以前にも書きましたが、AP星空雲台の極軸望遠鏡を「Kenko スカイメモRS用」にコンバートしました。これにより、駆動軸と繋がって極軸望遠鏡も恒星時駆動するようになりました。ハンドコントローラーの60倍速で動かすと、当然ですが極軸望遠鏡も回転していきます。従って一度セッティングすれば、星の動きに合わせてパターンも回転していくので、途中で修正する際にも簡単です。極軸望遠鏡のコンバートは、見た目には分かりませんが、1/100mm単位で部品を仕上げていかないといけないので、簡単ではありません。極軸望遠鏡の先端部と接眼部ではおおまかに2点の部品をネジ止めしているので、必然的に偏心しています。もちろんダイヤルゲージで見て分かる程度のものですが、それが部品製作で困ったことになります。しかし、いくつか作ってみて最適なものに仕上げることができました。
オリジナル状態では、極軸望遠鏡と駆動軸が連動していないので、修正する時にはパターンをその都度合わせてからでないと、修正できません。ちなみに、AP赤道儀では駆動軸に極軸望遠鏡が取り付けてあるので、恒星時駆動します。極軸望遠鏡は、純正品が良くないという訳ではなく、当店で販売している商品を使ったほうが、よりコストダウンができ、尚かつ既にこの極軸望遠鏡を持っている方にはよりお安く商品を提供できるからです。もちろん先にも書いた「恒星時駆動する」という最大のメリットがあります。現行販売されている三脚などを持たないポータブル赤道儀では、タカハシ製品以外では唯一のものです。
まだ極軸望遠鏡以外にも三脚ベースとなる部分を製作しないといけませんが、極軸望遠鏡ほど面倒ではありません。既に図面は仕上がっているのですが、三脚ベースに「高度ー方位調整機能」を組み込むか悩んでいます。それができれば、微動マウントなど必要なく、後は三脚があればポータブル赤道儀として使うことができます。しかし、来月のニュージーランド遠征には間に合わないと思うので、とりあえずは三脚ベースだけ作って現地で使ってから考えようと思っています。
この試作品は、いずれは当店の新商品として販売する可能性があります。メーカーから提供販売されている、セット内容だと御値段的になかなか手が出ないところがあり、それをより近いものとするためにこの試作をしております。例えばポラリエからアップグレードされる方で、既に当店のTK-PPFをお持ちの方には、アップグレード商品として販売することも考えており、その商品には極軸望遠鏡が付いていないので、お持ちのものを使っていただくことが可能です。それによりさらにお安くアップグレードすることが可能となります。搭載重量もポラリエよりは大きいので、より安定した撮影観測ができるようになるでしょう。もちろん、本機からAP赤道儀へのアップグレードもイージーです。
この商品には、ビクセンAP星空雲台の「赤経モーターモジュールSBOセット」を使い、それ以外の部品はテレスコ工作工房で製作販売している商品を組み込んで新たな星空雲台とします。まだこの商品を正式に販売するかどうか決まってはおりませんが、御購入希望の方が多いようなら商品化したいと考えております。とりあえず、使える形に仕上げてから、ニュージーランドへ持っていって使ってみて最終的に判断するつもりです。
先日お買い上げいただいた、Solar Max 60フィルターセットのアダプターを製作しました。Solar Maxのアダプターは、通常はレンズセルに取り付けるものですが、FC-76DCのようなフード伸縮タイプでは、フードを外した部分に装着するように作っています。これが最も安心してその性能を活かせるものと考えて以前からそうしています。白色太陽フィルターのように軽いものならフードに被せるのが一般的ですが、Solar Max 60ともなると1kgを超えるので、落下などさせないようにしっかり取り付けないといけません。
ここんところ作っていませんでしたが、また当店でフィルターセットを販売することがあればご要望によりお作りいたします。まだこの組み合わせでは見ていませんが、このFC076DCの光学性能を十分発揮した素晴らしいHα像が見れると思います。このアダプターが仕上がってから再度太陽を見て問題なければご注文の方へお届けいたします。