でらできあい

ワンランク上のリアルカジュアル:デラックス溺愛

アリーナ・イブラギモヴァ

2006-10-21 10:53:11 | Violin&Viola

先週のNHK-BSでやっていた「アリーナ・イブラギモヴァ」(Vn)の演奏を繰り返し見ている。
こんなにイカすバルトークの無伴奏ヴァイオリンソナタは初めて聴いた。(ってフレーズは前も使ったことは内緒)
イザイ・バッハ・バルトークというプログラムのとおり、抜群のテクニックを誇ることは勿論、いい耳といい本能の奏でる音楽が素晴らしい。ロシア生まれの若干20歳、CDはまだ無し。そういう演奏家を大きく取り上げるんだからNHKは本当にエライ。

 バッハの無伴奏って、コンクールの課題曲的なテイストから生き様を見せるような演奏まで、まあ端的に言ってうっとおしいことが多いのだが、彼女の演奏はとても素直に聴ける。揚げ足を取る気が起こらない。細かなニュアンスに逃げず、明るすぎず、深すぎず、音楽への愛情が自然に伝わってくる。この人は楽器を弾くのが楽しかったんだろうな、和音を鳴らす喜び、和声を進行させる喜び。
 本能と節度。彼女の本能には節度が備わっているので本能のまま弾くのみ。この人は独りよがりな演奏を一生しないんだろうなと思わせるような楽器の鳴り方。素晴らしい。来年も来日しないかしらん。