みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

なぜ「八百万の神々」なの?

2018年09月08日 | 俳句日記


今日は、色々な神さまについてのお話し
を致します。

その前に、昨日の「神道の通時性」につ
いて「通時性」とは?と言う読者の質問
にお答えをさせて頂きたいと思います。
少し長くなりますがお許しください。

私は「通時性=ある普遍的な概念が、時
代とともに変容しながらも未来永劫続い
て行くこと」ぐらいに考えて使わせて頂
きました。

レヴィ博士の「構造」と謂う概念が事象
の理解に永遠に使われるのと同じです。
以下、二つの使用例をご紹介しますので
ご自分でも考えてみて下さい。

まず、言語学の分野に関して。

通時言語学=言語を時間的発展・変化の
様相に於いて研究する立場。
共時言語学=一時期の言語を静止的に捉
らえて体系的・比較的に研究する立場。

次に、環境倫理学上の世代間の倫理。

「現在世代は、現代に生きることの共時
性のみで価値判断しているが、未来世代
の生命権に責任をもたねばならない。
自然環境を破壊し、資源を枯渇させると
いう行為は、現在世代が加害者で、未来
世代が被害者になる。
もとより現在世代の存在は、過去世代に
依拠している以上、『伝統』の認識をも
って、あらためて『過去→現在→未来』
の通時性倫理が求められる」加藤尚武。

上の用例を以って「通時性」と「共時性」
の違いがお分かりになったと思います。
我々は、学者先生ではありませんから、
ザクッと捉えておいて下さい。

閑話休題、八百万の神々に移ります。
神社信仰に関する研究は、古くは江戸期
の国学者が盛んに行いました。
平田篤胤の研究は霊界にまで及びます。

明治期は、南方熊楠や柳田國男などの民
族学者が文献研究のみならず、現地踏査
によって貴重な著書を残しました。
現在は、武光誠先生が著名でしょう。

それらを概観しますと、大まかに次の類
型があるようです。

1.庶民設立型→産土神(土地の守り神)等
2.祖霊信仰型→皇大神宮、出雲大社等
3.御霊鎮型→天神(菅原道真)明神(平将門)


4.渡来型→稲荷(農耕神)、恵比寿(豊漁神)
5.寺院転向型→修験者の山岳信仰
6.偉人顕彰型→人麻呂神社、乃木神社等
7.招魂型→靖國神社、護国神社等


神社信仰は、本来が縄文から続く素直な
人々の良心の現れとして承継されて来た
信仰ですから、何の制限も有りません。
拝む物と、拝む人があれば成立します。

ですので八百万の神々なんですね。
ゴルフが上達したかったら、穴観音にお
参りすれば良いのでは⁈
いけない!あそこはお寺でした。

明日は、神社と神話について書きます。

8月8日〔土〕昨日に続き終日の雨
先月末まで冷たく感じていた水道の水が、
今朝は心持ちぬるく感じた。
?然もありなん。
今日は「白露」、あと2週間で秋分。

昔なら、もう単衣では保たない。
秋袷か重ね着をするところだろう。
私も寝起きにチョッキを重ねた。
前線が過ぎるのを待つばかり。

〈長雨に 白露も形 なかりけり〉放浪子
季語・白露(秋)





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