水徒然2

主に、水に関する記事・感想を紹介します。
水が流れるままに自然科学的な眼で解析・コメントして交流できたらと思います。

内部被曝に係る記載(牛で調査した放射性セシウム濃度の体内各種部位での吸着量の差)

2013-04-02 | 放射能被ばく・後遺症関連

'13-01-26投稿、'13-04-02追加・更新

 水徒然「内部被曝に係る記載の整理(12-31更新 ’11-06-27~'11-12-31)」を既報にて整理しましたが、この後遺症についての因果関係が個人的にはわかりにくいことを感じる今日この頃です。
 その後の調査では、放射能漏洩現場から離れていても、飲料水、農畜産物を介しての数次拡散による内部被曝についての可能性があるとも言われ、やはり注意しなければとは思っています。

引用図:環境汚染物質への曝露の偏りと環境弱者の健康リスク発現確率評価によれば、http://blogs.yahoo.co.jp/osakawsp/8959191.html

 

 


 後遺症はその人の年齢、体質などによって異なり、既報で引用記載した後遺症3・5・8年潜伏期を経て近未来に発症するのか?または、数十年後にその影響が出るのか?よく解らないのが現状なのか?と、大地震・津波による被災と同様に、杞憂しています。

 既稿の引用記載「元広島陸軍病院医師 肥田舜太郎氏が警告」によれば、

  「●3年後の「ブラブラ病」、7~8年後の「白血病、がん」に注意すべき・・・」という。


  
では何を根拠に気を付けるのかといっても、医学的に後遺症に対する理論だった説得力のあるデータもないし、現実的にはチェルノブイリの被曝との比較、2分している内部被曝の理論「ホルミシス」と「ペトカウ」効果)を理解して、経済的に負担にならないように、できるだけ放射能汚染していないもの、もしくは汚染していないことを前提として体内の放射能を浄化する食べ物をを選んで、加齢による老衰とともに食生活するしかないと思っています。

 既報('11-06-27投稿)に記載した個人的な提案
「・・・現状の不安解消に対する要望を先に述べますと、
体内において、水に不溶性の状態になった半減期の長い元素およびその化合物の微粒子に、注意しなければならない。」ためにも、 
 放射線、医学には全く素人ですが、呼吸、飲食によって、体内に混入した有害放射性物質、インフルエンザウィルス(伝染病)など有害物質微粒子の臓器、器官などへの吸着によって、生体細胞への至近距離から損傷、発癌作用
については、吸着機構(電荷的?親水性・疎水性(官能基)?カップリング化?)など自然科学的な要素について、机上の空論による疑心暗鬼がおこらないように本件に係る解明・公開が必要と想われます。

(今後の科学的な究明への提案)
 今回、内部被曝した肉牛と人体とはその筋肉、臓器などの表面状態、組成は異なるかもしれませんが、牛を内部解剖してセシウムなどの吸着機構(表面物性との関係、吸着沈着量と発癌性など)を検証すれば、メカニズムなど少しは分かってくるのではと、素人・個人的には想われますが・・・。」

が現実的に実施されていました。

PS:'13-04-02

 血液から臓器に取り込まれたセシウムの濃度は、骨格筋が平均で血中の約21倍と最も高く、ぼうこうが約15倍。一方、甲状腺は約4.5倍と低かったという(2013/01/24-08:09) 下記の詳細な結果を調べたので、個人的なメモとして以下追加しました。

ツイログ
きーこ
@kiiko_chan

放射性セシウムを排泄する腎臓は高濃度であり,脾臓,肺臓,肝臓も比較的高濃度を示した.これに対して,腸管と中枢神経組織は総じて低めの濃度であった→<牛タンは注意>牛の臓器へのセシウム濃縮研究結果(東北大学&北里大学) kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-287…から、引用

<牛タンは注意>牛の臓器へのセシウム濃縮研究結果
(東北大学&北里大学)

福島第一原子力発電所事故に伴う警戒区域内に残された牛における人工放射性物質の体内分布を明らかに" href="http://www.idac.tohoku.ac.jp/ja/activities/info/news/20130124/index.html" target="_blank">福島第一原子力発電所事故に伴う警戒区域内に残された牛における人工放射性物質の体内分布を明らかに
2013年01月24日 掲載 東北大学加齢医学研究所 担当:福本 学・大津 堅
(一部抽出しました。)>>本文詳しく読む
「<研究成果の概要>
  福島第一原発事故によって大量の放射性物質が環境中に放出しました。この原発事故に伴う放射性物質の体内動態と内部被ばく線量を評価するための基本データを得ることを、この研究では目的としました。福島原発から半径20km圏として設定された警戒区域内に残され、2011年8月29日から11月15日の間に安楽殺された、川内村と南相馬市の79頭の牛について臓器別にγ線を放出する放射性物質の放射能濃度を計測しました。すべての臓器でセシウム134とセシウム137の放射能がほぼ1:1の濃度で検出されました。さらに、半減期の比較的短い放射性銀110mが肝臓に、テルル129mが腎臓に特異的に集積していました。回帰解析の結果、臓器中の放射性セシウム濃度は血液中の放射性セシウムに比例しており、骨格筋で最も高く、血中の約21倍でした。また、各臓器別に放射性セシウム濃度を比較すると、臓器によらず母親に比較して胎児で1.2倍、仔牛で1.5倍でした。放射性セシウムの放射能濃度は牛の捕獲場所と餌に依存していました。本報告は福島原発事故に関連して警戒区域内に残された牛の放射性物質の体内分布に関する系統的な研究成果です。
 なお、本研究は東北大学加齢医学研究所、農学研究科、理学研究科、高等教育開発推進センター、歯学研究科、山形大学、新潟大学、放射線医学総合研究所、理化学研究所の共同研究として行われました。・・・」

 

引用:http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2877.html

北里大獣医学部伊藤伸彦教授の研究結果はどのようになっているのか?
探してみました。見つけました。

福島第一原発事故による畜産物への影響とその克服― 20km 圏内の汚染家畜を活用した研究―" href="http://nichiju.lin.gr.jp/mag/06509/a4.pdf" target="_blank">福島第一原発事故による畜産物への影響とその克服
― 20km 圏内の汚染家畜を活用した研究

伊藤伸彦†(北里大学副学長)

汚染餌を1 カ月間給与された牛では,
放射性セシウムは体内の隅々まで行き渡っていると推測される.

この状態における牛の臓器組織で,最も高い濃度を示したのは唾液腺(耳下腺)であった.
一般に内分泌腺は放射性セシウム濃度が高いといわれているが,
約70 種類の筋や臓器のうち,
唾液腺(1 位),膵臓(14 位),副腎(19位),乳腺(35 位)と高濃度のものが多かったが,
甲状腺は56 位と低く,濃度は唾液腺の約1/20 であった.

心臓,舌,横隔膜も含めた筋肉はいずれも高濃度を示したが,
最も高濃度の咬筋に比べて,大腿二頭筋と肋間筋は約1/3.3 と3 倍以上の濃度差があった.

放射性セシウムを排泄する腎臓は高濃度であり,
脾臓,肺臓,肝臓も比較的高濃度を示した.
これに対して,腸管と中枢神経組織は総じて低めの濃度であった.・・・

http://nichiju.lin.gr.jp/mag/06509/a4.pdf

「5 研 究 成 績

(1)経口投与された放射性セシウムが体内平衡に達する時間
解剖した牛肝臓中の放射性セシウム(Csh137)濃度と放射性銀(Agh110m)濃度について,
清浄餌を投与開始する前の時点から経時的変化として見ることができるよう図4 を作成した.
放射性銀については,後述する.

図4 で,開始前というのは清浄餌を投与する3 週間前を指し,
体内汚染を個々の牛間で均一化するために汚染稲わらを給与し始めて1 週間目のことである.
また,清浄餌投与開始時とは汚染稲わらを給与して4 週間目に畜舎を徹底的に清掃し,
放射能汚染のない清浄な餌を給与開始した当日に清浄餌給与前に解剖した牛から採取した検体である.



図4 から,汚染餌を給与されて1 週間では,体内の濃度が飽和していないことがわかる.
また,汚染餌給与後4 週間目(清浄餌給与開始時)では
1 週間目よりも肝臓中の放射性セシウムは高濃度となっており,
少なくとも1 週間では体内平衡には達していない
と推測される.・・・

(4)体内の各種臓器中の放射性セシウムの濃度と存在量

図8 に臓器中放射性セシウム濃度の順位を棒グラフで示した.


また,図9 には,濃度に各臓器や胃内容物等の重量をかけて得られた放射性セシウムの各臓器保持量を棒グラフで示した.

   ・・・

6 研究成果の活用と意義

 警戒区域内には多くの家畜やペット動物が残された.家畜に関しては,餓死した動物も多かったが,放任家畜となって生き延びた動物も多かった.
政府は,これらの家畜が食用とされることを避けるためであったと想像されるが,全頭安楽殺処分の方針を打ち出した.
これを利用して家畜の体内の汚染状況を把握するための研究が行われた[1].

しかしながら,チェルノブイリの事故時には畜肉やミルクへの移行係数の研究情報はかなりの数にのぼる.しかしながら,体内に取り込まれた放射性物質が,清浄餌給与後にどのように減衰するのかについての研究情報は見当たらない.

本研究では,原発事故による放射性物質で汚染された餌を給与したが,
警戒区域内での研究ということもあって,
精度の高い給餌を行えなかったために移行係数を求めるには至らなかった.

そのかわり,定期的に実施した解剖においては,約70 種類の臓器や組織,体液などを採取し,
筋肉については起始部と停止部はもとより隣接の筋との間も厳密に区分して研究材料の採取を行い,
臓器全体を秤量し,記録した.

解剖を行った個体の一部は,皮膚や骨に付着したわずかな筋肉も掻爬して秤量したため,
各臓器等の放射性セシウム保持量も計算することができた.

チェルノブイリ事故後に得られているデータを概観すると,
まず放射性セシウムの生物学的半減期についてのデータは少なく,しかも家畜の正確なデータがないため,
60 日から90 日の数値が世の中で一人歩きしている状況であった.
これでは,畜産農家が家畜を飼育するときの指導に支障があると思われる.
代謝による体内からの排泄に要する時間としての生物学的半減期は長めに設定した方が安全といえるが,
それでは農家に負担を強いるだけである.

今回の研究で得られた牛の全身の生物学的半減期は,約15 日であったことから,
一般にいわれているデータよりもずいぶん短いことがわかった.


つまり,約2週で半分になるので,
14 週で百分の一になり,20 週では千分の一になる計算だが,
3 カ月より以降の減衰については今後の継続研究が必要である.

本研究では,体内からの除染剤としてプルシアンブルーを用いたが,
投与量を多くしても効果は高くならないことと,
その効果は胃腸管内に存在する放射性セシウムを薬剤が捕捉して
体内への吸収を抑制する効果はある
ことが認められた.


共同研究者の日本全薬工業譁中央研究所では,この成果を生かして,
牛に舐めさせる鉱塩にプルシアンブルーを混和することで,
汚染の可能性がある餌を給餌するときの摂取制限対策として,研究成果の活用を行っている.

本研究で得られた成果のうち,
部位の異なる筋肉間で放射性セシウムの濃度に3 倍程度の差があることや,
その減衰パターンが筋肉によって異なることについては,
今後の食肉検査や尿や体外からの計測により体内の濃度を推測する研究を行う際に役立つデータである.

このような研究結果は報告がないため,
もう少し精度を高めるための研究継続が必要と思われる.

筆者らは,と畜場に搬入する前に農家の畜舎内で牛の体外計測を行い,
放射性セシウムに汚染されていないことを確認するシステムの構築を開発してところであるが,
安価で精度の高い機器やシステムを開発する上で,本研究で得られた研究情報は非常に重要である.・・・」

 ⇒電荷(正負)が異なるセシウム(正)以外のヨウ素(負)など、および、イオン価数、イオン化傾向の異なるストロンチウムなど放射能の吸着はどのようになっているのだろうか?

 牛以外の汚染体に対する今後の研究に期待します。 

 


 (google画像検索から引用

 

○                                              ○
 

 

 

時事ドットコム

 

 

セシウム濃度、体内部位で差=牛で調査、人にも応用-東北大http://www.jiji.com/jc/zc?k=201301/2013012400128&g=soc

「 福島第1原発事故後、原発から20キロ圏の警戒区域に取り残された牛に含まれる放射性セシウムは、骨格筋で高く甲状腺は低いなど濃度差があることを、東北大加齢医学研究所の福本学教授らのチームが明らかにした。福本教授は「放射性物質の人体への影響を研究するための第一歩」と話している。

 研究チームは、事故後の2011年8月下旬から11月中旬に安楽死処分された、警戒区域内の福島県南相馬市と川内村の牛79頭で、臓器ごとに放射性物質の放射能濃度を計測した。
 その結果、汚染された餌を通じ、血液から臓器に取り込まれたセシウムの濃度は、骨格筋が平均で血中の約21倍と最も高く、ぼうこうが約15倍。一方、甲状腺は約4.5倍と低かった。(2013/01/24-08:09)」という。

⇒科学的なデータに基づいて、後遺症との因果関係が明らかになり、その予防、治療に対する処方箋が公開されることを期待します。

 3年後の「ブラブラ病」、7~8年後の「白血病、がん」のメカニズム、患部への放射能取り込まれ量と発症の関係、吸着機構(表面物性との関係、吸着沈着量と発癌性など)、吸着した放射性セシウムの組成など。

 参考投稿:口蹄疫の感染に係る記載(その4:牛と鶏の比較) 2011-02-20によれば、
「牛と人間の違いとしては、牛には第1~4胃までの4つの胃が存在します。・・・牛の胃は「複胃」と言う。また牛はキラキラ光るものが大好きで、それらを見つけると「自分のものだ!」とばかりに飲み込んでしまう性質の持ち主。よって、エサである草を食べると同時に(地面に落ちている)釘や鉄片などもドンドン飲み込んでしまいます。」という。

  また、個人的なメモとして、
既稿「水徒然」に記載したチェルノブイリのセシウム被曝事例を参考までに転記しました。
いろいろな意見があるようです。


内部被曝に係る見解についての紹介

ひまわりの種 
2011-07-16 
セシウムは本当に甲状腺に「多く」蓄積するのか?
(一部抜粋しました。)
「・・・論文を書いた方は、ゴメリ医科大学の学長をしていたバンダジェフスキーという方で、
・・・まるでバンダジェフスキー氏は正義の味方で、この論文は政府に都合が悪かったからだという印象です。・・・
「セシウムは甲状腺に蓄積して、甲状腺癌を引き起こすのか?」
詳しく見る>>
記事の最初に結論を書いておられます。(赤字はわたしが強調)
 「結論から申し上げると、ある程度は集積するかもしれないが、
極端集積する訳ではない。
ただし、小児甲状腺癌は引き起こさない
わたしも、この記事を読んで、同意見です。・・・ 」
本文を詳しく読む

ベラルーシの部屋ブログ2011-07-16 
内臓に蓄積するセシウム
(一部抜粋しました。)
「・・・セシウムについてですが、ICRP(国際放射線防護委員会)等は筋肉など全身に分布する、としており、日本の学者にも同意見の人がいます。
 しかし、ベラルーシの研究では「セシウムは全身の筋肉に平均して分布(蓄積)するのではなく、内臓に多く蓄積する。特に心臓、腎臓、肝臓に多く蓄積する。・・・
 内臓にセシウムが蓄積するのかを測定するのはとても難しいものです。それを測る特別なホールボディカウンタがありますが、ベラルーシには1台もありません。ウクライナにはあるそうです。・・・胸部には○○ベクレル」「腹部には○○ベクレル」という結果しか出せません。・・・
 1997年に死亡した大人と子どもの内臓のセシウム137の分布については元ゴメリ医大の学長だったバンダジェフスキー氏が発表した「人体に入った放射性セシウムの医学的影響」という著書(日本語に訳されています。)で、発表されています。・・・
 それによると、大人は比較的平均してセシウムが内臓に分布するのですが、子どもはとびぬけて甲状腺に高い値のセシウムが蓄積しています。1キロあたり1200ベクレルです。大人では約400ベクレルです。・・・
このほか、心臓や血管の病気で死亡した人の心筋と、消化器官の病気で死亡した人の心筋を比べると、前者のほうが多くのセシウム137の蓄積が見られました。
 伝染病で死亡した人と、血管と消化器官の病気(主に胃と十二指腸の潰瘍)で死亡した人の肝臓、胃、小腸、すい臓と比べると、前者のほうが多くのセシウム137の蓄積が見られました。
 このような病死者の死体解剖による個別の内臓のセシウム測定は、世界的にも珍しいです。・・・」
本文を読む


 


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