DOLCE&GABBAは、ドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナのファーストラインに位置する。
対して、D&Gは、セカンドラインであり、ディフュージョンラインである。
そしてさらに、DOLCE&GABBANAやD&Gとして販売されるデニムとは異なる意味での、サードライン的な、ジーンズラインも存在する。
各ラインは、当然、役割、コンセプト、、価格帯が異なる。勿論、デザイナーの"らしさ"は残るものの、まるで、違うブランドである。
ARMANIも、ジョルジオ・アルマーニ、エンポリオ・アルマーニ、アルマーニ・ジーンズと、ラインが各種ある。
通常、カジュアルさと価格が反比例する。つまり、ファーストラインよりセカンドラインは、カジュアルさが上がり、価格は下がる。
DOLCE&GABBANAは当然、DOLCE&GABBANAというファーストラインとして年に2回、ミラノでコレクションを行う。通常、ファーストラインをコレクションラインと呼ぶ事が多い。セカンドラインはコレクションを行うような服ではないからだ。
ただ、DOLCE&GABBANAの場合、D&Gもコレクションをミラノで2回行う。コレクションラインであり、セカンドラインなのだ。ここがややこしい。D&Gは単純にDOLCE&GABBANAのカジュアルラインではない。D&Gという全く別のブランドなのである。だからこそ、D&GはD&Gとして、コレクションを行っているのだ。
しかも、ファッションエディターは時折、その年の、例えば、スプリング&サマーのDOLCE&GABBANAのコレクションに興味を示さず、D&Gのコレクションを褒め称えたりする事もある。
例えば、丸井等に置かれている、BURBERRYのブラックレーベルは日本のSanyoが作っている。当然、コレクションなんてやらない量販商品で、価格も安い。対して、バーニーズ・ニューヨーク等に置かれているBURBERRYは、プローサムというコレクションラインで、価格帯も高い高級ブランドである。
カルバン・クラインとckカルバン・クライン、ダナ・キャランとDKNY、ラルフローレン・パープルレーベルとラルフローレン、いずれも、コレクションとカジュアルな量販商品という事で全く違うものである。
ポール・スミスだって、ポール・スミスコレクションとポール・スミスとでは、価格帯も品質も決定的に異なる。
ちなみに、お歳暮やお中元に貰う、イヴ・サンローランやイッセイ・ミヤケのタオル、シーツカバー等は、サンローランやイッセイの名前を使って良いというだけのライセンス商品で、イヴ・サンローラン・リブ・ゴーシュやイッセ・イミヤケのコレクションラインとは、まるで関係ない。ckやDKNYのハンカチ、ネクタイ、靴下も同様だ。
洋服好きはこういったところで、困惑する。つまり、嫌な言い方で言うと、セカンドライン等を馬鹿にしている。そんなのデザイナーやその会社の金稼ぎでしょ?良く知りもしないで、ブランドの名前だけ知っているヤツが、ファーストより安い服を買って、そのブランドを着てるつもりになってるだけでしょ?と…
そして、イライラもしている。熟慮に熟慮を重ねて、バーニーズで大枚を叩いて買ったバーバリー・プローサムを、ブラックレーベルと一緒にされたりして…
ディオール・オムのアクセサリーを丸井のアクセサリー売り場のディオールと一緒にされたり…
サンローラン・リブ・ゴーシュの財布を、ディスカウントストアーのワゴンにあるサンローランの財布と一緒にされたり…
もっと困るのは、例えば、シャネルやフェンディは好きだという人が、その両方のデザイナーであるカール・ラガーフェルドは知らずに、彼自身のブランドは馬鹿にしたり…
LOUIS VITTONのLVのネクタイはOKで、デザイナーのマーク・ジェイコブスのMJだと、何それ?マイケル・ジャクソン?マイケル・ジョーダン?マジ、ジョーダンみたいな…
僕は、コム・デ・ギャルソンを好きだとポロッと言ってしまったら、コムサデモードのネクタイをプレゼントされた事がある…
ただ、DOLCE&GABBANAとD&Gの場合は複雑だ。一時期の中田英寿氏やデービット・ベッカムによる、DOLCE&GABBANAのDGマークの大量露出。それによって、DOLCE&GABBANAはメジャー化した。
ブランド自体もセレブを迎合し、昔のGUCCIみたいな位置になった。
多くのドメスティックブランド、特に昔のマンションメーカーで、今は大きなアパレルメーカーとなったブランドでは、恥ずかし気もなく、クラッシュデニムを真似た。
そして大衆の中で、DGマークは、DOLCE&GABBANAでもD&Gでも構わなくなった。
しかし、少し知ってしまった人が登場する…
前述した通り、価格帯は異なるけれど、DOLCE&GABBANAより、D&Gの方が評価が高い時もある。ものによっては、D&Gに良いもの、値段と折り合いが付くもの、それらは存在する。そもそも、全く違うコンセプトのブランドなのだから。
しかし、"少し知ってしまった人"にとっては関係ない。両者の違いを分かっていて、D&Gのものを買った人にも…、
DOLCE&GABBANA高いもんね。D&Gで仕方ないよ的な同情…。やれやれ…
ヨウジ・ヤマモトとY'sの場合、DOLCE&GABBANAとD&Gにおける関係と全く一緒というか、むしろ、先に世に出たのはY'sなのだけれど、山本耀司のファンの質はまるで違うので、そういった現象は起こりにくい。
でも、DOLCE&GABBANAとD&Gの場合は…
まぁ、いたしかたないのだけれど…
元来、ファッションとは、自由なものだ。ブランドや価格でものを選ぶ事はおかしい。
人にどう見られるかなんて関係ない。着てる服の値段なんて関係ない。お金をかけずとも、お洒落な人はたくさんいるし、お金をかけても、お洒落じゃない人もいくらだっている。
ただ、そんな一般論は何にも生産しない。洋服好きもブランド好きも、マニアックなクリエーション好きも、事実存在するのだから。
上記に長々と書いた、イライラや困惑も確かに存在する。でも、それは、やはり自分のファッション観が自分自身ではなく、第三者に向いているからだろう。
それが良い事なのか悪い事なのかは、後はその人の価値観だろう。
個人的に言えば、人にどう思われても良いなんて人はカッコいいけれど、それはあまり面白くなさそうだ。
僕は一般的な人に比べれば、洋服やファッションアイテムが好きな方だと、自分でも思う。特に、10代後半から、20代前半はそのピークで、多くの時間やお金をそのために割いた。恥ずかしいくらいに。
マニアックな部分も当然、持ち合わせているだろう。才能あるデザイナー達のクリエーションに触れたり、実際に袖を通したりするのが、単純に嬉しかった。
ただ、格好をつけずに言えば、それだけでなく、必ず、第三者の目を多少なりとも気にしていたに違いない。
お洒落な友達、或いは、異性に良く思われたいという面が必ずあったはずだ。だからこそ、余計に楽しかった。自己満足で済ませれるほど、coolじゃない。
もちろん、今だって、そういう面を持っているはずだ。だいたい、勘違いに終わるのが、切ないけれど…
そして、だんだんと、ファッションアイテムが嗜好品になってきた。実に寂しい事だ。
だからこそ、ファッションを語るのは難しい。経験、知識、そして、自分ではどうする事もできない時代性とTPO、そして他人が影響してくる。
僕もたくさん恥をかいたし、今も恥をかいている。
それでも、語ってしまうし、そして、他人の不用意な発言にも、寛大になれない。
何故なら、自分に絶対の自信がなく、それでいて、格好をつけたい、か弱き洋服好きだからだ。
僕はあの雪の日、オフィスに戻り、その足で、靴を修理に出しに行った。
誇れる靴じゃない。なんとなく買った靴だ。流行も過ぎている。ただ、悪天候時に履く靴にしては、まんざらじゃないと、か弱き洋服好きの自分が、どこかで僕に言い聞かせている。
DOLCE&GABBANAではないD&Gの靴、修理したばかりの靴。何にせよ、すれ違う誰もが僕の靴など気にしてはいない。
それでも、明日、早速その靴の出番になるかもしれない。
予報では、東京は、明日も雪が降るらしい。
対して、D&Gは、セカンドラインであり、ディフュージョンラインである。
そしてさらに、DOLCE&GABBANAやD&Gとして販売されるデニムとは異なる意味での、サードライン的な、ジーンズラインも存在する。
各ラインは、当然、役割、コンセプト、、価格帯が異なる。勿論、デザイナーの"らしさ"は残るものの、まるで、違うブランドである。
ARMANIも、ジョルジオ・アルマーニ、エンポリオ・アルマーニ、アルマーニ・ジーンズと、ラインが各種ある。
通常、カジュアルさと価格が反比例する。つまり、ファーストラインよりセカンドラインは、カジュアルさが上がり、価格は下がる。
DOLCE&GABBANAは当然、DOLCE&GABBANAというファーストラインとして年に2回、ミラノでコレクションを行う。通常、ファーストラインをコレクションラインと呼ぶ事が多い。セカンドラインはコレクションを行うような服ではないからだ。
ただ、DOLCE&GABBANAの場合、D&Gもコレクションをミラノで2回行う。コレクションラインであり、セカンドラインなのだ。ここがややこしい。D&Gは単純にDOLCE&GABBANAのカジュアルラインではない。D&Gという全く別のブランドなのである。だからこそ、D&GはD&Gとして、コレクションを行っているのだ。
しかも、ファッションエディターは時折、その年の、例えば、スプリング&サマーのDOLCE&GABBANAのコレクションに興味を示さず、D&Gのコレクションを褒め称えたりする事もある。
例えば、丸井等に置かれている、BURBERRYのブラックレーベルは日本のSanyoが作っている。当然、コレクションなんてやらない量販商品で、価格も安い。対して、バーニーズ・ニューヨーク等に置かれているBURBERRYは、プローサムというコレクションラインで、価格帯も高い高級ブランドである。
カルバン・クラインとckカルバン・クライン、ダナ・キャランとDKNY、ラルフローレン・パープルレーベルとラルフローレン、いずれも、コレクションとカジュアルな量販商品という事で全く違うものである。
ポール・スミスだって、ポール・スミスコレクションとポール・スミスとでは、価格帯も品質も決定的に異なる。
ちなみに、お歳暮やお中元に貰う、イヴ・サンローランやイッセイ・ミヤケのタオル、シーツカバー等は、サンローランやイッセイの名前を使って良いというだけのライセンス商品で、イヴ・サンローラン・リブ・ゴーシュやイッセ・イミヤケのコレクションラインとは、まるで関係ない。ckやDKNYのハンカチ、ネクタイ、靴下も同様だ。
洋服好きはこういったところで、困惑する。つまり、嫌な言い方で言うと、セカンドライン等を馬鹿にしている。そんなのデザイナーやその会社の金稼ぎでしょ?良く知りもしないで、ブランドの名前だけ知っているヤツが、ファーストより安い服を買って、そのブランドを着てるつもりになってるだけでしょ?と…
そして、イライラもしている。熟慮に熟慮を重ねて、バーニーズで大枚を叩いて買ったバーバリー・プローサムを、ブラックレーベルと一緒にされたりして…
ディオール・オムのアクセサリーを丸井のアクセサリー売り場のディオールと一緒にされたり…
サンローラン・リブ・ゴーシュの財布を、ディスカウントストアーのワゴンにあるサンローランの財布と一緒にされたり…
もっと困るのは、例えば、シャネルやフェンディは好きだという人が、その両方のデザイナーであるカール・ラガーフェルドは知らずに、彼自身のブランドは馬鹿にしたり…
LOUIS VITTONのLVのネクタイはOKで、デザイナーのマーク・ジェイコブスのMJだと、何それ?マイケル・ジャクソン?マイケル・ジョーダン?マジ、ジョーダンみたいな…
僕は、コム・デ・ギャルソンを好きだとポロッと言ってしまったら、コムサデモードのネクタイをプレゼントされた事がある…
ただ、DOLCE&GABBANAとD&Gの場合は複雑だ。一時期の中田英寿氏やデービット・ベッカムによる、DOLCE&GABBANAのDGマークの大量露出。それによって、DOLCE&GABBANAはメジャー化した。
ブランド自体もセレブを迎合し、昔のGUCCIみたいな位置になった。
多くのドメスティックブランド、特に昔のマンションメーカーで、今は大きなアパレルメーカーとなったブランドでは、恥ずかし気もなく、クラッシュデニムを真似た。
そして大衆の中で、DGマークは、DOLCE&GABBANAでもD&Gでも構わなくなった。
しかし、少し知ってしまった人が登場する…
前述した通り、価格帯は異なるけれど、DOLCE&GABBANAより、D&Gの方が評価が高い時もある。ものによっては、D&Gに良いもの、値段と折り合いが付くもの、それらは存在する。そもそも、全く違うコンセプトのブランドなのだから。
しかし、"少し知ってしまった人"にとっては関係ない。両者の違いを分かっていて、D&Gのものを買った人にも…、
DOLCE&GABBANA高いもんね。D&Gで仕方ないよ的な同情…。やれやれ…
ヨウジ・ヤマモトとY'sの場合、DOLCE&GABBANAとD&Gにおける関係と全く一緒というか、むしろ、先に世に出たのはY'sなのだけれど、山本耀司のファンの質はまるで違うので、そういった現象は起こりにくい。
でも、DOLCE&GABBANAとD&Gの場合は…
まぁ、いたしかたないのだけれど…
元来、ファッションとは、自由なものだ。ブランドや価格でものを選ぶ事はおかしい。
人にどう見られるかなんて関係ない。着てる服の値段なんて関係ない。お金をかけずとも、お洒落な人はたくさんいるし、お金をかけても、お洒落じゃない人もいくらだっている。
ただ、そんな一般論は何にも生産しない。洋服好きもブランド好きも、マニアックなクリエーション好きも、事実存在するのだから。
上記に長々と書いた、イライラや困惑も確かに存在する。でも、それは、やはり自分のファッション観が自分自身ではなく、第三者に向いているからだろう。
それが良い事なのか悪い事なのかは、後はその人の価値観だろう。
個人的に言えば、人にどう思われても良いなんて人はカッコいいけれど、それはあまり面白くなさそうだ。
僕は一般的な人に比べれば、洋服やファッションアイテムが好きな方だと、自分でも思う。特に、10代後半から、20代前半はそのピークで、多くの時間やお金をそのために割いた。恥ずかしいくらいに。
マニアックな部分も当然、持ち合わせているだろう。才能あるデザイナー達のクリエーションに触れたり、実際に袖を通したりするのが、単純に嬉しかった。
ただ、格好をつけずに言えば、それだけでなく、必ず、第三者の目を多少なりとも気にしていたに違いない。
お洒落な友達、或いは、異性に良く思われたいという面が必ずあったはずだ。だからこそ、余計に楽しかった。自己満足で済ませれるほど、coolじゃない。
もちろん、今だって、そういう面を持っているはずだ。だいたい、勘違いに終わるのが、切ないけれど…
そして、だんだんと、ファッションアイテムが嗜好品になってきた。実に寂しい事だ。
だからこそ、ファッションを語るのは難しい。経験、知識、そして、自分ではどうする事もできない時代性とTPO、そして他人が影響してくる。
僕もたくさん恥をかいたし、今も恥をかいている。
それでも、語ってしまうし、そして、他人の不用意な発言にも、寛大になれない。
何故なら、自分に絶対の自信がなく、それでいて、格好をつけたい、か弱き洋服好きだからだ。
僕はあの雪の日、オフィスに戻り、その足で、靴を修理に出しに行った。
誇れる靴じゃない。なんとなく買った靴だ。流行も過ぎている。ただ、悪天候時に履く靴にしては、まんざらじゃないと、か弱き洋服好きの自分が、どこかで僕に言い聞かせている。
DOLCE&GABBANAではないD&Gの靴、修理したばかりの靴。何にせよ、すれ違う誰もが僕の靴など気にしてはいない。
それでも、明日、早速その靴の出番になるかもしれない。
予報では、東京は、明日も雪が降るらしい。