就業規則の効力

2019-04-27 18:01:00 | 労働・社会保険

 就業規則の効力

 1. 就業規則は、事業場内での社会的規範、法的規範であることから、その内容を現実に知っているか、個別的に同意しているか否かにかかわらず、その適用を受けます。

 2. 作成・変更された就業規則の条項の内容が合理的なものであるかぎり、個々の労働者が同意していないとして、適用を拒否できません。

 3. 労働者は労働契約によって企業秩序遵守義務を負うことから、使用者は当該義務に違反した労働者を懲戒する権限を有しています。

 4. 使用者が懲戒するには、就業規則で予め懲戒の種別・事由を定め、これを労働者に周知しておかなければなりません。

所有権移転登記の抹消 譲渡所得税の課税 裁決事例 所得税

2019-04-27 17:55:29 | 税務・会計 所得税
 
 譲渡所得の基因となった土地の所有権移転登記を抹消すべき旨の判決があったとしても譲渡所得の課税処分を取り消すべき理由にはならないとした事例

 請求人は、本件土地の寄附に基因してされた譲渡所得の課税は、その後、本件土地の所有権移転登記を抹消すべき旨の確定判決があったから取り消されるべきである旨主張する。
 しかしながら、本件判決は、原告と被告が親類関係にあるなどの状況下においてなされ、また、本件登記が無効となるべき事実は認められないから、本件判決があったとしても譲渡所得の課税処分を取り消すべき理由にはならない。

 平成13年6月22日裁決

相続(登記)とその後の代償分割 裁決事例 相続税と譲渡所得税の関係

2019-04-27 17:49:26 | 相続・贈与(税)

 被相続人の死亡によりいったん相続登記(2人各2分の1)がされた土地について、調停がされ、その結果、相続人間で、一方が当該土地を取得し、他方(請求人)が金銭を受領した場合において、旧相続登記は共同相続人全員の遺産分割協議に基づいたものとは認められず、一方、調停による新相続登記と金銭の授受は、代償分割と認められ、請求人が土地の共有持分を他の相続人に譲渡したものではないとした事例

 原処分庁は、被相続人(父)からの相続に係る旧相続登記(兄弟2人各2分の1)に際し、請求人の母が請求人の妻に、登記に必要な印鑑の預託及び登記費用の負担を請求しており、請求人の妻はその事実を請求人に説明していることから、請求人はそのことを承知しており、また、本件土地についてなされた旧相続登記に無効ないし錯誤の要因は認められず、本件土地の錯誤登記による所有権の抹消は、いったん有効になされた遺産分割のやり直しによる請求人の共有持分の譲渡と認めるのが相当であると主張する。

 しかしながら、
 [1]被相続人の遺産について、共同相続人の答述等からも遺産分割協議をした事実を確認できないこと、
 [2]請求人の妻も三文判しか渡していないと認められること及び
 [3]遺産分割協議書の存在が確認できないことから、
 旧相続登記は被相続人の遺産について共同相続人全員の遺産分割協議に基づいて行われたものとは認められず、したがって、本件土地は、請求人と弟の間において分割前の共有の状態であったといわざるを得ない。

 本件調停書に基づき、弟が本件土地を取得し、その代償として請求人が弟から250,000,000円を受領したことは、代償分割そのものであって、請求人が本件土地の持分2分の1を弟に譲渡したと認定することはできない。

平成7年1月30日裁決

試用期間 法的性質と解雇

2019-04-26 18:39:33 | 労働・社会保険

 試用期間 法的性質と解雇

(1) 新規採用者との雇用契約に期間を設けた場合に、その趣旨・目的が労働者の適性を評価・判断するためであるときは、当該期間の満了によりその雇用契約が当然に終了する旨の明確な合意があるなど特段の事情がある場合を除き、その期間は試用期間と解される。

(2) 試用期間付雇用契約の法的性質については、試用期間中の労働者がそうでない労働者と同じ職場で同じ職務に従事し、使用者の取扱いにも変わるところがなく、また、試用期間満了時に本採用に関する契約書作成の手続が採られていないような場合には、他に特段の事情がない限り、当該契約は解約権留保付雇用契約と解される。

(3) 解雇権留保付雇用契約における解雇権の行使は、解約権留保の趣旨・目的に照らして、客観的に合理的な理由があり社会通念上相当として是認される場合に許されるものであり、通常の雇用契約における解雇の場合よりもより広い範囲の解雇の自由が認められるものの、試用期間付雇用契約が試用期間の満了により終了するのは、本採用の拒否すなわち留保された解約権の行使が許される場合でなければならない。

土地の筆界と所有権界

2019-04-26 13:41:47 | 不動産
 
 土地の筆界と所有権界 

 筆界

 筆界とは、土地の登記簿に記載されている土地同士の境のことであり、公法上の境界です。最初に地番がつけられたときや、土地を分けたとき(分筆)、複数の土地を一緒にしたとき(合筆)に決められ、公法上の境界は一定の手続きをしなければ変更することはできません。
 法務局にある、地図や公図(地図に準ずる図面)、地積測量図に表されている境界線はすべて筆界です。土地の登記簿に記されている地積は、筆界により定まる面積です。

 所有権界

 所有権界とは、隣接している土地の所有者間で合意した境のことであり、私法上の境界ともいわれます。それぞれの土地の所有者が合意すれば自由に変更できます。よって、現状の所有権界と筆界が一致していないこともままあります。また、越境等により筆界より建物等がはみ出しているケースもあります。