(TxT)<戯れ言ですよ

とみーのにっき&おえかきちょう

凪のあすから 第十三話 届かぬゆびさき

2014年01月04日 | 凪のあすから
大きく転がったな。

 そんな今回のお話は…
 家でまなかのことを思い出していた光は、シオシシオに戻った彼女に改めて自分の気持ちを伝える。
 まなかも光に何かを伝えようとするが、「おふねひき…終わったら言うね」と微笑み答えるだけだった……。
 「おふねひき」当日、それは光たちが冬眠する日でもあった。地上の美濱中学校に初めて登校した時と同じように、幼馴染の4人はそろってうろこ様がいる鳴波神社へ挨拶に向かった。 そして、最後は自分たちに進む道を選ばせてくれた大人たちに見送られ、紡やあかりたちの待つ地上へとあがっていくのだった……。
 以上公式のあらすじ。

 お話は、おふねひきしてみたら、とんでもないことになった。という感じ。
 まぁ予告で不穏な空気をかもしていたので何かあるんだろうとは思いましたが、わたくしの予想は見事に外れ、なんにも起こらないと思っていたおふねひきは、うろこ様(と言うか海神様と言うか)の所為(と言うかなんと言うか)で海が荒れ、あかりを海に飲み込もうとした所、替わりにまなかが引き込まれ、あかりを助ける為に飛び込んだ光も上がって来ず、余波で海に落ちた紡と助けに行った要も飲み込み、燦々たる有様ながらも、あかりが浮かんできた所で引っぱった。要するに、まなかは海神様に持っていかれ、光と要は行方不明、唯一無事だったのはちさきだけで、冬眠ということでなく4人はバラバラになってしまった。
 この感想を書くにあたって公式HPを見てみたら、メインビジュアルが差し変わっており、まなかがおらず、光と要は変わってはいないが、美海とさゆ、紡にちさきは成長した姿をしており、どうもちさきはこの事件で海村に戻れなくなってしまった模様。まぁ村に結界(?)のようなものがはられる描写があるので、おそらくはその影響なんだろう。
 ま、先のことはともかく、何も起きないんだろうと思っていたおふねひきで、一気に物語を動かして、割と淡々と流れていた話の様相を一変させたのは上手く、どうしたってこれから先を気にせざるを得ない。また、おふねひきの最中で、みんなが好きな人・大切な人たちと一緒にいたいんだ、という気持ちを見せておいて、そうなればいいなと思わせつつ、それが全く海神様に通じないのが良いではないか。
 海神様なんてものが本当に存在しているのか全く定かではないんだけど、いるとして考えればだ。そんな大きな神的存在からすれば、人間のそんな想いなんざどーでもいーのだ。基本、神様ってのは無慈悲なもんである。みんな一緒だったら良いと強く思っていたメインキャストの4人であったが、結局、冬眠するよりもひどいかたちでバラバラになってしまうという、なんだかよく分からないデカイものへの抗えなさ、人間のちっぽけさや現実の残酷さが感じられ、悲壮感漂うBパートでありましたが見応えがありました。

 それでちょっと気になったのですが、うろこ様は「所詮私は海神様のうろこよ」とか言って、海に大渦を発生させて人ひとり取り込んじゃった格好になったのですが、とすると、端からそのつもりであったということなんですかね。でもあかりがおじょしさまの替わりとなって船に乗るのはけっこう後になって決まったことを考えると、ちょうど都合が良い、ということであったのだろうか。そもそもあかりがおじょしさまをやらなかったとすれば、今回のようなことは起こらなかったのか?
 まぁなんにせよ、なんだかよく分からない海神様は存在しているようで、予定通り事を進めた格好になるわけだが、私としてはどうも海神様の意図がピンとこないんだよなぁ。9話見逃したからか?
 もひとつ気になったのは橋脚である。特にここで描きはしませんでしたが、おそらくは高速道路か何かを作ろうとして途中で泊まっちゃっていたのだと思うけど、この橋脚はこれまでそこかしこで見えるようになっていて気になっていたんですよね。OPにも印象的に出てるし。
 それが今回の大渦で壊れて倒れてしまったということは、この海に突っ立っていた橋脚が問題のひとつだったのではないか、と思ったわけです。じゃなきゃ、こんな意味ありげにわざわざ橋脚見せませんからねー。とか言って、全然物語に絡んで来なかったら恥ずかしいが(笑)。

 その他気になった部分はと言うと要だろうか。
 ちさきと一緒に紡を助けた要であったが、助け出された紡を膝に乗せてぎゅっと抱きしめているちさきを見てハッとするんですよね。そして倒れてきた橋脚を避けようとした船から振り落とされてしまうのだが、その時の彼の表情が微笑していたのを考えると、彼はあきらめてしまったのかのように見える。たぶん、ひかりにも紡にも負けている自分、ちさき的に自分は眼中にない、と思ってしまったのではないか。
 Aパートで「告白したこと覚えてる?」みたいなこと聞いて、ちさきが言われて思い出して、それはあんまりにも悪いので「ちゃんと考えてる」等と誤摩化していたのがフリなのだろうが、でも個人的にあの状況、海に落ちた紡の意識がないわけだから、ちさきが抱きしめていた所で問題ないと思うんだよなぁ。
 だって死んじゃうかもしれないのだから、まぁそういうこともあるよねと自分なら思うし、なにより紡は溺れて意識ないんだから、まず人命第一なことを考えれば、気にするようなことではないだろう。後で思い返してショックを受けるのなら分かるのだが。まぁそれだけちさきのことが好きなのだということなんでしょうが、今ひとつピンとこないのであった。むしろ、要もいなくなってしまったことで、ちさきがひとりぼっちになってしまったことの方が、自分的にはショッキングであった。
 もひとつ。上記したように、当初の予定通り海神様としては海村を冬眠させたかったわけで、今回の出来事は宮司である灯も知らされていないことで、あっさりとうろこ様の謎の力で眠されてしまった。そこから考えると、海神様の祝福的な象徴であるエナがある限り、海の人たちは海神様の影響を受けてしまうと考えて良いのだろう。とすれば、冬眠もそういうことなのではなかろうか。
 エナを纏うものの生態的な何かでなくて、海神様的に海もなんかおかしいし人口の減る一方なので、おまいらちょっと冬眠でもしてろや、ということのような気がします。だとすると、海の人たちは随分と海神様に翻弄(?)されていることになりますなぁ。というか、エナって水中で自由に行動できる利点はあるものの、陸に上がって放っとけば干上がってしまうし、上記仮説が正しければ、なんだかよく分からない海神様に良いようにされてしまうしで、むしろデメリットの方が多い気がするなぁ。そもそもなんで海の人たちがいるんでしょうねぇ。伝承的には元々人は海にいて、陸に上がって行ったんだっけか?その辺の伝承の説明って見ていない9話であったのか?ああ、なんで録画重なったよ!(チェックしない自分が悪いのだが)

 ともあれ、一波乱あって物語としてはおもしろくなってきました。というか、ちさきがなんか可哀想なんですけど。
 上記しました公式のメインビジュアルからすると、美海とさゆが中学の制服着ているので、3、4年くらい時間が飛びそうですが、はてさて、どうなりますやら。