猫 周公のコラム

スケッチとエッセイ

有馬稲子さん

2010年04月29日 | Weblog

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日経新聞の「私の履歴書」は有馬稲子さんが書いている。彼女は本音を語るので、実に面白く感動をもらう場面が多くある。

 ある雑誌で読んで、NHKの朝のテレビで話して驚くほど大きな反響をもらった先人の言葉がある、「夏羽織一枚を残して死ぬ」。つまり人の一生はほぼプラスマイナスゼロ、わずかに夏羽織一枚を残す程度に終えるのが理想だという意味なのだ。もちろん、いま私はこれをたいせつな指針としている。

いい話だ。
まずは「人の一生はプラスマイナスゼロ」ということは納得できる。いいときばかりではないということだ。長い目で見ると、必ずいいことと悪いことは相殺され平等な人生を送るように出来ていると思う。長いこと生きていないと見えてこなかったことだ。だから、悪いことに不満を言うのはよそうと思うようになった。

「夏羽織一枚を残す程度に終える・・・」というのも、身を軽くして一生を終えることだと思う。財産などはもともとあろうはずがないので残しようがないが、名前や名声も身軽にしておくべきだと思う。欲もほどほどということであろう。

この絵は清里のホテルの窓から見た風景だ。毅然とした山々には感動を受ける。