みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

西日

2017年07月26日 | 俳句日記

7月22日の記事で、私の宿は東西に長い
と書いた。
ならば、朝日も夕日も良く差し込むだろ
うと推測されがちだ。

だけど、地名が笹丘だから笹の生い茂っ
た小高い丘が切り拓かれて住宅地となっ
た、その西側の斜面に住まいが位置して
あることから、神々しくお出ましになる
旭日を拝むことは出来ない。

漸く8時頃から、登校する子雀達の声と
ともに、どれ今日も元気でいるかな?と
覗き込んでくださるぐらいのものだ。

それでも、朝日の差し込む部屋は気の流
れが良くなる。
運気の良い子を育てたいなら、朝日が入
いる子供部屋を与えることだ。

さて西側だが、福岡市は西南部の早良区
と西区の面積が広く、西隣りの糸島市ま
で沃野が続いていた。
魏志倭人伝に登場する伊都国である。

福岡市が150万都市になれたのも、この
沃野があったればこそであった。
従って、この辺りは西日がよく当たる。

強烈な夏の西日には閉口するが、けして
嫌なものでもない。
昼間が暑ければ暑いほど、どこかホッと
させることさえある。

「西日」は夏の季語だが、暑さばかりが
強調されるのは気の毒な気もする。
こんな句がある。

《ベルリンの 壁の落書き 西日濃し》

塩川雄三氏が詠んだ句である。
平成元年にベルリンの壁がとっぱらわれ
て既に30年になる。
冷戦時代を生きた団塊には特別な句だ。

お浄土もまた西にある。
「西日」には様々な哀愁がある。

〈終りさえ 凛と拒否する 西日哉〉放浪子

7月26日〔水〕曇りのち晴れ
母の足が攣ったと連絡あり。
飛んで行った。
脱水症状のサインと診て水を飲ませる。
所用を済ませて戻ると、けろっとして
洗濯物を干していた。
いやはや人騒がせな大御所様である。

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