田川市石炭・歴史博物館のブログ

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日本初の世界記憶遺産(世界の記憶)

2016年08月22日 | 日記

みなさん、こんにちは!

当博物館は、現在『本館』を改修工事のため休館し、付属施設である『復元炭鉱住宅』の一室で、ユネスコ世界の記憶「山本作兵衛コレクション」の複製画を展示しています。



「山本作兵衛コレクション」とは、福岡県の筑豊地方における、明治30年代から昭和戦中期までの炭坑の姿を、いち炭坑労働者として働き続けた山本作兵衛氏が残した『炭坑記録画』・『日記』・『雑記帳及び原稿など』の697点で構成されています。

当館にはそのうち、『炭坑記録画585点』、『日記6点』、『雑記帳及び原稿など36点』の合計627点が所蔵されており、残りの70点は福岡県立大学に保管されています。

名もなき、いち炭坑労働者が残したこの作品が、なぜユネスコ「世界の記憶」に登録されたのでしょうか?

昨年2015年7月5日、ユネスコ世界文化遺産として登録された『明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業』は、8エリアにまたがり23の構成遺産がありますが、田川市でも当初、『旧三井田川鉱業所伊田竪坑櫓』と、『同第一・第二煙突(二本煙突)』の2つを、筑豊炭田を代表する、構成遺産として申請していました。

しかし、本来「竪坑櫓」には【巻上機】が「二本煙突」には【ボイラー室】があるのですが、そのどちらも地上の施設が現存していないということで、建造物の機能が説明できないなどの理由から、残念ながら世界遺産の候補から外されてしまいました。。。

しかしながら、その調査の過程で田川市を訪れた海外の専門家によって、山本作兵衛氏の炭坑記録画に高い関心が寄せられました。

田川市を訪れたオーストラリアのマイケル・ピアソン博士らにより、記録文書等の世界遺産、つまり世界記憶遺産(世界の記憶)への申請が進められた結果、田川市と福岡県立大学は共同でユネスコへ当コレクションの登録申請書を送り、2011年5月25日に日本初の世界記憶遺産として登録されることになったのです。

思いがけない形で世界に紹介される機会を得た「山本作兵衛コレクション」。

次回は、その価値と魅力についてご紹介したいと思います!

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