短いお別れ

勝手に思う事を、徒然なるままに…

枯れない花

2008年01月22日 08時52分06秒 | Weblog

ラバーソウルの代わりに左右合わせて八十四個の鋲が打たれたコム・デ・ギャルソン・オムプリュスのブーツを買った。ヴィヴィアンウエストウッドのセディショナリーズモデルのスウォッチをドゥブル・トゥールに代え、前期の66と状態の悪いビッグEをジュンヤ・ ワタナベ、リーバイス、10コルソコモのトリプルネームのブラックデニムに代えた。トランクスはヘルムート・ラングに変わって、時にはドルチェ&ガッバーナのアンダーウェアを履く。梅ヶ丘で仕立てたモッズ・スーツはイヴ・サンローラン・リブゴーシュ・オムになり、西海岸のチョーカーの代わりに、ディオール・オムの蜂が首元で輝く。太陽の光やスギの花粉をカトラーアンドグロスではなくアラン・ミクリが遮り、ワンスターの代わりにヨウジ・ヤマモトのアディダスで走り、ジッポーではなくデュポンで点けたジタンが息を切らす。

これは、リストだ。昔、ある人に近況を伝えたメールにこう記されていた。21世紀の最初の年から、3年の間に、僕はこれだけの買い替えをしたようだ。

新しいモノを手に入れたのではない。何かを何かに交換した。ただ、それだけだ。これらを含めた当時の僕自身が、マイナーチェンジされたのか、フルモデルチェンジされたのかは、今でもわからない。

メールには、『携帯電話を機種変更する事によって、僕の交換作業は終了した。』、そう書かれてあった。

あれから、4年が過ぎた。今も僕は色々なものを買い換えている。事実、"リスト"にあるほとんどのものは、もう使ってはいない。

その一方で、以前、このブログにも書いた通り、何年も使っているマフラーもあったりする。

交換の基準は定かではない。年齢的なものもあるし、当然、はやりすたりもある。ただの単純な気まぐれもあったりするし、センチメンタルな事情だってあるだろう。

去年、携帯電話を変えた。番号は変わっていない。10年ぐらい同じ番号を使っている。

ただ、アドレス帳は目まぐるしく変わる。メモリーナンバーも変遷している。

近況を伝えた人の名前は、僕が今、このブログを更新している携帯電話の何処にもない。それはきっと仕方のない事だ。


この間、記事にした『薔薇のない花屋』に影響されたわけではないけれど…、部屋に置いていた小さな鉢植を、昨日買ったプリザーブド・ローズに変えた。

その薔薇は、10年は枯れないという。

ただ、その赤色がいつまで僕の部屋にあり続けているかは、今の僕には知る由もない。