田川市石炭・歴史博物館のブログ

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石炭の運搬 その2 鉄道時代

2016年12月05日 | 日記

皆さん、こんにちは。

前回のブログ「その1 川舟時代」に引き続き、鉄道が敷設されて以降の石炭の運搬についてです。

機械化された炭坑では、石炭は長い壁状の採炭現場で発破や「コールカッター」などにより破砕して掘りだされます(長壁式採炭)。

◆「コールカッター」


掘り出された石炭は、「チェーンコンベア」や「ベルトコンベア」その他の切羽運搬機などで水平坑道の炭車に積み込まれます。
その炭車を連結して、斜坑方式の炭坑の場合は、ワイヤロープと巻上機で「卸【おろし】(下降坑道)」を通って巻き上げられます。
竪坑方式の炭坑では、「竪坑櫓」から吊り下げられた「ケージ」という鋼製のカゴに炭車を乗せて、垂直の坑道から巻き上げられました。

◆「チェ-ンコンベア」


◆「ベルトコンベア」


◆「ケージ」と「竪坑櫓」  深さ314mの竪坑が向こう側の四本の柱の下にあり、ケージも本来はそこに下がっていました。

巻上げられた炭車の石炭は選炭場へ送られ、まず選炭婦(夫)の手で混じっている「ボタ」と品質の劣る石炭をあらかた取り出し、さらに「選炭機」にて精炭作業を行ないます。

一般的な選炭機では、質の良い石炭ほど比重が軽いため、この比重の差を利用して、まず残った「ボタ」を分離します。

その手順ですが、可動する網に乗せたボタ混じりの石炭を、水洗機の中で水流により持ち上げたり落としたりを繰り返して、機械の中を移動するにつれて次第に上の層に石炭、下の層にボタがたまる仕組みになっています。
この際、水に大量に混じる「粉炭」は沈殿させて「豆炭」などに利用します。

こうして選炭され製品となった石炭は、ポケットと呼ばれる貯炭槽に一時溜めておきます。

貯炭槽の石炭は、ベルトコンベアや、直接落とし込む形で鉄道用の「石炭車」に積みかえ、蒸気機関車でけん引して若松などの積出港や各地の駅に運んで行きました。
また、田川の場合は宇島港(豊前市)や後年は苅田港に鉄道で運んでいました。

◆「石炭車」


以上、2回に渡って筑豊の石炭運搬のあらましをご説明しました。
次回、「石炭の運搬 その3」では鉄道用の「石炭車」について、詳しくお伝えする予定です。

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