おやじねこのテレスコ日記

ー八ヶ岳の登山口に住んでいる、テレスコ工作工房の店長のおやじねこが日々の出来事などをタイムリーに伝えています

AP星空雲台とコボーグ36EDを南天で使ったら

2015-04-20 16:20:06 | ニュージーランド


この写真を見て直ぐに分かる方は少ないとは思いますが、全天1,2に明るい恒星が写っています。左下に「りゅうこつ座カノープス」、右上に「おおいぬ座シリウス」があります。日本からはシリウスは見えますが、カノープスは、地平線ぎりぎりで見ることができますが、空の条件や観測地の緯度にもよります。ニュージーランドからは楽に二つの恒星が見えます。私も若い頃にはカノープスを撮影するために空気の綺麗な高原へ行って朝まで頑張ったことがあります。その時には写真の端にかすかな光を見つけて喜んでいたものですが、ここでは普通にいつでも見えるので、その感動も薄れてきました。



ところで、今回初めて持って行った機材の中に、ビクセンAP赤道儀用の極軸望遠鏡があります。2日前に数時間だけ晴れた時に使ってみましたが、極軸合わせは全く問題なく行うことができました。先に使っていたKenko スカイメモRS用の極軸望遠鏡と比較しても特に使いにくいとかはありませんでした。光量調節が細かくできるので便利ではありますが、実際に使う明るさは1-2くらいで、それ以上は南天では明るすぎて使いませんでした。ただ一つ使いづらいと感じたのは極軸合わせをしてから機材を乗せて構図を決めた後に再度合わせる際に、恒星時駆動しないので、その都度パターンを回転させて合わせる必要があります。しかし、そのズレも小さいのであれば、そのまま撮影をしてもきちんと追尾はしてくれます。注意するのは使用するのが望遠鏡、望遠レンズの時です。

この画像の中で、AP星空雲台とは言えない部分は、カメラ類を搭載する雲台ベース部分だけです。基本的にこの部分が純正品であっても同じ追尾精度は維持していると思います。私の場合は、純正のアリガタホルダーに慣れていないことがあったので、ポラリエ雲台ベースと同じタイプの部品を作った次第です。



この組み合わせで撮影したのがこの画像です。いつもエータカリーナ星雲で飽きてしまうと思いますが、この対象が最も分かりやすく、この時期結構撮りにくい天頂にあるからです。位置的には大気の影響を受けにくいので最適ですが、探すのにやや苦労します。基本的には液晶画面を見て導入するのですが、それだけでは入れきれないので、間上を見ながら作業をします。



BORG 36ED+フラットナーで180秒、ISO3200で撮影しています。こんな小さな望遠鏡でこれだけの画像を撮れるのは驚きます。星像のシャープさは、200mm/1.8Lに匹敵するかもしれません。この黒いコボーグ36EDは、借り物ですが、自分で白いのを持っています。今まで使ったことが無かったので、帰ったらフラットナーを買って使えるようにするつもりです。例えば、これをポラリエと一緒に使えば、登山に持っていって使えるでしょう。ウェイトもペットボトルアダプターを持っていけば、昔には考えらrなかった直焦点撮影が3000メートルの山頂でできます。いずれにせよ、20年前には考えられなかったことです。機材があまりに軽すぎてウェイトシャフト150mm x 3本だけでウェイト無しでバランスをとりました。ペットボトルアダプターがあれば、100mmシャフト1本とペットボトルだけで十分です。

ポラリエとPCB-EQ2セットを既にお持ちの方、またこれからご購入される方は、ぜひこのBORG 36EDとの組み合わせを試してみてください。写真レンズでこのくらい撮れるものとなると、何十万円もする高価な商品ですが、コボーグ36EDなら数万円で全て揃います。もちろん、天体撮影だけでなく、バードウォッチングなどにも素晴らしい性能を示してくれるので、十分満足していただけると思います。

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