ってしまいそうで
僕にとって君は圧倒的存在
君がいるならどこまでも追うよ
柔らかな陽射しは僕を拒否しない
受け容れた証拠に風が髪を撫でる
君だけの存在でいたいけど
それは裏を返せば、君を
僕だけの存在にしたいから
この絶対的占有感
抑えても、抑えても
君は誰のものでもなく、君のもの
僕も誰のものでもなく、君のもの
すべてが同一の価値観で語られていれば
僕は君の列の先頭に並ぶよ
そよ風が柔らかに
僕達の体に衝突して弾けるよ
恋なんてそれと同じこと
君の心に迫るけど
一体化する訳でなく
すり抜ける、時に弾かれる
僕は君という存在に守られ
この世に居場所をなんとか見付けた
君がいなければ僕は存在しえない
そう、君の存在が僕の存在する理由

誰もが他人事

2017-05-06 11:10:24 | 
時代の風に吹かれて
僕達はどこへ飛んでいくのだろう
君の小さな発見が僕の心を突き動かした
さあ、終わりのない旅に出よう

僕達が今住んでいるのは世界の中心
心が通わない街から僕は飛び立つよ
君が大都会から離れられないのなら
細胞分裂して心だけ連れてくるがいい

緩やかに大地は動き始めている
僕達の心境の変化に敏感に反応して
逃げ出せない我が身を呪いながらも
鳴動して、摩天楼を薙ぎ倒さんとす
他人事の愚か者は表層的な原因究明
我関せずとこの地球を痛ぶり続ける

詰まるところ、
世の中の幸せも不幸も誰もが他人事だから
僕は傍若無人な人間どもに辟易してしまう
表向きはいい顔を、裏では無関心か悪巧み
そんな世の中だから中心を外して生きる
20年間生き続けてケリをつけた都市生活
じきに手遅れの愚か者が後を追うだろう

密度の濃い人生を邪魔するのは誰だ
世界の中心でせいぜい楽しむがいい
僕達は君達のような愚か者には無関心
そう言っている間にも地球は壊れゆく
無力な僕は裂ける大地を逃げ惑い、空へ


美の探求者

2017-05-06 09:40:40 | 
君は僕の人生に自分の人生をリンクさせたがる
僕を透過してみても君の姿は見えないから
もうすべて終わりにしてしまおう

破壊的願望を持つ僕
現状維持を求める君

早期決断、時期尚早

そこに解を求める君はおそらく正しい
が、オトナの事情をわかってほしい
僕は君の下等動物でいいから

破壊と創造の両者に美は潜んでいる

行き先も定めずこの世の美を探すんだ
この先の僕や君に見つけられないとしても
破壊して雲霧消散してしまう僕達
すべては美を手に入れるため

鮮やかな緑が彩るこの街の風景は
関係を引き裂いて原型を留めない
壊すだけ壊して元に戻さない仕打ち
君が僕ならば僕は肘鉄を喰らわすだろう

吾輩は美の探求者
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