「空気」に異議あり!

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「文民統制」「政府の方針」

2008-11-25 | 政治の空気
「文民統制」の「実質」は、日本の軍部が国の為政者の意向にかかわらず、
勝手に暴走して戦争を開始した点への反省として、
そういうことのないように、軍人を文民の下に置く、という点でしょう。
そのくらいの理由がなければ、
単に文民を上と見なし、軍人をバカにする差別的な制度と言わざるを得ません。
文民が軍人よりも立派な人間が多いとは限らないからです。
また文民でも戦争を始める可能性は十分にあります。

つまり田母神氏の場合で言えば、
田母神氏が総理大臣をはじめとする文民を無視して、
勝手に軍を組織し、侵略戦争を開始しようという怪しい動きが少しでもあったか、
あるいはありそうか、と言う点が問題です。
もしそういうきざしがあったのであれば、更迭は当然のことです。

しかしどう考えても、田母神氏がそのような動きをしていたとは思えません。
単に、いつも自分の主張を弾圧されている鬱憤を
小さく発した程度にしか見えません。
それは私達国民も普段から言論の不自由を感じて疑問を持ち、
マスコミなどに反対する意見を言っているために、その気持ちが分かります。

田原総一郎などの左翼知識人は、
無理矢理クーデターの危険性に結び付けていましたが、
そこには何の根拠もありません。
何の根拠もなしに人を有罪にすることは許されません。
「こいつは私には悪そうに見え、犯罪を犯しそうだから、あらかじめ逮捕する」
などという危険思想です。


どうやら現在の日本での「文民統制」の制度趣旨は、
軍人の暴走による侵略戦争の危険を回避する点にはないようですね。
私が想像するに、現在の日本での「文民統制」の制度趣旨は、

文民統制=近隣諸国を怒らせるような軍人の言論を弾圧する

というものです。
果たして「文民統制の制度趣旨」はこれでいいのでしょうか?
相変らず「他人の目を病的に気にする癖」は治っていないようです。


次に、文民統制の話ではなく、「政府の方針に反対する要人は更迭する」
という意見です。
私はこの制度には反対ですが、それは一旦置いておきまして、
これを遵守するなら、田母神氏を更迭するのは当然ということになります。

ただしこの場合、いかなる政府の方針に反する要人は更迭されなければ
平等ではありません。
例えば、死刑制度に反対する法務大臣は、すぐに更迭すべきです。
政府方針と異なるからです。
そういう時に「言論の自由の弾圧」を持ち出すなら、
今回の田母神氏の更迭も「言論の自由の弾圧」に該当します。

どういう主張が「更迭されるべきもの」で、
どういう主張が「更迭されるべきでないもの」か、
その基準は一体誰が決めるのでしょうか?
現時点ではマスコミや近隣諸国が決めているように見えますが、
私はその決定機関を選挙もしていないし、認めていません。

もし決めるのであれば、国民を巻き込んだ議論が必要です。
国民を巻き込んだ議論で決まった基準であれば、たとえ私が反対するものでも、
少なくても今の基準やその決定過程よりはマシです。

ところが今回、大半のマスコミは、
議論の唯一の題材である田母神氏の論文の詳細すら発表しなかったようです。
(産経新聞には載っていたようですが。)


現実には、マスコミや知識人は「国民に議論をさせたくない」ようです。
つまり、日本国民はバカなので、議論すればすぐに軍国主義に走り、
すぐに近隣諸国を侵略しかねない、という考えが根底にあるようです。
核兵器の問題についても、同じような構図が見受けられます。

これほど国民をバカにした話はありません。
どう考えても今の日本このような状態は民主主義とは呼べません。

このような「国民による議論」の問題は、今後も考えていきたいと思います。

5 コメント

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Unknown (和食健康)
2008-12-02 00:27:30
全部、田母神氏の主張に賛成できるわけではないですし、コミンテルン云々の部分は「?」となってしまいますが、大部分では賛同できます。

大東亜戦争時の日本の戦争目的は、自存自衛のためなのと、アジアを欧米の支配から解放し大東亜共栄圏の建設でした。

もし旧社会党党首村山談話を継承するなると・・・
少なくともインドネシアやマレーシアの人々の気持ちを踏みにじる事になるのではないのでしょうか。
『戦時中に日本軍と深く関わったインドネシアの人々が証言します。 オランダによる暗黒の植民地支配時代からインドネシアを救い、独立 を勝ち取るのに大きく貢献したのは我が日本であったのだと。

彼らは 言います。オランダ時代は、インドネシア民族にとって誇りの持てない 時代だった。1905年の日露戦争における日本の勝利により初めてイ ンドネシアに民族意識が芽生えるようになったと。

本書は、戦後、GHQによる戦争贖罪教育を受け、民族としての誇 りを失ってしまった日本人に再び誇りを持つきっかけになる良書です。
余談ですが、1994年、当時村山富一首相は東南アジアを歴訪した際、 マレーシアのマハティール首相から「日本は謝罪外交を止め、アジア が平和と繁栄のためにリーダーシップを取るべきだ」と諭されました。
また、本書は、中国・朝鮮の主張が全アジアの総意では無いことにも気付かせてくれると思います。』
(アマゾンの「インドネシアの人々が証言する日本軍政の真実」本のカスタマーレビューから転載)

このような当時の日本の行動に対しての好評価は戦後の侵略戦争をしたという教育により、日本国民は余り知らないのでは、と感じてしまいます。

あの論文には今までの既存出版で語られた事ばかりで目新しいものはありませんし、新事実や噂が検証されているわけではないですが、「侵略戦争?、自虐史観?」や太一様がタイトルとして書かれている「文民統制」「政府の方針」について今までタブーとして扱われてきた事象に一石を投じる、という意味でも無駄ではないと思いますね。

11月30日放送の「たかじんの委員会」では田母神氏出演、また新社会党の原という人物も出演し破綻した理論を展開していたようで、周りから鋭く突っ込まれていました。
当然、納得できる答えではなかったですね。
(もし何々になったら、というIF~の質問をしても「そんな事は起こらない」と自己完結で問答にならなかったようで)
>和食健康さん (太一)
2008-12-02 20:06:05
私はあまり見ていませんが、「朝まで生テレビ」のアンケートで、
田母神氏の主張に賛成する人は6割にものぼったそうですね。
あれだけマスコミが一方的に批判したにもかかわらず、です。

おそらくその6割の内訳は、和食健康さん同様、
「全て賛成という訳ではない」人が大半だと思いますが、
それでも田母神氏の主張を一方的にファシズム的に否定する風潮に対しては
反対の人が多いのではないでしょうか。

>このような当時の日本の行動に対しての好評価は戦後の侵略戦争をした
>という教育により、日本国民は余り知らないのでは、と感じてしまいます。

そう思います。
そしてここが一番重要だと思います。
つまり、教育もマスコミも一方だけの情報ばかり流し、
異なる説の存在を隠蔽してきたということが一番の問題でしょう。

「当時の日本の行動に対しての好評価」についての話題が出ると、
よくいる知識人はすぐに
「それが全てではない」「悪い評価が多いのが問題」などと言いますが、
その反論は、高評価説が体制を占めている場合に言って意味があるのであって、
隠蔽されてきた説として出てきた場合には妥当な批判とは言えません。

「それが全てではない」はその反対側の言う台詞ですよね。つまり、
「当時の日本の行動に対して悪い評価ばかりが全てではない」
という使い方が妥当です。それは、我々が、
「当時の日本の行動の悪い評価」ばかり聞かされてきたからですね。
歴史は詳しくありませんが… (かず)
2008-12-06 00:40:41
ここ1~2週間、再びネットが使用出来なかった為、久しぶりにコメントを書かせていただきます、と言っても殆ど内容はありませんし、文章も支離滅裂ですが…。

今回の田母神論文は、正規の手続きを踏まずに論文を発表した点で問題があった様に思いますし(田母神氏曰く『今までは今回と同じ方法で自分の主張を発表出来ていたのに、今回に限って問題になった』そうですが…)、太一さんや和食健康さんが仰る様に「(論文の内容は)全て賛成という訳ではない」のですが、それにしてもマスコミの叩き方は異常過ぎます。

>「文民統制」

これはサヨク思想の持ち主、あるいは(うちの父を始めとする)軍事アレルギーの人が盛んに主張する言葉ですね。

>「文民統制」の「実質」は、日本の軍部が国の為政者の意向にかかわらず、勝手に暴走して戦争を開始した点への反省として、そういうことのないように、軍人を文民の下に置く

太一さんが仰るこのことこそ、文民統制の本質だと僕も思うのですが、何故かこの日本では「文民統制」という言葉が都合の良い様に曲解され、独り歩きしてしまっているんですよね…。
そもそも「文民統制」「シビリアンコントロール」という言葉は通常、「軍」に対して使われるものなのですが、「自衛隊」に対してこの言葉が使われていることにも違和感があります。
現行の憲法9条第2項体制では、「自衛隊」は「軍」ではありません。
しかし、文民統制を主張する人達は「自衛隊」を「軍」と見ている…。
文民統制を主張する時は「自衛隊を軍と見て」、憲法9条護持を主張する時は「自衛隊を軍と見ない」。変な話です。

因みに、今回の田母神論文騒動について、父と言い合いになった時、父は盛んに「文民統制」という言葉を用いて、『こいつ(田母神氏)のやったことは言語道断。文民統制が緩んでいる。軍というのは膨張指向だから常に暴走(侵略)の危険性を孕んでいる。軍なんか無い方がいい』ということを言ってました。

また、田母神論文を問題にする人は盛んに「村山談話」を持ち出すのですが、僕が思うに幾ら政府の方針とはいえ、「村山談話」が現行憲法と同じくらいの効力を発揮し、言論にまで影響を及ぼしている現状は余りにも奇異です。

余りにも奇異なことがこの日本では罷り通る。
やはり連合国の属国だからでしょうか?
>かずさん (太一)
2008-12-07 19:35:52
>父は盛んに「文民統制」という言葉を用いて

一部の右の人の中にも文民統制を強調したがる人がいるようですが、
何であれ制度は文言よりも制度趣旨が重要なはずで、
それを軽視して文言ばかり強調するのは、
左右どちらにしてもある種の「権威主義」であって、
私の主張とは相容れないものですね。

>「村山談話」が現行憲法と同じくらいの効力を発揮し、
>言論にまで影響を及ぼしている現状は余りにも奇異

そういう感じはしますね。

もす右寄りの首相談話であれば、その効力は軽視されていたでしょう。
左寄りの談話だから、これだけの効力を持っているんでしょうね。
その辺からも、この国の言論は不平等であり、
自由も確立されていないと思います。
民主主義は死んでる日本 (ふしぎ)
2008-12-07 20:31:05
ご無沙汰しておりました。

田母神氏の論文、問題にしていながらどの新聞もTV
も全文公開しませんでしたよね。(産経・月刊誌はのぞいて)
その段階で私的には『言論弾圧』と考えています。しかも「自衛隊内規」に触れるかどうかは別として、まるで犯罪者扱いしてたのには驚きを隠せません。

公務員が政府の意向に沿わなければならないのであれば、公立学校の教師が(日教組等)国旗掲揚国歌斉唱を否定してはいけないし、労働時間外とは言えビラ配りなどしてはいけないはずです。けれどどちらも『法曹界』がお墨付きをあげている。だったら田母神氏のやった事は(言った事)は当然認められてしかるべしでは?

たかじんの~のTVに出てた新社会党とかの女性ですが・・・あんなんが市会議員やっとったんです。うちの住んでるとこ・・・(泣)震災の時に世話になったにもかかわらず、礼をいうこともなく自衛隊が『風呂焚き』しかしなかったかのような発言には正直キレました。あの時、あの知事とあの首相だったから6千余名もの死者になったと思っています。己のイデオロギーの為に県民市民国民を死なせた。そういう奴らが田母神氏をどう非難できるのでしょうか?

未だ日本に誇りを持つな!と命じる「村山談話」は国益を損ないます。しかもその談話が「言論の自由」を奪うのであれば、それこそが憲法違反ではないのでしょうか?

問題にされる論文の中身を論議もできない。抹殺しようとするのは民主主義に反します。しかも今回の事が「自衛隊員」の思想チェックに発展したと聞き、自衛隊の人の人権が犯され、思想言論の自由が侵されています。国を内側から滅ぼそうとしているのはいったいどっちなんでしょうか???

最後に、文民統制を持ち出す人に限って、今の自衛隊が交戦権を持っていないことを知らないようです。自衛隊は仕事をしてもしなくても叩けばイイと考えている人たちは、ほとんどが左派で『文民統制』と都合よくつかいますよね。

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