プントランドは海兵隊を養成する

　プントランドはその沿岸の治安を確保しようと海兵隊設立を企図。その訓練については民間警備会社の援助を得ることとした：

Garowe Online　Somalia: Puntland signed an agreement with Sarecen Company to train its Marine Forces　Nov 18, 2010 - 1:21:35 PM

　訓練の第一期生は170名ほど。これは先日，訓練を終え，式典を行ったところである：

Garowe Online　Somalia: First batch of 170 Puntland marines complete naval training　Nov 30, 2010 - 10:28:34 AM

　プントランド副大統領Abdisamad Ali Shire将軍がボサソにおける訓練完了式に臨席。他に治安相Yusuf Ahmed Kheir氏，港湾相Said Mohamed Rage氏，その他治安関係上級職らが式に参加。

　この兵団Puntland Marine Forceは，完成時には1050名からなる予定。主たる任務は海賊や違法漁業からプントランド沿岸を護ることである。最終的にはソマリア連邦政府を支持する一翼を担うこととされる。

　プントランドはアデン湾・インド洋沿岸に位置し，2007年以来，海賊の跋扈する土地であった。だがプントランド政府はこの2年というもの対海賊作戦を果敢に行い，350名以上の海賊を捕縛し，プントランド沿岸都市のいくつかから海賊を追い出した。

　さらに訓練第2派が続く：

Garowe Online　Somalia: Puntland VP opens training for second batch of 220 marine recruits　Dec 8, 2010 - 7:57:19 PM

　今度は220名ほど。8日水曜，先日の卒業式と同じく，副大統領・治安相・港湾相臨席のもと，訓練を開始する。なんでもボサソに駐在する国連・UNICEFの要員までが臨席したとのこと。

　副大統領曰く―

「私はプントランド海兵の第二派訓練開始式に臨席したことを喜ぶ。この対海賊作戦部隊は，ソマリア領海のみならず，プントランド領海で海賊や違法漁業者や人身売買組織と戦うのだ」。

　プントランド政府は，繰り返し国際社会に対海賊組織設立のための援助を求めてきた。ところが援助はなく，プントランドは独力で組織を立ち上げつつある。この点，プントランドは，この自助努力について非難されるいわれはないのである！

　なお訓練はウガンダの私企業によるが，その資金については未だ明らかにされざる，プントランドと親しいムスリム国家によるものだと語られる。また，この兵はソマリア領域内およびアフリカの角地域における他の政体を脅かすものではないとも語る。

　というのは，ソマリランドがこのプントランド海兵隊養成について懸念を示したからである。
　もちろん，必ずしも仲がいいとはいいかねるソマリランドとしては懸念を示したくはあろうが，ともかく国家の（正統な）暴力機関（日本の与党的には「実力機関」）として設立されているわけではあり，現時点ではさほどの心配はいるまいが。

　尤も，給料の支払いが滞りまくると，兵隊さんがそのまま海賊に転化しかねないのではあるけど―ここ最近のプントランドは，そこまで落第じゃあない感。